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ホワイトスペース戦略~ビジネスモデルの空白をねらえ~[マーク・ジョンソン(著)]
をきっかけに手に取った本がこれです。
「ホワイトスペース戦略~ビジネスモデルの空白をねらえ~[マーク・ジョンソン(著)]」
私の勤務する医療機器メーカーでこれまで順調に成長を続けてきました。
今後も新製品のパイプラインが充実しており、新製品による新規市場の拡大は期待できます。
一方で事業領域によっては市場が飽和傾向にあります。そのような事業領域では新製品以外のやり方で、新たな市場を開拓する必要があります。
チャンスとして、既存製品で今までアプローチできていなかったセグメントがあり、そこに進出して市場を開拓できる可能性があります。
このような時にどのようにアプローチすればよいのか?
「既存のビジネスモデルを変えて隣接領域でのビジネスを拡大させる方法」をまとめたものが本書になります。
「新しいビジネスモデルを作りなさい」と言われると、漠然とし過ぎて何から手をつけたらよいのか?という状態になります。さらに、それを既存の組織で実行するのはもっと大変です。
でも、「既存のビジネスモデルを変えて隣接領域でのビジネスを拡大させる方法」であれば自社でも具体的に考えることができ、実行の可能性も大きいです。
内容は一言でいうと、「新しい顧客ニーズを見つけて、それを満たす新たなビジネスモデルを作る」ということでした。まさにビジネスモデルキャンバスを描く、ということになります。
自社にも具体的に適用できる、とう点で大変参考になる内容でした。
ホワイトスペースとは?

引用元:http://kahusu.hatenablog.com/entry/20120408/p1
この図の左下、「既存のビジネスモデルで既存の顧客ニーズを満たす領域」が既存ビジネスの「コアスペース」です。
右下の「既存のビジネスモデルを変更することなく、従来とは異なる方法で新たな顧客ニーズを満たす領域」が「隣接スペース」です。
「ホワイトスペース」とは左上の領域で、「その企業の既存のビジネスモデル(コアスペース)が活動の対象としていない隣接領域」で「新しいビジネスモデルを確立しないと生かせない領域」になります。
顧客ニーズとしては隣接領域で近いのですが、ビジネスモデルとしては既存ビジネスモデルでは対応できない離れた領域になります。
まさに下記で紹介した、区分Bの顧客のニーズを満たすために新しいビジネスモデルが必要だった、という事例にあたります。
ホワイトスペースでビジネスを拡大させる方法
ホワイトスペースでは、既存のビジネスモデルが適合しないので、新しいビジネスモデルを作る必要があります。
そのステップです。
- 顧客のジョブを発見する
- 新しい顧客価値提案を作る
- 利益方程式を設計する
- 主要経営資源・主要要業務プロセスを割り出す
顧客のジョブを発見した後は、下図の「4つの箱」を時計回りに順に作っていきます。

引用元: http://www.blog.genki-company-consultant.com/2011/11/post-30.html
4つのステップを順にまとめます
顧客のジョブを発見する
最初のステップは、「顧客がどんな用事を済ませたいか?」を発見することです。
顧客に尋ねる場合は、「何が必要ですか?」と尋ねるのではなく「どのような課題を処理したいとお考えですか?」と尋ねることが必要です。
顧客自身が「どんな用事を済ませたいか?」はっきり分かっていないことも多いので、尋ねるよりも、観察やインタビューから発見する、という場合も多いです。
新しい顧客価値提案をつくる
顧客のジョブを念頭においたうえで、次の選択肢をどちらに設定するのか?を考えるとよい。
この選択肢が具体的でわかりやすいです。

利益方程式を設計する
このステップの最初は、
「このビジネスチャンスを追及する意味があると言えるためには、向こう3~5年間にどの程度の利益が見込めればよいのか?」
という問いに答えることです。
そして、次の4つの要素を明らかにします。
- 収益モデル(商品やサービスの価格×販売数量)
- コスト構造(直接費と間接費)
- 商品やサービス1単位当たりの目標利益率
- 経営資源の回転率(在庫回転率、スタッフの稼働率など)
主要経営資源・主要業務プロセスを割り出す
一つ前のステップ「利益方程式を設計する」過程で、顧客価値提案を実現するためには、どのような主要経営資源・主要業務プロセスが必要かが自然と明らかになります。
ここでは、その主要経営資源・主要業務プロセスのコスト、入手可能性、実現性について検討します。
ビジネスモデルの完成
以上の4ステップで新しいビジネスモデルは完成です。
このステップに従って、自分の会社の例で、一つビジネスモデルを作ってみようと思います。
既存のビジネスモデルの抵抗
既存の組織で新しいビジネスモデルを作る上で、失敗のパターンがあります。
犬を既存ビジネス、猫を既存ビジネスに喩えた表現で、なるほどな、というパターンです。
「これは犬ではない」
既存ビジネスの考えでは価値にならならいと判断し、新規ビジネスの新しい価値に気づかないケース。
「猫を犬のように扱う」
新規ビジネスを既存ビジネスの枠に収めようとし、ビジネスモデルを何度も修正を繰り返してしまうケース。その結果、最初の価値が骨抜きにされてしまいます。
「猫を襲う」
既存事業を優先し守るために、新規事業を途中に中止したり、既存事業に吸収してしまうケース。
参考資料
- 01_Reading 大人の読書 – はてなブログ
http://kahusu.hatenablog.com/entry/20120408/p1
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