【ヘルスケアビジネスモデル15】調剤薬局を加盟店化する医薬品ネットワークのプラットフォーマー「メディカルシステムネットワーク」

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医薬品ネットワークのプラットフォーマー:メディカルシステムネットワーク

では調剤薬局が、旨みのあるビジネスであることを紹介しました。

ただこれからは調剤薬局の差別化、淘汰の動きが加速すると考えられます。

そんな中、医薬品ネットワークという新しいプラットフォームを構築している「メディカルシステムネットワーク」を紹介します。

メディカルシステムネットワーク社

1999年に札幌市で創業し、下記売上高推移が示すように順調に成長してきています。

2016年度時点で、調剤薬局市場でシェア第9です。

ただ2017年度3月期は、下記図のように最高の売上高を記録するものの、薬価・調剤報酬改定の影響等により減益となりました。

保険医療費の削減のため薬価・調剤報酬の下げ圧力が強く、ここに今後の調剤薬局の差別化の重要性があります。

引用元:メディカルシステムネットワーク 平成29年3月期業績説明資料


売上高の90%は本業である調剤薬局事業が占めています

今回紹介する医薬品ネットワーク事業は、売上高比率はわずか3.5%ですが、営業利益の約半分を占める高収益事業です。

引用元:メディカルシステムネットワーク 平成29年3月期業績説明資料


医薬品ネットワーク事業

医薬品ネットワーク事業のサービス概要です。

多くの調剤薬局は1店舗の単独経営です。そのような調剤薬局は、下記のような多くの悩みを抱えています

  • 卸各社との価格交渉や決済が手間
  • 薬の発注や在庫管理が手間
  • 薬のロス(廃棄処分)を減らしたい

メディカルシステムネットワークは、このような調剤薬局を顧客として悩みを解決するサービスを提供します。

その対価として、顧客である調剤薬局から医薬品受発注手数料やシステム利用料を徴収し収益を得るとともにネットワークに加盟してもらいます。

このようにして、加盟店の医薬品取り扱い量と自社の調剤薬局事業である「なの花薬局」の医薬品取り扱い量と合わせることで取り扱い量を増やし、自社分の購買力も強化しているのが特徴です。

引用元:メディカルシステムネットワーク 個人投資家向けIRセミナー資料(2017年2月22日)


2017年3月末時点で、ネットワーク加盟件数は1,770となっています。ちなみに先日紹介した調剤薬局シェアトップのアインファーマシーズの店舗数は1,066件で、その店舗数よりも多くなります

その結果、医薬品取り扱い高1,374億円は業界トップです。

引用元:メディカルシステムネットワーク 平成29年3月期業績説明資料

不動在庫消化サービス(デッドストックエクスチェンジ)

もう一つ面白いと思ったので、不動在庫消化サービスです。

「不動在庫」とは今後調剤される見込みがなく、薬局の資金繰りを圧迫している在庫のことをいいます。

薬局における不動在庫には、下記のようなものがありますが、運営上これを極力減らすことが重要です。

  1. 使用期限が迫っているもの
  2. 長期間調剤されていないもの
  3. その他のもの(例:帰省時にたまたま来局した患者さんの薬で、今後処方される見込みがない、など)

この不動在庫を消化するサービスが、デッドストックエクスチェンジです。

下図のような流れですが、簡単にいうと、「不動在庫があるので売りたい」という店舗と「必要だ」というお店舗のマッチングサービスです。

最近では同様のマッチングサービスも増えてきているようです。

引用元  <http://100man1oku.main.jp/archives/5759>


ビジネスモデルキャンバス

この医薬品ネットワークのビジネスモデルは業界唯一とのことです。

まさにプラットフォームを構築しているカテゴリーキングになっています。

どのようなビジネスモデルなのか?ビジネスモデルキャンバスを描いてみました。

ビジネスモデルのポイントは下記3点です。

  • 調剤薬局を顧客として悩みを解決するサービスを提供
  • お悩みごと解決サービスにより、顧客である調剤薬局から手数料やシステム利用料を徴収し収益を得るとともに、ネットワークに加盟(囲い込み)
  • 加盟店の医薬品取り扱い量と自社の調剤薬局事業である「なの花薬局」の医薬品取り扱い量と合わせることで取り扱い量を増やし、自社分の購買力も強化

このモデルを成立させるキーリソースが、悩みごと解決サービスです。

さらに、利益率が高い点が特徴です。

医薬品ネットワーク事業は、売上高比率はわずか3.5%ですが、営業利益の約半分を占める高収益事業です。

主力の調剤薬局事業と比較すると違いは一目瞭然です。

単位:億円 調剤薬局事業 医薬品ネットワーク事業
売上高 817 32
粗利益

(売上高比率%)

289

(35.4%)

22

(69.2%)

営業利益

(売上高比率%)

23

(2.8%)

17

(5.3%)

医薬品ネットワークのプラットフォーマーとしてカテゴリーキングの地位を築きつつあると思います。

多くの調剤薬局を加盟店化した後、その影響力を生かして何ができるのか?非常に楽しみな会社です!


参考資料

  • メディカルシステムネットワーク ホームページ

http://www.msnw.co.jp/business/pharmaceuticals_network/

  • メディカルシステムネットワーク IR資料

http://www.irtimes.com/company/d4350/movie/page2.html

  • メディカルシステムネットワーク(4350)、秀逸なビジネスモデルを評価

http://100man1oku.main.jp/archives/5759

  • アナリスト対談 メディカルシステムネットワーク

http://www.msnw.co.jp/ir/analysts-talk/

  • 4350 メディカルシステムネットワーク

http://blog.livedoor.jp/carnavalito/archives/45869025.html

  • 本部や薬局長から「不動在庫を減らすように」と言われますが、どうしたらいいのかわかりません。いい方法はないでしょうか。

https://pharma.mynavi.jp/contents/yakuyomi/manner_technique/%E7%AC%AC62%E5%9B%9E%E3%80%8C%E4%B8%8D%E5%8B%95%E5%9C%A8%E5%BA%AB%E3%81%AF%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%A8%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%8C%96%E3%81%A7%E6%B8%9B%E3%82%89%E3%81%9B/

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!