【ヘルスケアビジネスモデル21】介護サービス(小規模多機能 vs デイサービス)~通い、宿泊、訪問をフレキシブルに提供する安心サービス vs 心身の健康維持のための通いスポットサービス

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ヘルスケアビジネスモデルを紐解くワークショップ

ビジネスモデルイノベーション協会(BMIA: http://www.bmia.or.jp/ )主催の

[ヘルスケア業界のビジネスモデルを紐解くワークショップ] https://hbmia010.peatix.com/view

に参加しました。

複数の医療・介護ビジネスのビジネスモデルを一気に描くことで、ヘルスケア業界の特徴や課題、今後のビジネスチャンスを議論し、学びや気づきを得ようというものでした。

本日はその中から、下記2つのビジネスモデルを比較します。

介護サービス(小規模多機能 vs デーサービス)


小規模多機能とはどんなサービス?

小規模多機能とは?

正確には「小規模多機能型居住介護」といいます。

施設への「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や自宅への「訪問」を組み合わせ生活支援や機能訓練をひとつの事業所で行う在宅介護サービスの一種です。

かつて市町村や民間団体が経営し、認知症高齢者に通い・訪問・宿泊などのサービスを提供していた「宅老所」をモデルに、要介護の高齢者が施設に入らずとも、自宅で安心して暮らし続けていけるようにと創設されました。

地域密着型のサービスなので、原則として、利用者は住んでいる市区町村にある事業所と契約を結びます。

他の在宅介護サービスとの違い

小規模多機能型居宅介護における「通い」「訪問」「宿泊」は、既存の在宅介護サービスの「通所介護(デイサービス)」「訪問介護」「短期入所生活介護(ショートステイ)」にあたります

これらは一見同じでも、比較すると違うものであることがわかります。

<デイサービスと通いサービス>

一般的に、デイサービスでは、施設が決めた時間割に沿って、利用者はレクリエーションに参加したり、食事をしたり、入浴したりして過ごします

一方、小規模多機能型居宅介護の「通い」では、利用者は自分の生活に合わせた時間の過ごし方ができます。一日を通して利用する人もいれば、食事のみ、入浴のみに数時間だけ利用する人もいます。

<訪問介護と訪問サービス>

訪問介護は、ヘルパーが時間単位で利用者の自宅を訪れ、決められた訪問介護サービスの枠に合わせて支援を行うものです。

小規模多機能型居宅介護の「訪問」では、利用者は必要な時に必要な量の支援を受けることができます例えば身体的な介護のほか、散歩の付き添い、安否確認や服薬のための短時間だけの訪問も可能です。緊急時は昼夜を問わず駆け付けてもらえるのも心強いポイントです。

<ショートステイと宿泊サービス>

ショートステイは、利用者があらかじめ利用したい日時を施設に予約することが必要です。もし希望の予約が取れなければ、日程を変更するか、他の施設を探さなければなりません。

小規模多機能型居宅介護では、利用者は日中「通い」を利用した施設にそのまま「宿泊」することができます。また、本人の体調や家族の急用や急病などの緊急時にも利用できるので安心です。

小規模多機能型居宅介護の特徴

そして、最大の違いは「通い」「訪問」「宿泊」をひとつの事業所で馴染みの関係が築かれているスタッフの下、その方の生活に合わせ組み合わせて利用できることです。

特に、認知症の症状がある方は、環境の変化に敏感ですが、馴染みの関係、場所でサービスを受けることは、ご本人やご家族の安心にもつながります。

このように、小規模多機能型居宅介護では、利用者一人ひとりに合わせて、24時間365日切れ間なく、その方が必要としている支援をフレキシブルに受けることができるのです。


小規模多機能のビジネスモデルキャンバス

対象者は「施設に入らなくても自宅で安心して暮らしたい要介護者」です。

提供価値は「利用者一人ひとりに合わせて、24時間365日切れ間なく、その方が必要としている支援をフレキシブルに受けることができる」ことです。

それを実現するために、「通い」「訪問」「宿泊」を組み合わせて、ひとつの事業所で馴染みの関係が築かれているスタッフがサービスを提供します。

費用は介護保険が適用され、要介護度に応じて月単位で介護報酬が定めれています

  • 要支援1|3,403円/月
  • 要支援2|6,877円/月
  • 要介護1|10,320円/月
  • 要介護2|15,167円/月
  • 要介護3|22,062円/月
  • 要介護4|24,350円/月
  • 要介護5|26,849円/月

これらに宿泊料金と食費を足した額が利用料金となります。


デイサービスのビジネスモデル

デイサービスのビジネスモデルキャンバスです。

デイサービスは、小規模多機能型居宅介護の「通い」に特化したサービスです。

ターゲットの利用者は以下のようなニーズがある要介護者とその家族です。

  • 自宅に閉じこもりがちなので、他人とコミュニケーションしたり、アクティビティなどを楽しみたい
  • 仕事や育児、自分の時間を作るために、半日要介護者を預かってもらいたい家族
  • お風呂に安心して入りたい(家庭の風呂は介護対応になっていないので入浴は大変)

私の父親もデイサービスを利用していました。デイサービスの日は朝から嬉しそうな様子で、帰宅後もいつもより元気な気がしました。

要介護になると本当に自宅に引きこもりになってしまうので、外に出て人と触れ合ったり、アクティビティで活動することが、気分的にも元気になるんだな、と実感しました。

お風呂に安心して入る、というのも大きなメリットです。

家庭の風呂は介護対応になっていないので入浴は大変です。安心してお風呂に入ってすっきりするだけでも元気になりますね。

デイサービスは1日単位での利用料設定なので、気軽にスポットで利用できます

介護保険の通所介護が適用され、要介護度と利用時間に応じた細かく診療報酬が決められていますが、基本は1日(1回)単位での診療報酬になります。


まとめ

小規模多機能もデイサービスも自宅で暮らす要介護者がターゲットですが、以下の違いがあります。

  • 小規模多機能「利用者一人ひとりに合わせて、24時間365日切れ間なく、その方が必要としている支援をフレキシブルに受けることができる。継続利用を想定。」
  • デイサービス「人とコミュニケーションしたりアクティビティを楽しむことで心身の健康維持や生きがいを見つけることができる。スポットで気軽に利用できる。」

デイサービスが、気分転換、コミュニケーション、生きがい、というところにフォーカスしているのに対して、小規模多機能は、自宅で安心して暮らすための介護サポートにフォーカスしている違いがはっきり出ています。


参考資料

  • 小規模多機能型居宅介護の「通い」「訪問」「宿泊」と従来の在宅介護サービス、何が違うの?

<https://www.nichii-kaigo.jp/column/column-34519/>

  • 小規模多機能居宅介護のご案内

<http://i-sogofukushi.com/mfs_info.html>


ヘルスケアビジネスモデルを紐解くワークショップで描いたビジネスモデルキャンバス

[ヘルスケア業界のビジネスモデルを紐解くワークショップ] https://hbmia010.peatix.com/view

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!