スウェーデン発のBIMのプラットフォーマーBIMobject(その2)~すごいビジネスモデルとVR/ARの先駆者~

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スウェーデン発のBIMのプラットフォーマーBIMobject

では、BIMについてまとめました。

その中で、BIMのプラットフォーマーとして急成長しているスウェーデン発のBIMobject社の技術とビジネスモデルが面白かったのでご紹介します。

BIMobject社はスェーデン発のBIMコンテンツの世界No.1企業です。

世界で最も革新的なベンチャーを選出するアワード「Red Herring Top 100 Global Winners」を2012年に受賞しており、急成長を遂げています。

BIMobject社のホームページ:https://bimobject.com/ja

BIMとは施設を建設する前に一度全てをバーチャルで建設してしまう技術なので、設備、意匠などのコンテンツをBIM標準のコンテンツとして整備することが重要です。

BIMobject社は、そのコンテンツを集約するプラットフォームを提供しています。

イメージでいうと、アマゾンのようなオンラインショッピングモールで、そのモールに出品されているコンテンツが、BIMのコンテンツ、という感じです。


ユースケース

ユーザーの具体的な利用ケースです。

引用元:BIMobject for manufacturers 2013

 対象ユーザーは施設を建設するディベロッパー(上記イメージの左上 BIM userです。

BIMを使って施設を建設するにあたり、どんな設備や意匠を入れたらよいのか検討しています。

その際BIMobjectのサイトに行き、コンテンツの中から様々な設備や意匠を検索します。必要なコンテンツが見つかったらダウンロードし、BIMを使ってバーチャルで建設を進めます

ユーザーの訪問履歴はすべてログに残っており、コンテンツを提供したメーカー(上記イメージのmanufacturer)には、誰が自社のコンテンツを検索したのか、ダウンロードしたのか等のマーケティング情報が提供されます(上記イメージの右側)

つまりポテンシャルの顧客が分かるのです。

またこのプラットフォームを使ってユーザーへ直接アクセスすることもできます


BMIobject社のビジネスモデル

BIMコンテンツを提供するメーカーManufacturere目線で見ると、BIMojectのサイトで自社のBIMコンテンツが選択されると、実際の製品の販売・インストールにつながる可能性が高くなります。

この訪問履歴やダウンロードなどのマーケティング情報がメーカーにとっては宝の山になります。

そのため各メーカーは、こぞって自社製品をBIMコンテンツ化し、BIMobject社のプラットフォームにアップロードしようというインセンティブが働きます。

このインセンティブを利用して、マーケティング情報を提供する対価としてメーカー(Manufacturer)から使用料を徴収します。

またBIMobject社は、各メーカーがBIMコンテンツを独自に作ることができない場合、様々なフォーマットのデータをBIMコンテンツに変換するサービスも提供していおり、データ変換・登録料としてメーカーから収益を得ています

このようにメーカー側から対価を徴収する一方、ユーザーは使用料無料でコンテンツをダウンロードできるというビジネスモデルになっています。

このモデルをビジネスモデルキャンバスに描きました。

圧倒的な囲い込みのサービスとユーザーの利用料が無料である点が、エムスリーのビジネスモデルと似ています

BIMコンテンツは、ユーザー側、メーカー側にとって価値のあるものです。

  • ユーザー:BIMを使って設計・建築するためにBIMコンテンツが欲しい
  • メーカー:BIMコンテンツへアクセスした情報が貴重なマーケティング情報となり、効率的な販売促進活動ができる

ユーザー側、メーカー側の価値を結ぶつけるプラットフォームをいち早く構築し、オンリーワン化して、ユーザーとメーカーを囲い込んでしまったのがこのビジネスモデルの強みです。

ご参考に財務数値を紹介します。

売上は急成長していますが、まだ赤字です。どう黒字化していくかが課題ですね。

引用元:https://www.marketwatch.com/investing/stock/bim/financials


ビジネスモデルの発展と技術開発

BIMコンテンツをユーザー、メーカー間でやり取りするプラットフォームの構築からスタートしていますが、これをベースとした発展性も魅力です。

BIMの環境提供

BIMコンテンツだけでなくBIMができる環境もクラウド上で無償提供しています。

例えば小規模のオフィスレイアウト変更、家のリノベーションなど、個人レベルでもBIMを利用したいというニーズがあります

その際、クラウド上でBIMを利用することができます。

ビデオで対象の部屋を撮影しアップロードすると、1日程度でBIMに変換してクラウド上に対象の部屋が構築されます。そのあとは、ユーザーは必要な設備や意匠をカタログから選んで自由に設計することができます。

下記が実際にやっている様子を映像にしたものです。イメージが沸くと思いますのでご参照下さい。

BIMコンテンツを活用したシミュレーションサービス

BIMは設備の機能情報がすべて入っているので性能のシミュレーションが可能です。例えば空調や照明、音響などです。

私が最近かかわった施設建設のプロジェクトでは、竣工後に結露や部屋ごとのムラなど空調に関する問題が発生しました。

セミナーでは、丁度空調のシミュレーションが紹介されていて、これができていれば、空調の問題はクリアできていたな?と強く感じました。

AR/VR技術を活用したサービス

BIMVRなので、AR/VRの技術がベースとなります。

セミナーでは、スウェーデンの本社と日本の会場間でリモート会議を実演しました。

日本とスウェーデンという別々のロケーションにいる人が、まるで同じ場所で、同じモデルを見ながら議論でき、まるで目の前にいるかのように感じました。

上記のビデオ映像の後半2:00くらいのところから紹介されていますのでご参照ください。

これが市販のビデオカメラ、インターネット回線で、できてしまうことも驚きです。


BIMに関する参考情報

  • BIMナビ BIMとは?

https://www.cadjapan.com/special/bim-navi/know/difference.html

  • BIM とは? そのメリットを理解できる 7 つのストーリー

<https://www.autodesk.co.jp/redshift/what-is-building-information-modeling/>

  • BIMobject社のホームページ

https://bimobject.com/ja

  • BIMobjectの概要

BIMobject for manufacturers 2013

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!