【成長する人・組織8】なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか?7つの壁とそれを克服する7つの技法~重要なのは常に謙虚に振り返り改善しつづけること~

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なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか?(田坂広志 著)

明日、成長マインドセットのワークショップを実施しようと計画しており、成長について情報を探していたら、この本に辿り着きました。

この本のタイトルは、「なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか?」ですが、本質は「どうやったら人は成長し続けることができるのか?」を分かりやすく、かつ実践できる形でまとめたものです。

7つの壁とそれを克服する7つの技法

7つの技法を実践することで「人は何歳からでも人生を拓くことができる」、正にその通りだと共感できる名著です

7つの壁とそれを克服する7つの技法、順にまとめていきます。


学歴の壁←棚卸しの技法

学歴のある人は、「学歴的優秀さ」を備えています。簡単にいうと試験で好成績がとれる「論理的思考能力(理路整然と物事を考える能力)」と「知識習得力(高い記憶力)」が優れています

一方、実社会で活躍するためには「職業的優秀さ」が必要です。職業的優秀さとは「経験から大切な知恵を学ぶ能力です。

知らないことは素直に知らないと言い、知っている人に教えてもらう。

細かいことを突き詰めて考えすぎて何をできない、ではなく、まずはやってみよう、というスタンスで経験し、それを次のステップに生かす。

これって学歴があればあるほど壁になりますね。

確かに、知らないということに抵抗がありますし、失敗したらどうしよう、と考えて理詰めで考えたり、いろいろ調べているうちに結局タイミングを逸してしまったとか。

これが学歴の壁です。学歴の壁が「経験から大切な知恵を学ぶ」ことを阻害してしまうのです。

棚卸しの技法

学歴の壁を克服するのは、棚卸しの技法です。

経験から積んだ「知恵」を棚卸しすることです。

「経験から積んだ知恵」とは「会議力」、「プレゼン力」、「企画力」、「営業力」、「説明力」、「判断力」、「交渉力」、「傾聴力」、「人間力」などです。

この棚卸しとは、明確な課題意識をもって、具体的に振り返ることです。

例えば「プレゼン力」の場合、

  • 時間内に収まったか?
  • 聴衆の目を見ていたか?
  • 聴衆の期待を予め把握し、そのようにプレゼンの内容を考えたか?
  • 聴衆が聞き易く、考える時間があるようなスピード、間合いがあったか?
  • 全体が分かりやすい、一貫したストーリーになっていたか?

という感じです。確かにこのように具体的に振り返り、棚卸しすることで、課題と次への改善点が明確になりますね?


経験の壁←反省の技法

「失敗を糧として知恵を掴めない」のが「経験の壁」です。

経験があるとそれなりに仕事は進みます。そのため、そのやり方が本当に良かったのか?何かミスはなかったか?ということに気づきません。

また他の人が何かコメントしても、経験があるから大丈夫、と深く振り返ることを怠ります。そのため、経験をベースに、さらに一段深い知恵を掴むことができないのです。

あなたの周りにもこのように経験だけで仕事をしている人はいませんか?

反省の技法

経験の壁を克服するのは、反省の技法です。

経験学習モデル(下記参照)と同じ概念で、私自身、結構できている部分だと思っていました。

ところが、この本を読んで、まだまだ反省の仕方が浅かったことを痛感しました。

具体的には、「直後に仲間と振り返る反省対話、が不十分でした。

例えばプレゼンの後、メンバーに対して

  • スピードは早すぎませんでしたか?皆さんの思考スピードがついていけてましたか?
  • 資料は文字が多すぎませんでしたか?小さくありませんでしたか?
  • 聴衆を惹きつけるようなしゃべり方ができていましたか?

など、質問を投げかけ、メンバーから知恵やアドバイスをもらうことです。

また部下がプレゼンをした場合にも、お互いに対話するような質問を投げかけ、部下の振り返りを促すことも重要です。それを習慣づけることで、組織全体として反省の技法が定着し、組織の成長につながるのです。


感情の壁←心理推察の技法

「感情に支配され、他人の心が分からない」のが「感情の壁」です。

例えばプレゼンの場合、自分の思いや感情ばかりを優先して、聞いている人がどう感じるのか?どんなことを期待しているのか?という他人の心を考えないプレゼンがこれにあたります。

  • 「全てのビジネスは人間の心を対象とした営み」
  • 「すべての仕事は人の心の動きを感じることから始まる」

という言葉が心に刺さりました。

心理推察の技法

感情の壁を克服するのは、心理推察の技法です。

具体的には、日々の商談や交渉、会議や会合において、顧客や交渉相手、会議参加者や会合相手の発言や表情、仕草や雰囲気の奥にある「心の動き」を推察し、想像し、深く読む、という修練をすることです。

