GEの企業変革のベースとなるワークアウトとは?衝撃のスピード感と躍動感が生まれるシンプルな問題解決ワークショップ

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GEのワークアウトとは?衝撃のスピード感と躍動感が生まれるワークショップ

本日はGEネタです。「ワークアウト」と呼ばれる問題解決型ワークショップです。

私がワークアウトを経験した2000年代前半ですが、最初のワークアウトは衝撃でした。

半日ぐらいのワークショップで問題解決策を考え、その場で部門長がやる、やらないを判断してしまいます。

3ヶ月後の完了を目指してチームでアクションを決め、実行する。このスピード感と躍動感は凄かったです。

先日、働き方改革の1つの取り組みとして、社内で「ワークアウト」を活用してはどうだろう?話が持ち上がりました。

改めて整理するために下記本を読んでみました。

GE式ワークアウト(デーブ・ウルリヒ著)

GEが活用する経営上の主な戦略的手法の一番最初の項目にもあげられている「ワークアウト」とは、一体何でしょうか?

GEのホームページ(下記)によると

「人々が集まってプロセス、課題、チャレンジを理解し革新的なソリューションを作ってその場で決断をし、そのソリューションを実行するよう参加者に権限委譲します」

と説明されています。

ちょっと分かりずらいですね。下記の説明の方が直感的で分かり易いです。

引用元:今回のテーマ 人・組織をガラリと変えた!GE ワークアウトを学ぶ

米ゼネラル・エレクトリックが編み出した会議・意思決定の手法。

様々な職種・部門の人が課題の解決策を議論し、責任者に提案。責任者はその場で採否を宣言する。

付加価値の低い作業・業務・仕組み(Work)を排除(Out)することを目的に、経営効率のアップ、従業員)のやる気の向上を目指すことから、Work-Out「ワークアウト」と呼ばれる。

ちなみにWork-outという言葉はGEの登録商標です。

このような課題解決のミーティングやワークショップはどこでも実施していると思います。自分の経験からワークアウトが他とは違う特徴は下記だと考えています。

  • 課題の解決策の提案に対して、責任者(スポンサー)がやる、やらない、を即決すること
  • やると決めたことに対して、実施者(オーナー)を決め、実施者が実施責任を持つこと
  • 責任者(スポンサー)もリソースの配分など責任者としての責任を持つこと
  • 3ヶ月以内の実施に向けて、PDCAを回して、短サイクルで成果を出すこと

やる事を決め、責任者/実行者ともに責任をもって短期間で成果を出す、というのがポイントですね。

それを社内のいろんな部門、様々な状況で実施することにより、ワークアウトを通して

  • リーダーシップの育成
  • 企業文化の醸成

が図られます。

そのため、GEが活用する経営上の主な戦略的手法の一番最初の項目にもあげられています。

この本では

ワークアウトは成長の原動力

  • ひたすらストレッチ(高いゴールを目指す)
  • 説明責任
  • 短サイクル

が重要、と書かれていて、まさに「やる事を決め、責任者/実行者ともに責任をもって短期間で成果を出す」というポイントをついています。


ワークアウトのデザイン

それではワークアウトはどのようにデザインすればよいのでしょうか?

下記プロセスが参考になります。

引用元:GEの問題解決手法(Work-Out)

 tqom.web.fc2.com 
404 Error - FC2ホームページ
http://tqom.web.fc2.com/workout.htm

問題定義

一番大事なことは、自分が何を達成したいのか?目的を明確にすることです。

  • 問題:この問題が業務や組織にどのような影響を与えているのか
  • 効果:問題が解決された時の定量的な効果
  • 期間:解決まで3ヶ月を目標

この3点を考慮して具体的な目標を設定することが重要です。

具体的な目標例を一つあげておきます。

  • 4月9日の週までに1週間あたりの平均クレーム数を30%削減する

スポンサー(責任者)のサポート獲得

次に大事なことは、スポンサー(責任者)のサポート獲得です。

テーマの決定は勿論のこと、ワークアウトの趣旨を伝えて、下記点についてオーナーシップと理解をもってもらう必要があります

  • 課題の解決策の提案に対して、責任者(スポンサー)がやる、やらない、を即決すること
  • やると決めたことに対して、実施者(オーナー)を決め、実施者が実施責任を持つこと
  • 責任者(スポンサー)もリソースの配分など責任者としての責任を持つこと
  • 3ヶ月以内の実施に向けて、PDCAを回して、短サイクルで成果を出すこと

ワークアウトの実施

ワークアウトの実施段階は、課題解決のミーティングやワークショップと同じです。ここはファシリテーターの進行にしたがって、発散・収束しながら課題解決の方法をまとめます。

このチームでの議論の際には、スポンサー(責任者)は議論に参加せず部屋から出てもらうことが重要なポイントです。これにより、チームメンバーの自主性と責任感が生まれます。

課題解決方法の提案と実施可否の決断

課題解決方法がまとまったところで、スポンサー(責任者)に部屋に入ってきてもらい、チームから課題解決方法をスポンサーにプレゼンします。

ここで、スポンサーはその提案に対して、その場で、やる、やらないの判断を行う必要がありますやる場合はオーナーも明確にし、実施者/責任者ともに実施責任を負います

ここがワークアウトの一番の醍醐味です。このその場での判断により、課題を解決する、というドライブ力を生み出します。

フォローアップ

30日後、60日後、などフォローアップを行うことでPDCAを回します。1つの課題が終われば、また次のワークアウト、という形で継続的にワークアウトのサイクルを回し続けることで、企業文化が醸成され組織が変わっていくという仕組みです。


まとめ

半日ぐらいのワークショップで問題解決策を考え、その場で部門長がやる、やらないを判断して、3ヶ月後の完了を目指してチームでアクションを進める。このスピード感と躍動感は凄いです。

社内の展開の時にも、このスピード感と躍動感が生まれるようなワークアウトを展開したいですね。

「ワークアウト」もワークショップの一つです。ワークショップには目的に応じて様々なデザインが考えられます。様々なワークショップを考える上で、デザインの方法を下記にまとめました。是非、ご覧ください。

  • 関係の質を高め一気に大勢の人の共感を醸成、相互理解を得られるワークショップを活用しよう~ワークショップデザインのやり方、具体例、秘訣・ヒントをまとめます~

参考資料

  • GEホームページ
  • 人・組織をガラリと変えた!GE ワークアウトを学ぶ
  • 大企業でもスタートアップのようなイノベーションを起こせる!GEのデジタル革命のすごさ。
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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!