【学びと成長1】どうやったら4年で人が入れ替わる大学スポーツで9連覇もできるのか?~自ら学び、行動し、成長する組織を作る~「常勝集団のプリンシプル」

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何故、4年で人が入れ替わる大学スポーツで9連覇もできているのか?

2018年の1月、全国大学ラグビーフットボール選手権で帝京大学が9連覇を達成!

大学スポーツは、4年で選手が入れ変ります。他校も同じように選手が入れ替わるので、戦力バランスは毎年変わります。そんな環境での9連覇は、まさに前人未踏の偉業です。

その秘密を組織マネジメントの観点からまとめた本がこれです。

「常勝集団のプリンシプル 自ら学び成長する人材が育つ「岩出式」心のマネジメント(帝京大学ラグビー部監督 岩出 雅之「著」)」

ビジネスにおける組織作りにおいても示唆に富んだ大変参考になる本でした。必見です!


常に勝ち続ける組織は「トップダウンのセンターコントロール型」ではなく「自立型成長組織」

会社でも「オレについて来い」式の上司の下には、「指示待ち」の部下が増えます

トップダウン型でリーダーの指示をメンバーが忠実にこなすスタイルでは、チームはあるレベルまで実績を出せたとしても、そこで壁にぶちあたり、それ以上の成果は出せません。

一方、メンバーが自己成長する組織には、こうした限界はなく自分達で考え、行動、成長することで、組織は強さを増していきます。

「勝ち続ける組織」を一言でいうと、「自ら学び、行動し、成長する組織」です。

この「勝ち続ける組織」=「自ら学び、行動し、成長する組織」を実現されるための原則を7つのプリンシプルとしてまとめています

そっくりそのまま、自分の組織のマネジメントの原則として目に見えるところに貼りだしたいくらいです。

①勝ち続ける組織とは「メンバー1人ひとりが自律的に考え、行動し、仲間と助け合いながら自ら学習、成長する集団」

②まずはリーダーが変わらなければならない

メンバーの人間的な成長をめざすのではなれば、リーダーは指示命令の代わりに、メンバーの「自律」を促す環境づくりに精力的に取り組まなければならない

指示命令を出す方がよっぽど簡単です。でも指示命令を受けた側の「人間的な成長」は期待できません。

指示命令は、リーダーが楽をするためのツールという記載が、心に響きました。

③メンバーの「自律」を促す心のマネジメントに精力的に取り組む

メンバーの「自律」を促す環境づくりは、非常に遠回りで気の長いアプローチです。我慢や忍耐も必要です

④「自律型組織」の究極的な目的はメンバーの人間的な成長とイノベーションを生み出す能力

⑤の「適応パフォーマンス」は、従来のやり方にとらわれない新しい発想、つまり創造力やイノベーションの発揮が求められます。

VUCAの世界を生き抜くため「適応パフォーマンス」を発揮できる能力を身につける

現代はVUCA(ブーカ)の時代

  • V:Volatality(変動)
  • UUnsertainty(不確実)
  • CComplexity(複雑)
  • AAmbigiutiy(曖昧)

