働き方改革(その16)女性営業が成長し長く活躍できる会社を創る~子育て支援に熱心な企業ほど女性が活躍しにくくなるジレンマ~

Pocket

ダイバーシティの推進

様々な会社で、女性比率、女性管理職の比率を上げる、いわゆるダイバーシティ推進活動が盛んです。

私の会社は、比較的ダイバーシティが進んでおり、育児休暇の制度、短時間勤務、在宅勤務などの制度も整っています。本社では女性の方が多いかも、と感じられるくらい女性が働き易い会社です。

ところが営業職は、女性比率が極端に少ない状況です。そこで今度、女性営業が成長し長く活躍できる会社を創る」というテーマでワークショップを開催し、私がそのファシリテーションをやることになりました

思考の発散と場づくりのため、Read For Action(参考記事参照)を取り入れます。

その準備のため、数冊本を読んでみました。

まずは下記4冊読んだポイントをまとめます。


何故、女性活躍を推進する必要があるのか?

まずは「人的資源の有効活用」のためです。

量と質、両方の意味あいがあります。

まずは量について

日本は少子高齢化が急激に進んでいて、2013年には7900万人の労働力(生産年齢人口:15~64歳までの人口)が、2060年には4,400万人になると予測されています。就業率が低い女性の就業率を上げることで、労働力の不足を補います。現在、女性の就業率は70.8%、つまり約30%が未就業者を活用することが労働力確保につながります。

女性の就業率の向上は、少子化対策にもなります。

それは経済的自立の効果です。子供の養育にはお金がかかります。金銭面で不安があることが子供を産む大きな制約となっています。金銭的の自立が子供を産んでみようか、という気持ちを大きくするはずです。

次に質について

女性はコミュニケーション能力が高いと言われていて、ブレインストーミングを実施する場合は、女性がいるグループの方が、いないグループよりも会話が活発で、よりよいアイデアが出るケースが多いです。

ダイバーシティ推進の大きな柱として女性比率の向上が進められますが、ダイバーシティマネジメントによる競争優位性として以下の6点があると言われています(書籍2)

  1. 組織の多様化に伴い、従業員をうまく統合できなければコスト増となる
  2. イメージ(ブランド)向上、女性やマイノリティの活躍による人材確保のアドバンテージ
  3. 人材の多様化による業務改善効果
  4. 人材の多様化によりイノベーションが起きる
  5. 意見の多様化によるレベルの高い問題解決
  6. 柔軟で環境の変化に反応、対応できる

このように女性は多様性のある創造的な経営資源です!


女性活躍を阻害する要因は?

一番大きな要因は「長時間労働を前提とした日本的雇用慣行」です。

具体的には以下の5つです。

  • 長時間労働と固定的性別役割分担との対構造

女性は受付、お茶出し、コピー取り、などアシスタントと決めていませんか?

  • 労働時間を問わない人事評価の仕組み
  • 雇用形態の区分化と多層化

「総合職」「一般職」と区分することで、そもそも採用の時点でキャリアップにつながる「女性の総合職」の割合が低い

  • 男女間の賃金格差
  • 女性従業員の昇進意欲が低い

特に働き盛りの30代は、女性にとって出産、子育てと重なる時期になります。ここで長時間労働を前提としたような環境であれば、女性が活躍することはモチベーション的にも、時間的にも難しくなりますね。


何故女性は管理職やリーダーを目指さないのか?

いつくか要因があります。

長時間労働を前提とした日本的雇用慣行

一番大きい要因は「長時間労働を前提とした日本的雇用慣行」です。

女性は、男性よりも出産や子育てを意識しています。せっかく入社してキャリアアップを目指そうと思っていても、周りで活躍している女性は、未婚や子供がいないバリバリのスーパーウーマンが多い。「長時間老像を前提とした日本的雇用慣行」では、そんな状況になってしまいますね。

多くの女性は、子供を産みたい、仕事も頑張りたいけど家庭も大事、と考えていますスーパーウーマンにはなれない、だったらキャリアは少しあきらめて、仕事はほどほどに頑張ろう、という気持ちになるのも当然ですね。

女性と男性の「やりがい」が違う

多くの男性は地位や報酬に魅力に感じます。そのため管理職やリーダーを目指すこと自体が目的となるケースが多いです。

一方で女性は、地位や報酬に男性ほど魅力を感じません。むしろ「自分らしさ」、「あなただから是非」ということに重きをおきます。また子供や旦那さんをはじめ、仕事以外の人との関係にも大きく左右されます

育てをしながら、自分らしく、かつ自分の価値を生かす働き方をしたい、地位や報酬は二の次、というのが特徴です。

そのため、地位や報酬がクローズアップされる管理職やリーダーにはあまり魅力を感じません。


女性が働きやすい制度があだになる

それでは、女性が働きやすい制度を整備すればよいのでしょうか?そこに落とし穴が潜んでいます

「子育て支援に熱心な企業ほど女性が活躍しにくくなる」(書籍4)

というのだから驚きです。

具体的には、女性は産休、育休、短時間勤務などの制度をフル活用して、それなりに働く。一方、男性は育児のサポートも不要でますます仕事に集中、長時間労働で成果を出して昇進する

結果、女性はチャレンジが少ない負荷の軽い仕事でキャリアップできない、という悪循環となってしまうのです。

皆さん「マミートラック」という言葉を聞いたことありますか?

子育てママが、仕事の軽減と引き換えに昇進・昇格からはずれてしまうキャリアルートです。

マミートラックになると、担当業務が限られ負荷も軽いため、成長ができず、会社全体のパフォーマンスが上がらないということになります。

またそれをカバーするために、他の社員へしわ寄せが行きます。この有名な例が「資生堂ショック」です。


資生堂ショック

資生堂は、女性が働き易いことで有名な会社です。制度も充実しています。

当然、営業職にあたるビューティコンサルタントも育児のため短時間勤務を利用します。多くの人が平日の早番を選択します。そうすると、カバーする他の社員が、休日や遅番を担当しますが、人員の少ない店舗では店が回らなくなります

そのため「育児時間勤務者(短時間勤務者)も遅番、休日勤務を検討してもらいます」と大きく舵をきったのが「資生堂ショック」です。

これは「マミートラック」問題の解決策にもなります。早番では、限られた業務で成長の機会も限られますが、遅番や休日に入ることで、店舗全体の運営が見えるようになり、また忙しい時間帯の勤務で負荷も高まりますチャレンジする機会が増えることで成長につながるのです。

このためには、家族、特に旦那の協力が必要不可欠です。

この点が、女性活躍推進のポイントになります。


女性活躍推進のための具体的な方策は?

ジェンダーダイバーシティ(女性採用を増やし、組織のあらゆる階層で女性比率を高める)

ワークライフバランスで長時間労働をなくす

二つをセットで進める必要があります。

ジェンダーダイバーシティのみを推進すると、長時間労働はなくならず、結果として女性社員の離職率が高くなります

一方、ワークライフバランスだけを推進すると、仕事と育児の両立は可能となりますが、マミートラックなどチャレンジが少なくなり、キャリアアップに課題が残ります

理想的には、男性も含めてワークライフバランスを推進することで長時間労働をなくし、労働生産性で評価を行い、より負荷が高く責任のある仕事にチャレンジし成長できるような状態を創ることが望ましいです。

ワークショップでは、このような意見が共有され、理想の状態を創るための具体的な方策まで議論できれば、と考えています。ほぼワークショップのデザインはできましたが、今からワクワクします!


Read For Actionに関する記事


4冊の一人Read For Actionアウトプット

下記4冊を一人でRead For Actionしてみたアウトプットをまとめておきます。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!