悪玉コレステロール(LDL)は動脈硬化の直接の原因ではない?~超悪玉コレステロールとLOX-index(ロックスインデックス)」動脈硬化のリスクを予測できる新しい血液検査~

Pocket

悪玉コレステロール(LDL)は動脈硬化の直接の原因ではない?

で記載したように、2か月ほど前から悪玉コレステロールを下げるため薬を飲み始めました。

動脈硬化のリスクが気になったからです。

ところが、昨日参加したセミナーで

  • 悪玉コレステロール(LDL)が動脈硬化の原因ではない?
  • 超悪玉コレステロールが大事

といった話が出てきました。

興味深い話だったので、調べてみました。


コレステロール

そもそもコレステロールとは何でしょうか?

コレステロールとは三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)のひとつである脂質の仲間で、細胞増殖やホルモン合成など体にとっても重要な働きをしています。コレステロールは肝臓で生成され、血液に乗って身体中を移動します。しかし、コレステロールは、脂なので水に溶けることができません。

そのためアポたんぱくという物質と結合し血液中を移動します。その結合した状態を「リポたんぱく」と呼びます。

リポたんぱく」はカイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDLと、その分子量(サイズ)によって5種類に分類されており、LDLは悪玉HDLは善玉と表現されたりします。

しかし、両方ともリポたんぱくとしては同じ物質であり、LDLは肝臓で生成された栄養を各細胞へ届けたりHDLは細胞中の不要な栄養を回収したりと両方とも体にとっては重要な働きをしています。

実際に、LDLが少ない場合でも脳梗塞や心筋梗塞を発症している症例も多く報告されており、近年の研究ではLDLの量よりも質が原因ではないかと考えられています。


動脈硬化のメカニズム

動脈硬化は以下のメカニズムで進行します。

引用元: http://blog-imgs-102.fc2.com/t/a/n/tandtresearchinc/201702122123570ee.jpg

  • 血液中のLDL(LDL-c)が活性酸素により酸化され、変性LDL(酸化LDL)となる。
  • この変性LDLがLOX-1と呼ばれる変性LDLのレセプターと結合し血管内皮に取り込まれる
  • 取り込まれた変性LDLは、マクロファージという本来、体を守る細胞に取り込まれ、動脈壁の中で泡沫細胞(粥腫:じゅくしゅ=プラーク)となる。
  • プラークが積み重なって動脈内腔が狭くなり、動脈硬化が進む。

酸化LDLがポイントとなります。

LDLは酸化されない限り、LOX-1とは結合せず、動脈硬化の原因にはなりません。

つまり、悪玉コレステロール(LDL)は動脈硬化の直接の原因ではない、ということになるのです。


動脈硬化のリスクマーカーLOX-index

動脈硬化のメカニズムを考えると、動脈硬化は酸化LDLの量と、酸化LDLの受容体LOX-1の量に依存することが分かります。

これを指標としたのが、LOX-indexです。

LOX-index®は、血液中の変性LDL(LAB or 酸化LDL)血中に放出されるsLOX-1(soluble LOX-1)をそれぞれ測定し掛けた値です。

LOX-index®は動脈硬化の初期段階を反映しています。

その為、今までの血液検査や画像健診で捉えきれなかった血管の状態を知ることが可能になりました。

動脈硬化に起因する疾患は、発症までこれといった症状が出ない事が予防及び治療を遅らせる原因となっていましたが、LOX-index®は、動脈硬化の状態を数値化する事で、予防への意識付け、発症リスクの予測という点で、予防医療の進展に有効だと考えられます。

引用元http://lox-index.com/about_lox-index/


LOX-index®は脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標

またLOX-index®は、脳梗塞・心筋梗塞発症リスクを評価する最新の指標となります。

日本国内で行われた、約2,500名を約11年追跡した研究成果がベースになっています。

この研究から、sLOX-1(可溶性LOX-1:血中に放出されたLOX-1)とLAB(LOX-1 ligand containing ApoB)から得られる解析値が、今後10年以内の脳梗塞・心筋梗塞発症率に大きく関与する事がわかりました。

脳梗塞発症率で約3倍、心血管疾患発症率で約2倍となり、これら2つの疾患の発症リスク評価検査としては、唯一の検査です。

エビデンスを見る

動脈硬化のリスクマーカーとして、これまでLDLコレステロールが一般的でしたが、心疾患と相関性がある事は知られているものの、脳血管障害との相関性は得られていませんでした。

また、心疾患患者の約3割はLDLコレステロールが基準値以下で発症しているとの報告もあり、リスクマーカーとしては十分とは言えません。LOX-index®はまさにその部分を補うことができます。

LDLと心筋梗塞発症者の相関性

吹田研究では、LDLが低いにも関わらず、心筋梗塞を発症した人が約30%存在した。

LDLと脳梗塞発症者の相関性

LDLと脳梗塞発症に相関性が無いことは、様々な研究で明らかになっています。

LOX-index®と心筋梗塞・脳梗塞の相関性

LDLと比較して、心筋梗塞・脳梗塞との相関があります。


超悪玉コレステロール~Small dense LDL~

「超悪玉コレステロール」聞くだけで悪そうですが、一体何なのでしょうか?

LDLの中でも小型で比重の高いLDLが、Small denseLDL (sd LDL)と呼ばれます

このsmall dense LDLは、正常サイズのLDLと比較して以下の特徴があります。

  • 血中滞在時間が長く、血管壁と接触する機会が多い。一般的に正常サイズのLDL の血中滞在時間は2日、sd LDL のそれは5日。
  • それ自身が小型であるため血管壁に侵入しやすい。
  • sd LDL は抗酸化物質に乏しく酸化されやすい。正常サイズのLDL はビタミンE やユビキノール10といった抗酸化物質によって保護されている。

血管壁に接触する機会が多く、酸化されやすく、動脈壁内に透過しやすい。正常サイズのLDLよりも強力に動脈硬化を引き起こすことが分かっています。

このため小型LDLは「超悪玉コレステロール」と呼ばれているのです。

いや、恐ろしいですね。

引用元: http://denka-seiken.jp/jp/content/files/pdf/lipid_journal/LipidJournal-small_dense_LDL_Q4.pdf


まとめ

  • LDLが高くても、LOX-indexや超悪玉コレステロールが低い人
  • LDLが高くなくても、LOX-indexや超悪玉コレステロールが高い人

がいるそうです。

実際、講演の先生は、LDLは100前後でそんなに高くないにも関わらず、LOX-indexは高かったそうです。

私はLDLが高いですが、LOX-indexや超悪玉コレステロールが低い可能性もあります。

LOX-indexは簡単に検査もできるので、早速検査を行おうと思います。

費用は、医療機関により差はありますが、12,000円前後が多いようです。

引用元: http://www.sakurahp.or.jp/dock/lox-index.html


参考資料

【公式サイト】「LOX-index(ロックスインデックス)」脳梗塞、心筋梗塞の発症を予測できる新しい血液検査

http://lox-index.com/about_lox-index/

  • 天皇陛下執刀医の「100年を生きる心臓との付き合い方」~悪玉コレステロールが高い人は薬を用いても下げる~

<http://nanishu.com/?p=2900>

  • LOX-index検査

http://www.sakurahp.or.jp/dock/lox-index.html

  • 超悪玉コレステロールって何ですか?検査項目を教えて下さい。

<http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/12.html>

  • small, dense LDL はなぜ動脈硬化惹起性が強いのでしょうか?

http://denka-seiken.jp/jp/content/files/pdf/lipid_journal/LipidJournal-small_dense_LDL_Q4.pdf

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの49歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!