【認知症】ガンより怖い認知症~社会的コストはガンの6倍、介護度が重く期間も長い、根治薬なし~

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「幸せな老後」を自分でデザインするためのデータブック

高齢化が進む日本での問題をデータとグラフで分かりやすくまとめた本です。

100のチャートをパラパラと眺めるだけで課題が見えてきます。

イメージ図


ガンより怖い認知症

ガンは怖い病気というイメージを持っていましたが、データを見ていると以下の点から「ガンより怖い認知症」という認識になりました。

  • 社会的コストはガンの6倍
  • 介護度が重く期間も長い
  • 根治薬なし

それぞれグラフとともに整理します。

社会的コストはガンの6倍

下図を見て驚きました。英国アルツハイマー協会の研究ですが、認知症の社会的コストはガンの6倍というデータです。

介護度が重く期間も長い

下図のようにガンは最後まで生活自立度が保たれ、看取りまでの期間は1.5ヵ月です。

それに対して、認知症は生活自立できず要介護期間が長く、看取り期間は2.5年にもなるそうです。ガンと比べる介護期間は20倍にもなります。

さらに、介護が必要になった原因疾患を調べると、介護度が重くなる一番の原因は認知症で約25%です。

介護度も重く、介護期間が長くなるという二重の負担です。

根治薬なし

現在のところ、認知症の進行を抑える薬はありますが根治薬はありません。

詳しくは下記を参照ください。


認知症の社会的負担を軽減するためにはどうしたらよいのか?

それでは認知症の社会的負担を軽減するためにはどうしたらよいのでしょうか?

日々の行動管理が重要

認知症の根治薬はありませんが、食事・運動・脳トレ・血管リスクなど日々の行動管理の介入により、認知機能の低下を予防できるというデータです。

行動管理や脳トレなどはアプリを使ったソリューションがどんどん出てきて、注目の領域です(下記参照)。

生きがいと社会との関わりを作る「自立を促す支援」

生きがいを感じると認知症が進行しても生活能力の低下が少ない、という面白いデータです。

さらに、社会参加していない人は社会参加している人と比べて認知症の発症リスクは約2倍というデータもあります。

このようなデータから「至れり尽くせりのお世話」ではなく「自立を促す支援」が認知症介護に効果があることが分かります。

実際に下記例では、「介護=据え膳上げ膳のお世話」から「生きがいを感じるセルフメディケーション(自己治療)」へ転換することで成功しています。

社会的負担を軽減する在宅介護

膨らみ続ける日本の医療・介護費が大きな社会問題となっていますが、その費用の3分の1は、後期高齢者が使っています

認知症の占める割合は不明ですが、認知症の患者数、要介護の一番の原因であることを考えると相当負担は大きいと考えられます。

諸外国では認知症患者の多くは在宅ですが、日本の認知症患者は精神病院に長期間入院しています。

認知症の場合、精神病院への入院、グループホームでの入居、特別養護老人ホームへの入居、自宅を比べると 3:2:1.5:1のコスト割合になります。

入院と自宅のコスト割合は3:1なので、1人を精神病院に入院させるコストで自宅で3人看取ることができる計算です。

在宅医療の問題

在宅医療・介護が重要で、今後ますます需要が増えることが予想されます。

ところが、在宅医療を担う「在宅療養支援診療所」は2014年をピークにむしろ減っています

大きな理由は、24時間365日の対応が求められることです。患者さんの容態が変化したら、いつでも対応する必要があります。ところが、日本の診療所では医師は少人数で、多くは一人体制です。これでは継続できるはずがありません

その対策として、地域の診療所が手を結び、夜間・休祝日対応を集約、外注サービスとする仕組みがあります。イギリスでは非常にうまく機能していて日本でもこれに似た仕組みの成功事例が出てきました。IoTの活用と組み合わせて、今後注目の領域です。


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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!