【ビジネスモデル7】終わったばかりの箱根駅伝のビジネスモデルキャンバスを描いてみました!ポイントはコンテンツの圧倒的な魅力か?

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今年も観戦してきました!

実は私は箱根駅伝大好きです。

昨日の往路は、2区権太坂。今朝の復路は6区箱根湯元で観戦してきました。今朝は監督さん達が集まる箱根町役場をこそっと覗いてきました。超穴場スポットで、喜んで写真とっていたら撮影禁止!と注意されてしまいました。

駒沢の大八木監督を生で見れました!

大八木監督の運営管理者からの激励?の声は、あまりにも有名です。

「男だろ!」「白バイを抜け!」とか。。。

でもあれで選手は不思議に元気になるらしい。

今朝は、選手と運営管理者の合流ポイントで観戦していたので、合流直後の監督さんの第一声が大変印象的でした。最初からエキサイトする監督もいるし、落ち着いている監督もいるし、様々ですね。


平均視聴率30%を超えるお化け番組

自分のことはこれぐらいにしても、箱根駅伝の人気は凄まじいですね。沿道は鈴なりの人なり、観戦者は2日間で100万人以上、テレビ放送の平均視聴率は30%を超えるという人気ぶりです。

なぜ箱根駅伝はそんなに人気なのでしょうか?少し考えてみようと思います。

筋書きのないドラマとエピソードが感動を生む

演出やプロモーションの効果も大きいですが、やはり一番はコンテンツ自体の魅力だと思います。

生のスポーツなので勿論筋書きはありません。

1人20Km超という学生にとってはかなり長い距離なので、脱水症状でふらふらになったり、はたまた爆走のごぼう抜きが見られたり、かなりドラマチックなことが起こります

私が好きなシーンは、下記の繰り上げスタート直前の転倒の映像です。

実は今年も9区から10区への鶴見中継所で、あと5秒足りず目の前で繰り上げスタートというシーンがありました。

明らかに繰上げ回避、これは許されますね 第88回箱根駅伝 神奈川大学

また箱根駅伝では一人一時間くらい走るので、走る選手の関連エピソードも多く紹介されるのがポイントです。

小さい頃の苦労話、家族の話や、就職先の話し、まで。よくぞ、こんなエピソード集めたな、って感じです。

今年面白かったのは、ある選手が小田急電鉄(箱根登山鉄道の運営会社)の車掌として就職するエピソードを紹介したあとの、「まさに人生箱根づくしですね!」というコメント。

派手でスピードがあり、人との競り合いに強い往路選手、地味で自分のペースで走る復路選手、留学生、スター選手など、「登場人物」としての選手の個性をドラマティックに仕立てる構成・演出になっています。

また、海沿い、山登り、復路など、コース全体が多彩な特徴を持ち、各区間が20キロを超えた長丁場であり、その場面、場面で全く違った展開となります。

このようにドラマ性のあるコース構成と、走る一人一人の選手のドラマ、という2つの要素から、見る者が感情移入できる、感動できるようなシステムになっていると考えられます。

下記のCMも大好きです。何故か分からないけど自然に「頑張れ!」という気持ちになるのが不思議です。

第92回東京箱根駅伝 サッポロビールCM YUI「fight」


日時

もうひとの要素は、お正月の午前中という日時です。正月、家族や親戚が集まりお節料理と雑煮をつつき合い、まさに「家族団らん」のひと時

しかも元日だとちょっとやることがあるけど、1月2日、3日の午前中、というのは家族でゆっくりTVでも、という感じの時間ですよね。

箱根駅伝は朝の8時スタートです。まさに、何にもやることないし、箱根駅伝でも見ようか、というタイミングなんだと思います。

さらに、夜はいろんな娯楽番組がありますが、この時間はライバルとなる番組がないんですね。まさに独壇場です。

この放映日時が、お正月の娯楽の定番として

「正月といえば箱根駅伝」

となっている1つの要因だと思います。


スポンサー企業、出場大学にとっての宣伝効果

このあとは、スポンサー企業、出場大学にとってのメリットをまとめます。

出場大学にとっての宣伝効果

箱根駅伝では、そのコース横で、大学のロゴが入ったキャップやTシャツを着て応援する人がテレビに映るほど、「自分の大学」という刺激をうまく利用しています。沿道に出れば各大学の旗がたってますし、

「鉄紺のタスキ」東洋大学

「フラッシュイエローのパンツ」中央学院大学

など色で大学を表したり、WやCなどのアルファベットだけで分かる大学もあります。

観客や視聴者は自分に関係するチームや選手が頑張り、結果を残すその姿に自分を投影させているのかもしれません。

ちなみに、早稲田、中央、日大、明治など戦前から箱根の常連だった大学のユニフォームには大学名の頭文字のアルファベットがつけられています。これらの大学のブランドがすでに確立されているからです。

