【ヘルスケアビジネスモデル11】「集合知により医療を再発明するメドピア」徹底的に医師の目線にこだわる医療専門”食べログ型”SNS vs エムスリーのMR君は”ぐるなび型”

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医療業界の変革に挑む医師出身のベンチャー経営者

誰が医療を変えるのか?オンライン医療辞典やオンライン診療アプリを作る理由(その1)~ぼくらの未来をつくる仕事 MEDLEY(豊田 剛一郎著)~

から辿り着いたのが、もう一人の医師出身のベンチャー経営者 メドピア株式会社の石見陽さんです。

本日はメドピアの「徹底的に医師の目線にこだわる医療専門SNS」のビジネスモデルをまとめます。

参考記事:レガシーで硬直化した業界を中から変える! 医師兼起業家が語る変革の術

医療従事者不足、医療費の財源問題・・・ このままだと、医師そして医療業界全体が潰れてしまい、日本人の健康を守れなくなってしまう。医師として日々忙殺され、今の状況を傍観したままで本当に自分はいいのか・・・。

そんな医師としての強烈な危機感から、業界の変革に挑んでいる二人のベンチャー経営者がいます。


メドピアのビジョン「集合知により医療を再発明する」

引用元:

MedPeerでは医師と同じ目線で「人を救う」ことをミッション(存在意義)としています。医師は目の前の患者さんを救おうとします。MedPeerは医師をサポートし、その結果として医師が診ている患者さんが救われるために存在しています。

医師とMedPeer、直接・間接の違いはありますが、「患者さんのために」という想いは同じです。その想いがMedPeerのスタート地点であり、原動力となっています。

(メドピアHPより引用)

その使命を達成するためのビジョンが、「集合知により医療を再発明する。」です。

集合知とは、多くの人の知識が蓄積されたものをあらわす単語です。つまり、個々のお医者さんたちが持っている専門的な知識を寄せ集めて、医療を発展させて、多くの患者さんたちを救うということです。

MedPeer:徹底的に医師の目線にこだわる医療専門SNS

「集合知により医療を再発明する」から生まれたソリューションが、徹底的に医師の目線にこだわる医療専門SNS「MedPeer」です。

登録している医師は10万人を超え、日本の医師の3人に1人が参加している医師による医師のためのSNSです。

「医師による」がポイントで、医師により作成・作成された「医師のための」コンテンツを提供するサイトです。

引用元:メドピア 2017年9月期決算説明資料

主要なコンテンツは以下の6つで、まさに集合知により医師同士で助け合う世界を実現しています。

MedPeer朝日ニュース

明日から使える診療ノウハウを最先端の医師が、明日の医療を変える医療政策を一流の記者が、医師ならではの悩みとその回答を現場の医師が、それぞれの経験と取材に裏打ちされた、確かな情報としてお届けする。

臨床/ライフ掲示板“FORUM”

FORUM Q&Aは、医師の抱える疑問を医師同士で解決するサービス。投稿された質問は95%以上の回答率を誇り、会員の皆さまの質問解決とディスカッションの場となっている。

“FORUM”Survey

FORUM Surveyは、MedPeerにご登録いただいている会員医師の皆さまを対象に、実臨床をはじめとする医療に関する調査や時事関連、ライフスタイルなど多彩な調査を実施し、その結果を統計情報として共有するサービス。

“FORUM”掲示板

臨床からキャリア、プライベートまで医師同士が自由に意見交換する。

薬剤評価掲示板

日本初の”医師による医師のための医薬品の処方経験共有サービス”。医療用医薬品(薬剤)の効果実感や副作用の頻度・重篤度など、医師が臨床現場で得た経験を共有する。

現在、評価対象薬剤は2600以上、1薬剤あたり平均190件以上のクチコミが集まっており、薬剤に関する医師のナレッジが集積した貴重なデータベース。

症例相談”Meet the Experts”

症例相談(Meet the Experts)は、MedPeer会員の疾患に関する質問に対し、その疾患の第一線で活躍するExpertが質問に回答するサービス。

症例検討会

有名症例指定病院の症例で識別診断をトレーニングするサービス。


MedPeerのビジネスモデル

MedPeerのビジネスモデルは以下の図であらわされます。

  • 医師が会員
  • 医師会員のサイト利用は無料
  • 製薬企業・医療機器メーカーのマーケティング支援料が主な収益減

ということが特徴です。

この特徴は、エムスリーの「MR君」と同じなんですね。

【ヘルスケアビジネスモデル2】医療界の怪物「エムスリー」(その2)日本国内の医師の80%が会員として利用する圧倒的な囲い込みサービス「MR君」のビジネスモデルキャンバス

なんだ、エムスリーのコピーなのか?と思いましたが、調べてみると大きな違いがあることが分かりました。

引用元:メドピア 2017年9月期決算説明資料


エムスリーの「MR君」VS メドピアの「MedPeer」は ぐるなび VS 食べログ と同じ

エムスリーとメドピアの違いは何でしょうか?

