働き方改革(その10)生産性をあげるポイントは課題の質(イシュー度)をあげること。やるべきことは100分の1になる~イシューからはじめよ~

Pocket

image_pdfimage_print

やるべきことは100分の1になる~イシューからはじめよ~

3年ほど前に読んで良書だと思っていました。生産性をあげるためのヒントを見つけようと思い、働き方改革の流れで再度読んでみました。

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」(安宅和人 著)

生産性とバリューのある仕事

最初に、「生産性」と「バリューのある仕事」とは?を考えます。

生産性=アウトプット/インプット=成果/投下した労力・時間

バリューのある仕事=意味のある仕事=成果の質

すなわち

「生産性向上とは、少ない労力・時間でバリューのある仕事をすること」になります。

そこでいかに「バリューのある仕事」をするのか?が大事になります。

そこで登場するのが、バリューのマトリクス(下図)です。

引用元:http://bloomingdesign.net/wordpress/archives/1270

 

横軸にイシュー度、縦軸に解の質(答えの質)をとったものです。

ここでいう、イシューとは「課題の質」になります。

つまり、課題の質が高く、答えの質が高いものが、バリューのある仕事になります。

皆さん日頃仕事をする時に、与えられた課題に対して答えの質を上げる努力は惜しまないと思います。

それでは、その課題の質についてはどうでしょうか?

  • この課題設定でよいのか?もう少し具体的にした方がよいのでは?
  • 複数の課題があるけど、どれが今本当に取り組む課題なのか?

など、課題の質(イシュー度)について追求していますか?

この本で紹介されている、悪いイシュー(×)とよいイシュー(○)との例を2つ記載します。

 

×:abcの市場規模はどうなっているか?

○:abcの市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?

 

×:新しい会計基準について調べる

○:新しい会計基準下では、わが社の利益が大きく下がる可能性があるのではないか?

 

いかがですか?皆さん、ここまでイシューを具体化していますか?

私はそもそも何でこれをやる必要があるのか?根本原因は何だろうか?と比較的考える方です。それでもこの例を見ると課題の質に対する突っ込みが足りないな、と感じました。

以上のことから

「生産性をあげる>バリューのある仕事をする>イシュー度をあげる(課題の質をあげる)」

となり、この本のタイトル、「イシューからはじめよ」ということになります。

ちなみに、生産性の定義は

  • 「生産性~マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの~(伊賀泰代 著)」

の定義と全く同じです。

本の内容も共通するところが多いです。なるほど、両著者ともマッキンゼー出身です。

コンサルは、他の人には出せない答えを出す、価値創造型の仕事なので、このようにインプットに対するアウトプットの質を向上させる、という考え方が徹底されているんだろうと思います。


良いイシューを作る方法

それでは、どのようにして良いイシューを作ればよいのでしょうか?いかにもコンサル的な感じですが簡単にまとめます。

仮説を立て言葉に落とし込む

具体的に仮説を立て、言葉に落とし込むことです。この本では、それを「スタンスをとる」といっています。その結果が下記のようなイシューになります。

 

×:abcの市場規模はどうなっているか?

○:abcの市場規模は縮小に入りつつあるのではないか?

 

×:新しい会計基準について調べる

○:新しい会計基準下では、わが社の利益が大きく下がる可能性があるのではないか?

 

最初の例では、市場規模が縮小に入りつつある、というのが仮説。

次の例では、新しい会計基準では利益が大きく下がる、というのが仮説です。

このように仮説を立て言葉に落とし込むことで

  • どういう答えを出せばよいのか?が明確になる
  • 必要な情報・分析すべきことがわかる
  • 分析結果の解釈が明確になる

となり、その後の分析、調査、まとめ、が圧倒的に効率的になります。

言葉で表現する時の3つのポイント

下記3つのポイントはシンプルですが、これを意識するだけでイシューの具体性があがります。是非試してみて下さい。

  • 「主語」と「動詞」を入れる
  • 「Why ~は何故か?」より「Where どこを目指すべきか?」「What 何をすべきか?」「How どう進めるべきか?」。白黒はっきりさせる表現にする
  • 比較表現を入れる

