働き方改革(その6)陥りがちな6つの失敗ケースと働き方改革の疑問?何故女性の活用が必要なのか?何故労働時間の削減が最も重要なのか?

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「御社の働き方改革、ここが間違ってます。(白河桃子 著)」

 

この本は、働き方改革を進める上でのポイントや事例が豊富に紹介されています。その1~その5までの全てをカバーしたような内容で、大変参考になります。

ただ、特にフレームワークを明確にしているわけでもなく、いろんな事例とポイントがランダムに書かれているイメージなので、ちょっと全体像がつかみにくいです。

私もフレームワークを整理したあとに読んだおかげで全体像がイメージできたと思います。

ということで、フレームワーク的なまとめは抜きにして、その1~その5で、あまり触れられていなかった下記の視点から内容を紹介します。

「御社の働き方改革、ここが間違ってます。(白河桃子 著)」

  • 働き方改革で陥る失敗
  • 何故ダイバーシティの推進(特に女性の活用)が必要なのか?
  • 何故労働時間の削減が最も重要なのか?
  • 「働き方改革」の事例

それでは1つ1つ見ていきます。


働き方改革で陥りがちな失敗ケース

【失敗ケース1 10時消灯、ノー残業デー、パソコンの強制終了など、「早く帰れ」のかけ声のみ

⇒ サービス残業、持ち帰り残業の増加

 

【失敗ケース2 若手だけが帰る

⇒ 残業代の発生しない管理職がオーバーワークに

 

【失敗ケース3 いっさいの残業を厳格に禁止する

⇒ 雑談もなく新規提案もない、ギスギスした会社に

 

【失敗ケース4 「好きで働きたいという人は良いのでは」と、例外を認める

⇒ 改革のブレーキとなる。また、好きで働く人も、いずれ生産性が落ちる(体力・気力)

 

【失敗ケース5】 生産性を高めた結果、給料が減り、不満が増える

⇒ 「何故、生産性を高め、短時間に結果を出した方が給料が安くなるのか?」という疑問、不満が出る。対応しないと長時間労働の社風に戻る。

 

【失敗ケース6 女性に優しい職場(資生堂ショック)

⇒ 育休制度、短時間勤務の普及により、子育て中の女性が、時短勤務で早い時間帯のシフトに入るようになり、子供のいない社員にすべてのしわ寄せがいき負荷が極端に大きくなった。時短社員が15%を超えると、このような歪がおき、経営を圧迫する。

いずれも、実際に働き方改革を進めると陥りガチな失敗です。

これを防ぐためにはどうしたらよいでしょうか?あらためて先にまとめたフレームワークの中で有効なポイントを確認します。

  • 量から質へ。ネガティブな仕事を減らす。
  • ポジティブな仕事(スキルアップ、既視感、コミュニケーション、頭を使う時間など)を増やす
  • 既存のやり方を圧倒的に向上させることを追及することで、新たな価値やイノベーションを生み出す。
  • 評価と賃金の基準は生産性
  • 制度と枠組みを作って、徹底
  • 成長を促すパフォーマンスマネジメント
  • 従業員エクスペリエンスを向上させる
  • 継続する

上記のポイントを押さえていれば、15の失敗ケースを防げることが分かります。

6つ目の資生堂ショックについては、重要なポイントなので補足します。

育休制度、短時間勤務の普及で子育てママにとっては働きやすい職場となりました。ここまでは成功事例です。ところが、次のステップとして、子供のいない社員にすべてのしわ寄せがいくという問題が発生しました。この課題を解決のためには、子育てママも休日や遅番に交代で入ることが求められます。そのためには家庭での夫の協力が必要となります。つまり女性だけではなく、男性の働き方も変える必要があり、そこに手が入ったというい点で転換点となった事例です。


何故ダイバーシティ(多様性)の推進(特に女性の活用)が必要なのか?

【ポイント1:女性がいるチームの方がイノベーションが起こりやすい】

  • 多様性はイノベーションの価値を高める。
  • 社会的感応度の高さとイノベーションは正の相関がある。
  • 女性のほうが社会的感応度が高く、そのため女性がいるチームのほうがよりイノベーションを起こす。
  • 企業にとっては、生産性をあげて新しい価値を創造していくことが死活問題となっているが、そのために女性の活用、ダイバーシティの推進が必須となっている。

多様性とイノベーションとの関係については、論文も出ていますので、折をみて紹介させて頂きます。

【ポイント2:生涯所得】

  • 2度の育休、時短を取ったとしても大卒女性の標準労働者の生涯所得は2億円超、出産退職はマイナス2億円、という資産が出ている
  • 男性一人で、マイナス2億円分をカバーするというのは無理。
  • 所得の問題で子供が生めないなどの問題が出るだけでなく、経済成長の面からも社会的問題となっている

つまり、企業の価値向上と、社会的問題解決という2点から、ダイバーシティの推進(特に女性の活躍推進)が必要なのです。


何故労働時間の削減が最も重要なのか?

上に上げた問題の根本原因の解決となるためです。まとめると下記3点になります。

量より質

質より量、既存のやり方を圧倒的に向上させる方法はないか?という問題意識の追及から生産性向上、イノベーションが生まれる。

労働時間削減は、労働時間に制約を設けること、労働時間削減により増えるもの(コミュニケーション、多様な体験、睡眠など)の2つの効果によりイノベーションを生み出すドライバーととなります。

女性活躍のレバレッジポイント

労働時間が減ることで⇒男女ともに働きやすくなり生産性アップ⇒子育てやインプットの時間ができる⇒労働人口が増え、イノベーションが生まれる

というような正の循環が生まれます。ここで男性の労働時間も減ることも重要な点です。

社会問題(少子化)のレバレッジポイント

上の図と似ていますね。少子化にとっても労働時間削減がレバレッジポイントになります。アメリカや北欧などを見ると納得感あります。やはり長時間労働はいろんな意味でよくないですね。


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1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!