働き方改革(その8)想像以上に凄いRPA!5割以上の業務量削減は当たり前。それだけでなく作業者の意識改革、PDCAの短サイクル化でビジネスの付加価値を高めます。まさに働き方改革の本命!

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RPAの威力」(阿部 慶喜 著)

RPARobotic Process Automation)という言葉を新聞や雑誌等で頻繁に目にします。私はRPAについてほとんど知識がなく、単純作業を自動化するExcelマクロに毛が生えた程度のものかな?ぐらいの認識でした。働き方革命つながりでこの本にたどり着きましたが、この本を読んで、想像以上に凄い、ということがよく分かりました。「働き方改革の本命」とも言われる所以です。

これからRPAの導入を考えている人、とにかく業務量を減らしたい、という方には是非読んでいただきたい一冊です。

RPAの威力 ~ロボットと共に生きる働き方改革~(阿部 慶喜 著)

RPAAIの違い

私自身、RPAAIの違いがよく分からなかったので大変参考になりました。

RPA

人間が決めたルールの範囲内で自動化

  • 人間が判断ルールや各判断結果における処理をすべて支持
  • ツール内の処理はすぐに100こなせるが、ルール外の処理は全くできない

⇒適用範囲は狭いが、すぐに効果を出して投資回収ができるため小粒業務に向いている

AI

ルールを自ら発見・定義して自動化

  • 大量のデータを学習・解析し、推論により自らルールを発見・定義
  • 適用範囲は広いものの、100%の精度で処理ができるまでには時間と費用がかかる

⇒処理精度向上までは人手による支援が必要で、小粒業務ではROIが合いにくい


RPAのターゲット業務

「システムとシステム未満をつなぐ」という言葉が端的にターゲットを表しています。

もう少し簡単に書くと

「システム化するとコスト倒れするが効率化する余地がかなりある領域」

です。下記図を参照しながら補足します。

引用元:RPAの威力 ~ロボットと共に生きる働き方改革~(阿部 慶喜 著) p.164

会社でシステム化しようという話が出ると、従来は業務量が多くて負担が大きいもの、この図の左側の部分(大規模業務)に注目してシステム開発が進められます。そして、業務量が少ない中・小規模業務については、投資対効果に見合わないため、システム開発の対象外となります。そういった業務は、一部はExcelやアクセスなどの汎用ツールを活用してマクロなどを活用して自動化されます。それでも大部分の中・小規模業務は、人手に頼ったままです。派遣や業務委託なども活用しますが、基本的には人手に頼ったままです。

RPAはまさにこの領域がターゲットになります。会社の中には、このような中・小規模業務が山のようにあります。まさに宝の山ですね。


RPA導入のメリット

自動化による劇的な業務量削減は当然の効果ですが、私はそれ以外の効果がポイントだと思っています。特に意識改革、PDCAの短サイクル化が、RPA導入の凄さの理由にもなっています。

  • 業務量の劇的な削減(RPAを導入した業務の97%5割以上の業務が削減)
  • 意識改革

簡単に導入、改善できるため、RPAで解決できるのでは?と、原点に立ち返り、自発的に業務を見直す改善意識が生まれる。

  • 業務のPDCAサイクルの短サイクル化

まずは導入、DOからはじめてPDCAサイクルを回すDCAPが重要で、それを実行していくので、業務のスピードが上がる。またデータ収集などが簡単にできるため、例えばこれまで1ヶ月頻度でデータチェックして、フィードバックしたような作業が、毎日できるようになるこれによりPDCAのサイクルが短くなり業務の付加価値が高まる。

  • プロセスの可視化

ロボットに業務プロセスを入れていくために、業務プロセスを理解し可視化するステップが必要となる。そのためプロセスを可視化でき、またその過程で作業者が業務全体を捉える視点を養うことができる

  • コーディングの属人化排除

専門家しか分からない複雑なコーディングは不要で、簡単にいうと、可視化したプロセスマップを描けば、それがそのままインプットとなってロボットができる、というイメージです。そのため誰でも容易に開発することができ、かつプロセスが可視化されているので属人化が排除できます。