日頃の仕事で今日からでも実践できる2つのこと

イシューを追究する、というのは、なるほど、なんですが、戦略を考える企画やマーケティングのような仕事ならともかく、多くの人にとって、このようなイシューを追究するような考えは、ちょっと飛躍があって難しいと思います。

そこで、この本の中から、日頃の仕事で今日からでも実践できること、を2つピックアップしてみました。

優れたチャートの3条件

皆さん、プレゼン資料や説明資料を作ることが多いと思います。その時にこの考えが非常に役に立ちます。

  • 1チャート・1メッセージを徹底する

このチャートで何を言いたいのか、をしっかり言葉い残す

  • 分析とは比較すること

定量分析の3つの型、比較、構成、変化、のどれが適切かを考え分かり易いチャートを選ぶ

  • 軸にこだわる

公平性、軸の順序、切り口など、軸を磨くことで説得力が大きく変わる

下図は、3つのポイントを意識しながら作成したチャートです。1枚のスライドに2つのチャートが入っていますが、基本は1チャート・1メッセージで、2つのチャートをあわせて1つのメッセージとなっています。

このようにチャートを使ったプレゼンや説明は日頃やられていると思いますので、すぐに活用できるポイントだと思います。

ストーリーを絵コンテにする

「生産性~マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの~(伊賀泰代 著)」

でも紹介されていた方法です。

これはロジックを可視化したものです。例えば下記のようにイメージを手書きで資料におこします。

中身の数字は、空白でよいのです。これを作成して、上司やステークホルダーに確認し、このロジックについて合意を得る。あとは必要な情報を集めて埋めていくだけ。

というやり方です。

なお、仮説に基づき想定される数字が入れられると更によいですね。


働き方改革の関連記事

  • 働き方改革(その1)あれっ?何か違和感。「働き方改革の教科書」を読んだ感想。理由は、政府の「働き方改革実行計画」と実際の企業での課題、とのギャップ。
  • 働き方改革(その2)ブラックな働き方のコンサルの働き方改革のリアルストーリー「アクセンチュア流生産性を高める 働き方改革」
  • 働き方改革(その3)日常の業務でどのように生産性を向上させればよいのか?今日から使える具体的なステップとツールをまとめました。ポイントはずばり3つ。業務の見える化。会議の改善。スキルや既知感を増やす。「チームの生産性向上の4フェーズ・8ステップ」「オフィスの業務改善がすぐにできる本」
  • 働き方改革(その4)人材の成長=生産性の向上 圧倒的に生産性を向上させるにはどうしたらよいか?を突き詰めることで、人材が成長し生産性が向上する。会議のやり方、資料のつくり方は、すぐにでも実践する価値あり。
  • 働き方改革(その5)働き方改革のフレームワークをA3 1枚にまとめて公開します!
  • 働き方改革(その6)陥りがちな6つの失敗ケースと働き方改革の疑問?何故女性の活用が必要なのか?何故労働時間の削減が最も重要なのか?
  • 働き方改革(その7)9つの事例を紹介します。会社全体を巻き込んだ改革、19:00退社の取り組み、多様な働き方、ダイバーシティ推進、テレワーク、RPA
  • 働き方改革(その8)想像以上に凄いRPA5割以上の業務量削減は当たり前。それだけでなく作業者の意識改革、PDCAの短サイクル化でビジネスの付加価値を高めます。まさに働き方改革の本命!
  • 働き方改革(その9)部下に残業をさせない課長が秘かにやっていることって何?まずは自分自身の残業をなくすこと!
  • 働き方改革(その10)生産性をあげるポイントは課題の質(イシュー度)をあげること。やるべきことは100分の1になる~イシューからはじめよ~
  • 働き方改革(その11)テレワーク女子がすっぴんでWeb会議~Web会議に美の意識を持ち込んだ面白い働き方改革のソリューション~
  • 働き方改革(その12)重要度、優先度のマトリクスに沿ってもうまくいかない。限られた時間に全ての仕事をどう割り振るか?という発想で優先順位をつけることが重要
  • 働き方改革(その13)1時間の残業は、朝の15分で終わらせることができる~神・時間術~
  • 働き方改革(その14)「人は考えているようで思い出している」この時間はムダの3乗。まさに神経衰弱で悩んでいる状態。書き出すことで価値の3乗に変換!
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!