下記の記事が非常に分かりやすいです。

  • IPO会社社長に聞きたい | メドピア・石見社長「当社は医師向けサイトの“食べログ”だ」 | 会社四季報オンライン

以下引用——-

エムスリーは(店側に立った)「ぐるなび」であり、メドピアは(飲食店の口コミ評価サイトの)「食べログ」

エムスリーは製薬会社の代弁者です。

同社の「MR君」というコンテンツ名からもわかるように、製薬会社のMRが行くことができないところもインターネットでカバーしようとサービス。製薬会社寄りといえるでしょう。

これに対して、メドピアが目指すのは医師側の目線をひたすら追求し、診療に役に立つものを提供することです。

自分自身が医師であるゆえ、「自分自身の欲しい物を提供したい」「臨床の現場で使うサイトにしたい」という視点が強み

医師同士の情報共有にフォーカスしたサービスではトップと自負しています。他社からみれば参入障壁は高いでしょう。

—-引用ここまで

エムスリーとメドピアの違いをまとめてみました。

売上、利益は大きく違いますが、エムスリーはMR君以外にも、治験君など他のサービスの収益が含まれていますので、単純な違いではありません。

エムスリー「MR君」 メドピア「MedPeer」
売上高 781億円(2017年3月期) 15.6億円(2017年9月期)
利益 169億円(2017年3月期) 0.8億円(2017年9月期)
医師会員数 25万人 10万人
特徴 製薬会社の視点

MR業務の圧倒的な効率化

医師側の視点「医師による」「医師のための」価値ある情報共有

 


ぐるなび VS 食べログ

「ぐるなび」と「食べログ」の比較が面白かったので、少し調べてみました。

このビジネスモデルは、リボン型ビジネスモデル(下図参照)というそうです。

ある片方のニーズだけ満たすだけではいけません。「ユーザ」「事業者」両者のニーズを満たし、両者をつなぐサービスを提供することで、成り立っているビジネスモデルです。

リボンのどちらへの価値提供にフォーカスしているかが、両社の違いになります。

「ぐるなび」は、飲食店への価値提供にフォーカス

ぐるなびは、店舗のビジネス拡大のために何をしたら良いのか?という視点で徹底的に価値提供しています。

そのため、店舗にとってのワンストップ・ソリューション(ひとつの業者であらゆる悩みを解決する)を志向し、集客に留まらず、メニュー開発支援、デリバリーなどの周辺領域への展開支援、IT活用支援なども、飲食店への有料サービスとして展開しています。

「食べログ」は、エンドユーザへの価値提供にフォーカス

一方で食べログは、完全に逆で、ユーザがどうしたらお店を探しやすくなるか?という視点で価値提供しています。

利用者に対して、自分のニーズにマッチした情報を届けるという視点なので、情報に信頼性を持たせる「口コミ」や、お店の探しやすさを追求する「検索性」などがメインの価値になっています

なるほど、確かにエムスリーの「MR君」とメドピアの「MedPeer」の違いと同じですね。

すっきりと理解できました。


参考情報

  • メドピア・石見社長「当社は医師向けサイトの“食べログ”だ」
  • レガシーで硬直化した業界を中から変える! 医師兼起業家が語る変革の術
  • メドピア 2017年9月期決算説明資料
contents.xj-storage.jp
 
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS92984/4a46a93c/8bb7/4547/a827/4a5ee...
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS92984/4a46a93c/8bb7/4547/a827/4a5ee1177829/140120171106409893.pdf
  • 我々が目指す「メドピア以前、メドピア後」のパラダイムシフト!
  • 石見陽の経歴は?メドピアって?世界一受けたい授業で3回目の生の声!
  • 「食ベログ」vs「ぐるなび」?リボン型ビジネスモデルから学ぶ 時価総額1000億円の事業機会の見つけ方
  • ぐるなびvs食べログ~グルメサイトの成長可能性をみる | SPEEDA
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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!