【営業成績をあげる】営業の1日に密着~95%は移動と待ち、新規採用に向けて複雑な利害関係者の思惑で苦戦~

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営業の1日に密着、初めての営業同行

初めての御遣い、ではありませんが、一昨日、初めて営業活動に同行しました。

営業系プロジェクトのコーチングをやったりしていますが、これまで実際の営業活動は見たことはありませんでした。

営業活動としてどんなことをやっているか?を知るには、同行が一番ということで、1日同行させてもらいました。特別なアレンジはなく、普通の営業の1日を体験です。


下記がスケジュールです。

訪問の目的や面談内容の詳細は割愛しています。

時間 項目 内容 面談時間 面談人数
8:00-8:10 移動
8:10-9:00 施設A

 

Dr待ち

オペ室訪問

2分 Dr. 1人

看護師 1人

9:00-9:25 移動
9:25-9:30 施設B オペ室訪問 1分 看護師 1人
9:30-10:00 移動
10:00-10:10 施設C 朝に電話問合せがあり、時間がとれたので訪問 1分 看護師1人
10:10-11:00 移動
11:00 施設D オペ室立会時間電話確認

1時間後に電話ということで昼食へ

11:00-12:00 昼食
12:00-13:10 施設D 医局待ち 4分 Dr. 3人
13:10-13:25 施設D 待合室でPC事務処理
13:25-15:45 施設D オペ立ち合い

新製品の取り扱い説明

15:45-16:00 施設D 代理店担当者訪問 2分 代理店1名
16:00-17:00 移動
17:00-17:40 施設B 医局待ち

 

4分 Dr. 2人
17:40-18:15 移動
18:15-19:00 施設D 医局待ち 2分 Dr. 2人
19:00 同行終了 このあと自宅で日報など事務処理

95%の時間は移動と待ち

聞いてはいましたが、ほとんどの時間が移動と待ちでした。

上表の面談時間を足すと、トータルで16分しかありません

そのために使った時間は、朝8:00のスタートから19:00の終了までの11時間から昼食(1時間)とオペ立ち合いの時間(2時間20分)を除くと、7時間40分です。

7時間40分のうち、面談時間は16分、比率にするとわずか3.4%です。それ以外は移動と待ち時間です。

面談のアポがないという状況ではありましたが、面談時間がわずか3.4%という数字には正直驚きました

それでも営業は、先生と1分お話をするために、どのタイミングでどこの施設の誰に行くのか?いざ先生と会えたら、その一瞬で何を話すのか、よく考えて準備していました

上記表を見ても、施設Bには午前と午後に1回、施設Dは夕方施設Bに行った後に、再度訪問しています。

これは、医局で待っていい時間や、先生を捕まえやすい時間などを考慮して、わざわざ、そのようなスケジュールにしています。同じ施設に2回も行くというのも驚きでした。


医療機器の採用プロセスの複雑さ

製品のユーザーは先生ですが、1人の先生に弊社製品をよいと感じて頂いても、他の先生が他メーカーを使っていたり、最終的に採用に至るまでに購買部門や委員会が入ってきたりと、複数の利害関係者が絡みます

また医療機器の販売経路として、我々メーカーから施設への直販ではなく、代理店(医療機器卸)が間に入っているので、さらに複雑になります。

これらの利害関係者が、お互いに決定打がなく、話しが堂々めぐりとなってなかなか決まらない、という施設もあり、営業はフラストレーションを感じながらも突破口を探して試行錯誤していました

また先生自身が、新規採用決定のプロセスをあまり意識していない、ということにも驚きました。特に若い先生ですね。

一方ベテランの先生は、おそらく知っているけれども、のらりくらりとかわしているな、という印象を持ちました。このあたりの腹の探り合い、を感じることができたのも大きな学びでした。


どうやって営業効率を上げるのか?

最初に考えたのは、そもそも移動や待ちを減らす、ということです。

例えば、アポをとって、1日そこしか行かない、とかです。これだと移動や待ちは減らせますが、訪問回数も減ります。でもそれでいいんでしょうか?

でも面談回数は重要なポイントです。

私が先生の立場だったら、ちょくちょく顔を出している営業の方が気になりますね。

程度問題はありますが、やはりある程度の頻度での訪問は必要だと考えます。

当然効率的な訪問のやり方は考える必要はありますが、全く違うやり方は慎重に考える必要があります。


移動時間を有効に使う

営業は車での移動です。同行時も車の移動は210分、3時間半でした。1日の半分は車での移動なので、この時間を是非とも有効に使いたいですね。

安全運転する必要があるので、PC操作などはできませんが、耳から情報を入れたり、しゃべることは可能です。

営業さん向けの情報提供やトレーニングが実施されますが、映像なしで音声だけの情報提供やトレーニングコンテンツも可能ではないかな?と思います。

音声による日報作成や、データ入力などが可能になると、劇的に移動時間が有効に使えますね。


ステークホルダーマッピング(利害関係者分析)

「新規採用に向けて複雑な利害関係者の思惑で苦戦」という課題に対しては、下記のような人物相関図やステークホルダーマッピング(利害関係者分析)が有効です。

実際に利害関係者分析、描いてみました。

テーマは施設Dにおける新製品の採用です。関係者を縦に並べていきます。固有名詞で入れていきます

現時点で採用に対する位置づけを

強く反対→やや反対→中立→やや賛成→賛成の5段階で評価します。図中の×です。

そして、新規採用を獲得するために、その位置をどこまでもっていけばよいか?ターゲットを赤〇で記載します。

その右側には、下記を書いていきます。

  • 「課題/懸念」現時点で、その人がネガティブになっている課題や懸念
  • 「〇のところに来る条件」どういう条件になれば×→〇になるか?
  • 「影響戦略」どうすれば、その人を×から〇に変えることができるか、具体的なアクション

全てを埋める必要はありません。

大事なところを埋めていけばよいです。

今回の仮説として、現時点で強く反対している経理を、中立まで持って行くことが最重要課題と考えました。

そのために主要なユーザーであるDrと弊社を押してくれる外科部長にアプローチして共同戦線を張り、経理の一番の反対理由である「コスト高」に見あうメリットをアピールして経理を中立まで持って行こうという作戦を考えました。

この利害関係者分析の最も効果的な点は、誰をどのように使って、人の意見を変えていくのか?という人間関係の影響を図に表している点です。

営業が、ユーザーのDrと外科部長にアプローチして共同戦線を作ること、この共同戦線の力で経理を攻略する、という線が、図の真中左の赤線で描かれています

営業現場は、当然、このようなことは頭の中で考えています。

ただ自分自身もそうですが、考えていることを書き出すことで、足りなかった点や新たな気づきが分かり、より考えが深まります

今回のケースでも同じだと思います。


まとめ

やはり、「百聞は一見にしかず」ですね。

  • 先生と1分お話をするために、多くの時間を移動を待ちに費やしながら、営業さんがいかに考え、行動しているのか
  • 1人の先生に弊社製品をよいと感じて頂いても、経理や委員会、採用決定に至るまでの利害関係が複雑で、そこを突破するために試行錯誤しながらトライしている点

などが、本当によく分かりました。

現場を理解した上で、現場の目線と改善の目線と両方の視点から解決策を検討する必要がある、ということを改めて意識することができました。

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!