【ヘルスケアビジネスモデル25】ハッピーエンディング事業その2~希望により延命処置を終了することは可能~人生の最終段階におけるガイドライン

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希望により延命処置を終了することは可能なのか?

で、「終末事業=ハッピーエンディング」として「希望の死に方を実現させる、延命処置の終了条件の事前合意形成サービス」を考えました。

それでは「希望により延命処置を終了することは可能でしょうか?」

私の父のケースでは、家族と医師が合意することで延命処置の終了を選択できました。

では一般的にはどうなっているのでしょうか?


人生の最終段階におけるGL

つい最近(2018/3/14)「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が厚生労働省より公表されました。


ここに、希望により延命処置を終了することも含めて、終末期の医療・ケア方針の決定手続きのガイドラインがまとめれています。

要旨は以下の3点です。

  1. 本人の意思が確認できる場合は、その意思決定を基本とし、多専門職種から構成される医療・ケアチームとして方針の決定を行う、
  2. 本人の意思が確認できず家族などが本人の意思を推定できる場合はその推定意思を尊重し、本人の意思を推定できない場合は本人に代わる家族などと十分に話し合って決め、家族などがいない場合や家族などが判断を医療・ケアチームに委ねる場合は、チームで判断する、
  3. 医療・ケアチーム内や、本人と医療・ケアチーム、家族などの中で意見がまとまらない場合には、複数の専門家からなる話し合いの場を別途設置し、チーム以外の者の助言を得る

いずれにおいても、本人にとって最善となる方針を取ることを基本とし、話し合いの内容は、その都度、文書に残すよう要望している。

ポイントは、「家族や医療・ケアチームの専門家が合意すれば、延命処置を終了することが可能」という点です。

家族の合意は、本人や家族の意思についての確認がポイントで、医療・ケアチームは、医学的に患者が回復が望めない終末期にあるのかの判断がポイントです。この二つが確認できれば、延命処置を終了することが可能になります。


本人の意思が不明でも家族などの推定や医療・ケアチームの話し合いで延命処置を終了することも可能

私が驚いたのは、ガイドラインの2, 3点目で、「本人の意思が不明な場合や、家族の意見がまとまらない場合でも、家族などの推定や医療・ケアチームの話し合いで延命処置を終了することも可能」ということが明記されている点です。

患者さんが意思表明をする前に意識障害を生じるケースもあり、その場合は、

  • 本人をよく知る家族などに本人の意思を推定してもらい処置を決める
  • 意思を推定できない場合や意見がまとまらない場合は医療・ケアチームで本人の最善となる方針を検討する

ということがガイドラインに定められているのです。

注意すべき点は「家族の希望を聞くのではなく、患者本人だったら何と言うのかを教えてもらうこと」です。


終末期の治療中止に警察は介入しない

過去には、医療行為の中止で刑事責任を問われた事例がいくつかありますが(下記表参照)、今回のガイドライン作成の検討委員会のコンセンサスは、「終末期患者における人工呼吸器外しなどの治療の差し控えや中止に警察はもう介入しない」とのことです。


引用元: http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t308/201803/555271.html

その根拠は以下の3つとのこと。

  • 2007年以降、終末期患者における治療の差し控えや中止で刑事事件は立件されていない
  • 人工呼吸器を外す医療現場をメディアが報道しても警察は動いていない
  • 川崎協働病院事件における(上記表の2つ目)最高裁の判決文の内容

    「実刑判決となった理由は、患者が終末期にあるかの判断に問題があった」という内容で、逆にいえば、「きちんと終末期であることが判断され、本人・家族が納得していれば、人口呼吸器を外すことに問題はない」と最高裁が認めていると解釈される。


まとめ

「死に方の選択」特に、「延命治療の終了」についてきちんとガイドラインが定められていることに、驚きと安心を感じました。

本人の意思が確認できない場合や、家族の同意が難しいケースも想定している点は、現実に沿った実用的なガイドラインになっていると思います。

このガイドラインに沿って、患者さんやその家族、皆さんがハッピーになるエンディングを選択できるようになるとよいですね。

死を選択するというのは、突然そのような状況になっても決断が難しく、また万一のトラブルを考えて二の足を踏むこともあるように思います。

そのため、合意をとるだけでなく、啓蒙活動やトラブル対応、などをパッケージで提供するサービスの方がビジネスとしてはニーズがありそうです。

ビジネスモデルについては、また機会があれば考えてみようと思います。


参考資料



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1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!