スポーツでもビジネスでも、現場では予想外の出来事が次々と起きています。

予想外の変化に直面した時に、メンバーが自ら判断し、最善の対応をめざす「適応パフォーマンス」が求められます。

⑥普段の練習、生活を通してフロー状態に入る技術を身につける

「自らの能力を100%発揮する」ことが重要です。

自らの能力を100%発揮している状態集中力が非常に高毎、自分の能力がいかんなく発揮されている状態が「フロー状態」です。

条件を整え、訓練することで、自分の意思で「フロー」に入れるようになります。

普段の練習、生活からこの「フロー」に入れる訓練をすることが重要。

⑦最強のモチベーションは「お金」ではなく「楽しさ」


7つのプリンシプルを実現するための3つのアプローチ

それでは7つのプリンシプルを実現するためには、具体的には何をすればよいのでしょうか

具体的なHowをまとめたのが、下記3つのアプローチです。

順にポイントをまとめます。

外的環境づくり

脱・体育会系、余裕のある組織風土

従来の組織では大学4年生は神として絶対的な存在で恐れられていました。

勿論、雑用は一切なし1,2年の下級生が雑用を一手に引き受けます。

しかし帝京大では、4年生がトイレ掃除や雑務を担当します。

1年生、2年生の下級生は、ラグビーに専念させます。余裕が生まれことで自分づくり、仲間づくりといった内的環境に集中できまるので、早く成長します。

また3年生は1年生の研修会の講師を務めることで、視点が下級生を育てることにかわり新たな成長につながります。

4年生の言葉が印象的です。

「1年生のときすごく救われた。4年生になって活きてきた。余裕が生まれ、1年生をサポートすることができた。気づく力が養われた」。

このように、従来の体育会系組織とは真逆にすることで、自ら成長する組織が作られます。

横のコミュニケーションを活性化させる学生コーチ制

「トップダウンのセンターコントロール型」ではなく「自立型成長組織」になるためには、メンバーが圧力を感じることなく、すーっとリラックスして聞ける状態を作る必要があります。

そのためには、同級生や先輩など、身近にいる人に言ってもらうのが一番です。

そこで4年生5名を学生コーチとして、監督やコーチの分身として、練習メニュー作成から部員のコンディションの把握まで細かく気を配ります

3人トーク

練習中でもミーティング中でも3人トーク」を頻繁に行います。

パッと3人で集まって、大事なことを確認しあう数分間のミーティングです。

3人トークでは、上級生が聞き役に回り、なるべく下級生に話をさせるのがポイントです。

こうした横のコミュニケーションを繰り返し行うことで「やるべきこと」が具体化、論理化、意識化され、何故それをやらないといけないかについての理解が進みます

内的環境づくり

成長マインドセット

マインドセットには「成長マインドセット」と「固定マインドセット」の2種類あり、どちらであるかによって、その後の人生に大きな差が出てきます

成長マインドセットを持ってもらうためには、結果ではなく努力のプロセスをほめて誘導していくことがポイントです。

具体的なやり方は、後述する「フローに入る技術」がそのまま使えます。

成長マインドセット 固定マインドセット
才能へのスタンス 努力次第で伸ばせる 固定的で変わらない
関心事 自分を向上させること。努力 他人からの評価。賢さの証明
壁にぶつかった時 粘り強く乗り越えようとする すぐにあきらめる
自分への批判 批判から真摯に学ぶ 批判は無視する
成功とは 自分のベストをつくすこと 自分の優秀さを見せつけること
失敗とは 教訓を与えてくれるもの 屈辱、我慢ならないこと
他人の成功 自分への気づき、学びを得る 脅威に感じる

参考資料:「マインドセット(キャロル・S・ドゥエック著)」

フローに入る技術:7つの鉄則

大事な場面というのは不安やプレッシャーに襲われやすく、そうした状態でフローに入るためには、普段の生活や仕事、練習時などの平常時に「以下の7つの鉄則」を踏まえて、フローに入るスキルを磨いておくことが欠かせません

  • 明確な目標を定め、心理的エネルギーを集中させる
  • あらゆることに成長マインドセットで取り組む

「成長マインドセット」とは、「能力は誰でもいつでも伸ばすことができる、今はできないことでも努力すれば必ずできるようになる」という考え方。

  • いまのレベルより「ちょっと上」にチャレンジする
  • 即座のフィードバックがある
  • 大事なのは「未来」や「過去」ではなく「現在」、今に集中する
  • 「楽しさ」を活動の中心に置く
  • パフォーマンス向上の天敵、「間接的動機」を少なくする

行動計画

「自ら学び、行動し、成長する組織」まさに私自身もそうしたいですし、そんな組織を作りたいです。

5月から新しいポジションに異動するので、大変参考になりました。

今回まとめた内容を参考にして、自分の組織を「自ら学び、行動し、成長する組織」にするための具体的なプランを作ります

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!