それに対して新興校と呼ばれる大学は、ユニフォームに必ず大きく漢字の学校名を入れ、宣伝効果を最大限にしようしています。

伝統校と新興校のロゴの違い、面白いですね。

箱根駅伝とは、大学名がアナウンサーにより連呼され、自然と認知度が高まる非常に大きな“宣伝媒体”です。

09年に山の神、柏原の登場で初の総合優勝を飾った東洋大学では、同年の東洋大学の受験者は前年に比べて1万人増加、翌10年はさらに4000人の増加となったとのこと。入学受験料を約3万5000円と想定すると、単純計算で5億円近い収入増になります。すごい効果ですね。

スポンサー企業にとっての宣伝効果

現在では、民放の平均視聴率は20~30%で、NHKやラジオなどでも放送されています。このようなイベントを企業がスポンサードするのは、むしろ当然です。

サッポロビールはテレビ中継が始まった1987年以来継続するスポンサーであり、そのスポンサー料は1回で10億円を超えるといわれています。ラジオ中継では出場校の入試のCMも流れ、最近ではスポーツメーカーのブランド戦略にも大きく影響しています。

アシックス、ミズノをはじめ、ナイキ、アディダス、ニューバランスなど大手メーカーの参入が相次いでいます。

一説によると、優勝大学をスポンサードした場合の宣伝効果は、「60億円」ともいわれている。

今年は、「陸王」効果もあり、またナイキの新作、厚底のシューズが話題となっています。

「ナイキの新作、ヴェイパーフライ4%は凄いイノベーションです。この靴を戦略的に取り込んだ大学がある。箱根では、とんでもない人が4%速くなっているかもしれませんよ」


ビジネスモデルキャンバス

上記の情報をもとにビジネスモデルキャンバスを描きました。

ビジネスモデルのパターン

5つのビジネスモデルパターン(下記参照)で考えると

  • マルチサイドプラットフォーム
  • フリー戦略

2つの要素を組み合わせたモデルとなっています。

参考:【ビジネスモデル6】ビジネスモデルキャンバスとは「ビジネスモデルを構造的に表現し、どのように新たな価値を創造するのか創造性を促すツール」~5つのビジネスモデルのパターンを紹介~

マルチサイドプラットフォームの要素として、

  • 一般視聴者
  • スポンサー企業

という異なるカスタマーセグメントを対象にしています。

一般視聴者に対して、

  • 筋書きのないドラマと人生エピソードが生み出す感動と興奮
  • 家族で楽しめるオンリーワンのお正月の娯楽

という価値を提供することで、圧倒的な視聴率と関心を獲得します。

その圧倒的な認知度からくる広告媒体としての魅力が、スポンサー企業を引きつけ、10億ともいわれるCMスポンサー料を可能として収益を生み出すモデルです。

このモデルの中心となるのは、

  • 筋書きのないドラマと人生エピソードが生み出す感動と興奮
  • 家族で楽しめるオンリーワンのお正月の娯楽

というコンテンツの圧倒的な魅力です。

このため視聴者、スポンサー企業だけでなく、様々な人や物を引き付け、関連グッズが開発されたり、SNSで拡散したりと、相乗効果を生んで更に一般視聴者を引き付ける自己強化型のループになっていると思います。

ペインとゲイン

これだけうまくループが回っているビジネスモデルですが、あえてペインとゲインを探してみました。

トップチームや下馬評の高いチーム、あるいは個人にスポットが当てられてしまうので、全く写らない選手も出てきます。特に下位のチームの選手はそのような傾向があります

  • 偏りのある映像;下位チームは映らない
  • もっとパーソナルなエピソードを知りたい
  • 各チームの状況を逐次オンタイムで知りたい
  • 運営管理者からの監督の声が面白いのでもっと聞きたい

など、一言でいうと、

「各大学の状況、個人のエピソードをもっと細かく知りたい」

というニーズがあると思います。

せっかく1チーム1台の運営管理者がついているので、そこに簡易カメラを設置して、後ろの運営監視者からみた選手の状況、監督の声、選手のエピソードとともに紹介すると面白そうです。

具体的なイメージは下記です。

  • 中継映像の画面下に地図を表示し、各大学の位置をリアルタイムで地図上に表示。
  • 知りたい大学のポイントをクリックすると、運営管理者の簡易カメラ映像とともに、監督の声が聞こえ、テロップで選手のエピソードが流れる。

各大学の状況をカメラを切り替えながら楽しめる、「パーソナル箱根駅伝中継」でしょうか?

そんな中継だと個人的にはすごく嬉しいですね。来年の中継が早くも楽しみになってきました。


参考資料

http://biz-journal.jp/2013/12/post_3544.html

  • 一大ビジネス”箱根駅伝、人気の秘訣と経済効果〜巨額スポンサー料、大学の宣伝効果

<https://www.excite.co.jp/News/society_g/20131206/Bizjournal_201312_post_3544.html>

  • あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド!2018

https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%AB%E7%B4%B0%E3%81%8B%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B%E7%AE%B1%E6%A0%B9%E9%A7%85%E4%BC%9D%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89-2018-%E3%81%B4%E3%81%82MOOK-EKIDEN-NEWS/dp/4835633814

  • 箱根駅伝「薄底vs.厚底」靴の知られざる闘い

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180102-00202761-toyo-soci&p=1


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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!