糖尿病患者がいつでも採血なしに血糖値を測定できるという画期的な新製品と保険制度の問題点

Pocket

糖尿病患者がいつでも採血なしに血糖値を測定できるという画期的な新製品

糖尿病患者がいつでも採血なしに血糖値を測定できるという画期的な新製品が最近ニュースや新聞で話題となっています。

引用元:「採血なし血糖自己測定」、糖尿病診療をどう変える?

<http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327441/092600245/?ST=health&P=3>

500円玉大のセンサーを上腕に貼り付けるだけで血糖値を連続測定でき、患者がその結果をリアルタイムに確認できる

そんな新しいタイプの CGM(持続血糖測定)用デバイスが、いよいよ日本に上陸した。2017年9月1日から日本で保険が適用された、アボット ジャパンの糖尿病患者向けグルコースモニタリングシステム「FreeStyle リブレ」。

FreeStyle リブレの対象となるインスリン使用患者は「糖尿病患者の15%ほどだが、医療費では(インスリンは使わず薬などで治療している患者の)2~3倍かかっている」と指摘した。重症化して糖尿病性腎症になり、透析治療を受ける患者も少なくない。透析治療の医療費は、1人当たり年間500万円ほどにものぼる。

貼り付け元  <http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327441/122500287/?SS=imgview_ndh&FD=-1099032330>

医療費の点からも患者の血糖コントロールが強く求められているものの、その指標としてこれまで使われてきたHbA1cには不十分な面があったという。

「医師にとってのアンメットニーズとして、低血糖の回避血糖変動の最小化という2つの課題があった」。

血糖値の変動幅が大きいと心血管イベントを起こしやすいことが知られているほか、低血糖で倒れれば命を落とす危険もある。

FreeStyle リブレはこうした課題に応えるもので「痛みなしに使える点からも理想的なデバイスだ」。

FreeStyle リブレを使うことで低血糖の出現を大幅に抑えられるといった効果が、既に明らかになってきている。

手軽に測定(スキャン)できることから、測定回数も従来の方法に比べて増える傾向にあるという。

FreeStyle リブレの登場によって、今後1~2年で糖尿病診療にパラダイムシフトが起こるといわれています。


なぜイノベーティブだと思うのか?

従来の自己血糖測定(SMBG)では採血が必要で、常時血糖値をモニタリングすることができません。

またインスリンポンプと一体となったCGM(持続血糖測定)デバイスは従来からありましたが、FreeStyleリブレは、ポンプとは切り離して、かつ採血なしで簡単に血糖値を測定するという、機能を絞り込んで簡素化した点がイノベーティブです。


人々の暮らしをどう変えるのか?

血糖値の変動の傾向が常に見えるということは、血糖値コントロールには一番重要なことです。

これまでリアルタイムに見えなかった血糖値が見えるようになったことで、血糖値をコントロールしやすくなり低血糖などが回避できます。

また状況が分からないというのは心理的プレッシャーや行動の制約も多くなります。

状況が分かることで心理的負担が減り、行動の自由度が上がります。患者さんにとっては、本当にうれしいことです


応用できる発想は?

「機能絞り込み&簡素化」によりターゲットを広げる、という点が応用ポイントだと思います。


保険償還価格の問題

このような画期的な製品ですが、保険償還価格の問題で病院が赤字となるため、患者さんが使いたいのに使えない、というケースが出てきています。このため次回の診療報酬改定での点数アップが強く望まれている状況です。

詳細は下記記事を参照下さい。

引用元:来春の診療報酬改定での点数アップに期待集まる話題の新製品

http://techon.jp/atcl/feature/15/327441/122500287/?n_cid=nbptec_tecml

  • 機器本体のメーカー希望小売価格は7,089円
  • センサーと電極のセット価格は、電極の枚数とは無関係に、センサー2個で13,800円
  • 本体価格とあわせて20,889円

使い捨てのセンサーは単独では販売されておらず、使用する際の電極とセットでしか購入できない。

本体やセンサー・電極には保険償還価格が設定されておらず、技術料で保険償還をうける

「月に120回以上測定する場合」の1500点を技術料として算定:15,000円

本体料金を含める20,889円なので、技術料15,000円よりも高くなり、初回は赤字(15,000-20,889 =Δ5,889)になる。

本体は使い捨てではないので、2回目以降はセンサーと電極のセットを購入するだけで1500点を算定できるが、それでも利益はわずか。(15,000-13,800=1,200円)