かなり高度な技法ですが、日々、意識して訓練することが重要なのかな、と思います。

一つのヒントは、「自分の心」を推察することです。

例えばプレゼンの振り返りで、

「自分の心」が会社のアピールをしたいという想いが強かったので、相手は当初の期待と違うんじゃないの?という印象を持ったのではないか、

という感じです。


我流の壁←私淑の技法

「我流に陥り、優れた人物から学べない」のが「我流の壁」です。

経験の壁に通じるところがありますが、自分のやり方がうまくいっているので、人から学ぼうとしない壁です。

私淑の技法(優れた師匠から学ぶ)

我流の壁を克服するのは、私淑の技法です。

簡単にいうと「優れた師匠から学ぶ」ことです。

  • 「基本的なこと」こそ「人」からしか学べない
  • 優れたプロフェッショナルは、様々なスキル、センス、テクニック、ノウハウが結びついて全体のバランスが素晴らしい

そのため、師匠とは同じ部屋の空気を吸い、師匠の「技術」や「心得」の奥にある「人柄」や「人間性」も学ぶことが重要、というのがすごい点です。


人格の壁←多重人格の技法

「つねに真面目に仕事をしてしまう」のが「人格の壁」です。

私のモットーは「誠実」で真面目に仕事をすることを美徳としています。

でも人は様々な人格を持ち、場面に応じて使い分ける必要が出てきます。

「一担当」であったり、「マネージャー」、「リーダー」、「経営者」など、立場に応じて新たな人格を身につけていきます。

そして優れたプロは、その場に応じて瞬間的にその人格を使い分けることができます

いつもニコニコ笑顔だった上司が、部下がまずい対応をした時には、瞬時に毅然とした態度で注意する、といったことです。

多重人格の技法

人格の壁を克服するのは、多重人格の技法です。

具体的には、自分の日常を自己観察し、人格を洗い出し、優秀な人の「人格の切り替え」を学ぶことです。

実は、私はこの人格の切り替えが苦手です。

まずは人格を洗い出し、人格を切り替えることを意識していこうと思います。


エゴの壁←自己観察の技法

「自分のエゴが見えていない」のが「エゴの壁」です。

典型的なのは、「嫉妬深く他人の成功を素直に喜べない人」です。

このような人は、自己の成長を阻害するだけでなく、職場の人間関係やチームワークに悪い影響を与えてしまいます

自己観察の技法

エゴの壁を克服するのは、自己観察の技法です。

自分の心の中を静かに見つめ「自分を見つめるもう一人の自分を育てる」ことです。

「自分を見つめるもう一人の自分」が育ってきたとき、初めて我々は「成熟した精神」を身に着けた人間へと成長していける。

簡単にはできそうにありませんが、努力していこうと思います。


他責の壁←引き受けの技法

「失敗の原因を外に求めてしまう」のが「他責の壁」です。

皆さんの周りにも、「これは私のせいではない」とばかり言う人いませんか?

自分の責任を明確にする、その代わり自分の責任範囲は責任もってやります、ということの裏返しでもあるのですが、これでは人は成長できません

にも書きましたが、「これは私のせいではない」と言った途端に、そこから先は無関心、仕事の幅を狭めるだけで、無関心の輪の外にある改善の機会とそれに伴う成長の機会を奪ってしまうのです。

引き受けの技法

他責の壁を克服するのは、引き受けの技法です。

自分に直接的な原因があるのか否かを問わず、その失敗やトラブルが起こったことを全て「自分の問題」として引き受け、どこに問題があったのかを、「自分ごと」として考えることです。

「自分ごと」として考えることで、失敗やトラブルの解決策も生まれるし、それを行動に移すことで大きく成長することができます


まとめ

7つの技法を自分なりに集約すると下記3点です。

  • 常に謙虚な気持ちで振り返ること
  • 振り返りからの学びを活かして改善しつづけること
  • 他人のせいにせず、常に自分ごとと考える

特に経験を重ねることで成長が止まる最も大きな要因は、謙虚さを失ってしまうこと、だと思っています。

私は幸いなことに2-3年で職務内容が変わってきたため、その度に知らないことばかりで学ばざるを得ない環境に直面してきました。そのおかけで、逆に年齢を重ねるとともに、自分は知らないので教えてください、という謙虚な気持ちが大きくなってきています。

有難いことです。定期的に職務を変わる、というのは成長に不可欠な謙虚に学ぶ姿勢を養う上で大きなメリットですね。

7つの技法、自分では結構できているかな、という気がしていましたが、この本を読んで不足している部分が多いなと実感しました。

何点かありましたが、その中でも「仲間と振り返る反省対話」は、重点的に実践していきます。自分だけでなく、組織としてメンバー全員の成長を促していきます。


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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!