【心房細動2】ワークショップでペイシェントジャーニーを描く~心房細動って何?情報がばらばらで全体が理解できない。病院行っても対応は千差万別、どうすればいいの?~

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ワークショップデザイン

  • 心房細動って何?一生のうち4人に1人がかかる。3人に1人は自覚症状がないが、脳梗塞や心不全を引き起こす恐ろしい病気(サイレントキラー)

で自分が一通りやったことをワークショップで実施しようと考えていました。

ところがリーダーに詳しく話を聞くと、当初の想定と違っていることが分かりました。今回は第2回目の全体ミーティングで、第1回の議論により方向性は下記としたいということでした。

  • 心房細動は治療機器を提供すれば治療できるという単純なものではなく幅広い疾患なので、まずは心房細動全体を理解したい
  • 最初から治療や事業部を越えたコラボレーションにはフォーカスしない
  • 医療経済の話、ブランディング、医師の声、患者さんの声を聞きたい

2を想定していた私としては、ちょっと拍子抜けした感じです。

さあ、デザインのやり直しです。

ニーズを満たすように、様々なインプットを入れて、とにかく心房細動の全体像をイメージすることを第一に考え、2つの目的を立てました。

  • たくさんのインプットから心房細動について理解する
  • 患者さん目線で何ができるか考える

様々なインプット

  • 最初に前回の議論から出てきた様々なインプットを入れます。
  • 医療経済の話(社内専門家からのレクチャー)
  • 医師の話(メンバーがそれぞれ別の医師から事前ヒアリング、それを共有)

メンバーで共有する間、気づきを付箋紙にメモし、それを心房細動全体についてまとめる際に使用しました

  • ブランディング
  • 他部門の教育資料(入手してざっと目を通す)

メンバーの期待とは異なり、ある製品の話を深く掘り下げる内容だったので、ざっと目を通すだけにしました


ブランディング

様々なインプットの中で「ブランディング」について具体的に紹介します。

お得意のRead for actionを活用します。

選んだ本は下記です。

何冊かパラパラと目を通した中で、この本がピンときました。理由は下記です。

  • 見開きで一つの話になっていて、そのキーワードと代表的な図を見るだけでそのページの内容が理解できる
  • キーワードを拾って最後につなげていくとブランディングとは何?というのがよく分かる
  • “顧客体験”が大きなキーワードで、まさしく患者さんの気持ちを知りたい、患者さんの目線で考えるという流れにつながる

1冊では分量が多かったので、重要な箇所をピックアップして抜粋を配布しRead for actionを実施しました。

15分Readingでキーワード書き出し、その後さらに15分でキーワードを模造紙に整理して親和図を作成したのが下図です。

ポイントは、重要なキーワードに赤丸をつけ、グループ間のつながりを考えてもらったことです。

わずか30分で、メンバーの中でブランディングとは何か?というイメージを共有することができました。

「一貫した顧客の体験」というのが、皆さんの共感のポイントだったようです。

おそらく一回目にブランディングというキーワードが出たのも、メンバーの皆さんが、心房細動に対する様々な活動が点になっていて、全体として一貫したものになっていないという問題認識があったからだろうと思いました。

私自身も皆さんの話を聞きながら、「なるほど心房細動は点で攻めるのではなく、ブランドのように一貫した体験から共感を得られるように面の戦略が必要だな」、と腹落ちました。


心房細動について

インプットとして

  • 心房細動って何?一生のうち4人に1人がかかる。3人に1人は自覚症状がないが、脳梗塞や心不全を引き起こす恐ろしい病気(サイレントキラー)

で実際にやってみた記事に加え、下記本を使いました。

心房細動について非常に分かりやすくまとめられた本で、これ一冊で

健康状態(予防)⇒発見・診断⇒症状・影響⇒治療⇒治療後管理

とペイシェントジャーニーに沿って情報が整理できると考えたからです。

第一弾として、この本を1人2章づつ Read for Action実施(60分)

第二弾として、冊子を1人1冊づつRead for action実施(60分)

しました。それぞれ読んでいる時間は15分ですが、共通の時間を多くとりそれぞれ1時間かけました。

その後1時間かけて

健康状態(予防)⇒発見・診断⇒症状・影響⇒治療⇒治療後管理

に沿って情報を整理した結果が下記です。

医師からの目線になりますが、心房細動の全貌がよく分かる結果となりました。


ペイシェントジャーニー

「ペイシェントジャーニー」を作るのに、一番重要なのが患者さんの気持ち、行動です。

今回の一番の課題でした。メンバーは患者さんの気持ちを知りたいと言っているくらいなので、そもそも患者さんの気持ち・行動についてほとんど知りません

患者さんインタビューも考えましたが、時間もないため、ネットから情報を探すことにしました。

「心房細動」「患者」「気持ち」「行動」など、キーワードを入れて探します。記事やビデオなどが少しヒットしましたが、どうもしっくりきません。

そうやって1時間くらいネット検索していた時に辿り着いたのが下記書籍です。

これは正に探していた内容の本でした。こんな本があったとは驚きです。

ペルソナのペイシェントジャーニーが(架空の設定、著者の情報をもとに患者さんのペイシェントジャーニーを再現)、その時、どんな治療を受け、どんなことを考え、どんな行動をとったのかが見事に書かれています。さらにそのストーリーから心房細動に必要な知識を解説する、という形式になっていて心房細動全体も理解できる本です。

今回は、患者さんストーリーの部分だけを抜粋してRead For Actionを行いました。

Readも含めて50分で下記ペイシェントジャーニーが完成しました。

心房細動って何?情報がばらばらで全体が理解できない。病院行っても対応は千差万別、どうすればいいの?といった気持ちがよく表れれています。

その前に作成した心房細動全体像と合わせると、見事にペイシェントジャーニーが完成です。


まとめ

今回のワークショップ、自分でも驚くくらいに大成功でした。

要因は下記3点です。

  • ヒアリングしていたニーズ、参加メンバーの意識、ワークショップの内容が一致していた
  • 事前に主要な部分を一人でリハーサルして、ある程度私自身が心房細動について理解していたこと
  • 短時間である分野の全体像を理解するにはRead for actionの効果は絶大で、テーマにぴったり一致する本を探すことができた

これは心房細動だけでなく、他の疾患にも展開可能です。楽しみです!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!