本体をレンタルではなく譲渡するとすれば、1人の患者が6カ月継続使用して、ようやく本体代金を回収できる計算だ。

また2型糖尿病の場合、血糖自己測定器加算で算定できるのは最大でも「月に60回以上測定する場合」の860点なので、2型糖尿病の患者にFGMを1カ月間使用すると、本体をレンタルしたとしても1人当たり数千円の赤字が生じる。


世界初、血糖値を計測できるスマートウォッチが医療を変える

世界ではじめて血糖値をモニタリングできるウェアラブルデバイスが開発中です。
LifePlusというスタートアップ企業が提供する『LifeLeaf』という製品名のスマートウォッチです。
『LifeLeaf』は、Photoplethysmogramテクノロジーと深層学習アルゴリズムによって連続的に血糖値を測定することに成功

モニタリングされた数値は付属のモバイルアプリにより、異常があった場合はすぐにその情報を取得可能です。

従来の血糖値測定は、腹部や腕などにセンサーを装着し、連続して間質液中のグルコース値を計測する原理でした。そのため、皮下にセンサーを挿入する必要があり、また指先穿刺で血液を採取しキャリブレーションが必要な機器もあります。

私もお試しで装着したことがありますが、指先穿刺は痛いですし、血も出ます。あまり気持ちのよいものではありません。

LifeLeaf』は原理が全く異なるため、皮下へのセンサー挿入や指先穿刺が不要となり、非侵襲で手軽に血糖値が測定できることが特徴です。
楽しみな製品ですね。


「血糖トレンド」把握の時代へ

「血糖値の『点』の測定だけでは糖尿病患者の状態は判断できず、『線』で見ることが重要だ。日々の血糖トレンドを把握することで、医師も患者も多くの気づきを得ることができる」

引用元:https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/327441/090700555/?ST=SP-health&n_cid=nbpnxt_mled_ndh

これは、どういうことでしょうか?

下記の図のように、健康な人でも食後に血糖値が高くなります。

ただ、健康な人では、血糖値の上り方は少なく、元に戻るのも早いです。

一方、糖尿病や糖尿病のリスクの高い血糖値スパイクのある人では、食後に血糖値が大きく上昇します。

また血糖値が高いことで免疫力が落ち、「AGE」という悪玉物質が体の中でつくられ老化が進みます血糖値が高ければ、血管も内蔵も、皮膚などの外見もぼろぼろになってしまう、と言われています。

引用元:http://www.dm-net.co.jp/trend/oshiete/003.php

このように血糖値の変動は、健康と深い関係があります。そのため血糖値変動を把握する動きがトレンドになってきています

日を通した血糖値の動き(日内変動)が見えると、自分の血糖値が何による影響を受けて変動したのか、考えるクセがつくし、対策を取ろうと思いますよね?

食事によって血糖値がどんなに急上昇したか一目瞭然となり、食事に注意を払うことの重要さが目で見て理解できます。

さらに血糖値の日内変動を把握できると、低血糖のリスク回避やシックデイの対応にも役立てることができます。

私はお試しで、 CGM(持続血糖測定)をつけて血糖値をモニターしたことがあります1週間ほど装着しました。食事をとるとすぐに血糖値が上がるのは予想通りでしたが、カフェラテ、缶コーヒーなど砂糖入りのコーヒーを飲むと、とたんに血糖値が上がることには驚きました。

その後、下記本を読んで、砂糖入りのコーヒーやチョコレートなどを控えることにしました。

カフェラテを飲んだ直後から血糖値がみるみる上がっていくというのは、すごい衝撃でした!


参考情報

  • 「採血なし血糖自己測定」、糖尿病診療をどう変える?

<http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327441/092600245/?ST=health&P=3>

  • 世界初、血糖値を計測できるスマートウォッチが医療を変える

http://gadgets.evolves.biz/2018/05/19/lifeplus-lifeleaf/

  • 「血糖トレンド」把握の時代へ「FreeStyle リブレ」のアボット、血糖変動把握の重要性を強調

https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/327441/090700555/?ST=SP-health&n_cid=nbpnxt_mled_ndh

  • 血糖トレンドを血糖コントロールに役立てる

<http://www.dm-net.co.jp/trend/oshiete/003.php>



Pocket

2 件のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    ABOUTこの記事をかいた人

    1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!