  • 開発の迅速化

1週間もあれば開発できるロボットが多くあります。驚くべき速さですね。


RPA導入の5つのポイント

一番のポイントは、「最初の考えるより触れ」です。簡単なので、まずはやってみて、それからPDCAを回すDCPA。まさにリーンスタートアップの考え方です。

  • 考えるより触れ
  • 業務部門とIT部門がタッグを組め
  • 運用ルール・体制を考え抜け
  • 現場を巻き込め
  • 最適なツールを選べ

RPAツールの比較

下記2つの図表が大変参考になります。これを参考に自社での導入プランを考えようと思います。左下のクライアント型が初期導入コストが低いですが、全社での展開などを考えるとサーバー型かな、という印象です。

RPAツール、主要5製品を比較分析

引用元:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/080700333/101900003/

【RPA導入で注意すべき3つのポイント】ツール選定・対象業務・費用

引用元:https://kashika.biz/sps_important_point_of_rpa/


RPA導入事例5選

ダイワハウス工業

ロボット7体導入初年度で1800万以上の経費削減!7体の内訳は下記

  • 完了証明書データダウンロード
  • 連結決算書収集
  • 勤怠チェック
  • SC支払照合
  • 経営指標
  • 建設許可番号収集
  • 協力会社社会保険加入状況確認

7体のロボット開発工数が、トータルで34人日、1体あたり5人日という短期間なことも注目です。

農林中央金庫

有価証券の時価登録業務の9割をロボット化、3人の担当者の入力がほぼロボットに置き換わる。

従来は、証券会社からExcelpdffaxなど異なる媒体、様々なフォーマットで送られてくるレポートを担当者が目視で確認しながら業務システムへ手作業で入力していた。

ロボット導入により、ロボットがwebにアクセスして必要なデータをexcelに収集。その収集されたexcelを担当者が確認して業務システムへ入力するように変更。これにより3人の担当者の入力がほぼロボットに置き換わり、9割の作業が削減された。

人とロボットが共存していることがポイント従来のシステム開発は、プロセスを固定するという考え方でがっちりとしたシステムを構築してきた。RPAは一度導入したらそれで終わりではなく、例えば有価証券のデータのフォーマットが先方の都合で変わるといったことは容易に想像できる。このようなケースでは、最初は担当者がマニュアルで対応するが、翌月までにはロボットを修正して対応できるようにする。

このようにプロセス変更に対してロボットを修正、進化させることがRPAの重要な点です。ここに人とロボットの共存しているポイントがあります。

ブリジストン中国

業務の棚卸からスタートし、初期導入5体で年間3600時間を削減

RPAに適した業務、適さない業務の見極めが重要。RPAに適さない業務は、非定型業務、人の判断が必要な業務、画像として表示される文字の読み取り(OCR

業務の最初から最後まで人間の作業が入らない形で100%ロボット化可能な業務は案外少ない。

人とロボットとの共存が必要。

また、まずはやってみて、それからPDCAを回すDCPAでやったことが成功の要因

帝人フロンティア

OCRロボによる自動化で業務を86%削減

RPAが適さないといわれているOCRロボの導入事例としてモデル事例となりそうです。

顧客からの大量の支払い明細書のスキャンデータを11枚読み取り、部署コードと伝票No.2項目を読み取り、実際の入金情報DBと照合するロボット。

現在のOCRの読み取り精度は85%。読み取りエラーをパターン分析して読み取り精度向上のための改善につなげている。

NECマネジメントパートナー

全社的に推進・導入を図ったモデルケース。ロボット100体で年間数万時間を削減。

現場を巻き込む組織戦略がカギで、成功要因は2つ。

  • 十数ある事業部のとりまとめ役として業務側に近い人を自動化ツールグループの兼務者としてアサインすることで、業務部門を巻き込む。
  • 選任のとりまとめSE現場とシステムの両方が分かる人材。このSEが業務的視点とシステム的視点をもって対応してくれたのが非常に大きかった。

実際に導入したロボットをタイプに分けると、以下のように分けられる。自社でどんな業務に適用できるか考えるのに参考になります。

  • チェックロボ
  • データ集計ロボ
  • 対話型ロボ:(例)派遣契約の更新予定をロボットが抽出し、各拠点にメールを送信して契約更新を人に確認させる。ロボットはその回答結果をとりまとめ、調達部門へメールを送信する。
  • 登録型ロボ
  • つなぎ型ロボ:(例)複数の会社のシステムを統合して新システムを構築する場合に、旧システムから新システムに移行するまでの間、旧システム間をつなぐロボット

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!