【成長する人・組織16】人の悪口をいう、仕事のやり方が自分のやり方と違うと執拗に指導、改善しようとするとマイナス面ばかりを主張してチームメンバーに気を遣わせる、お局さん的部下のコーチングその1 ~「良い自己中」と「不平・不満の5つの動機」

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チームメンバーから不満が多い同僚、お局さん?

最近複数のチームメンバーから、同じチームにいる同僚Aさんについての不満を耳にするようになりました。

前々から、ちょっと感情にむらがあり、急に体調不良で休んだり、周囲へのあたりがきつかったり、と気になることはありましたが、私の前(2段階上の上司)ではそこまで酷くはなく、仕事は要領よく、そつなくこなすので、大きな問題ではないと考えていました。

ところが、どうも同僚からの話を聞くと、随分と違うようです。

メンバーから聞いた内容は下記です。

  • 体調不良で、当日急に休む(前の晩の夜中にメール連絡がある)

感情から来る不調が主な原因らしい。

  • 人の好き嫌いが激しい(平気であの人は嫌いだから、と口に出す)
  • 人の悪口が多い(上司がいなくなると、人の悪口を延々と言っている)
  • 同僚のBさんに対して、執拗な業務指導を行う

Bさんは決して要領はよくありませんが、仕事のやり方などを、事細かに執拗に指導している。話を聞くと、どうもAさんのやり方を徹底させているようで、顧客目線での指導ではない、ということが分かりました。

  • 何かチームで協力して改善しようとすると、反対意見ばかりで調整にものすごく時間がかかる。やり始めても、後から、過去のことを蒸し返したり、ネガティブなことばかり言って、チームの士気を下げる
  • そうかといって、自分が積極的にリードする訳でもなく、不満ばかり言う。
  • 公平性をすごく強調するが、自分目線で自分が不利益を被る点だけを主張する。

こうやって書き出してみると、相当酷いことが分かります。

人の悪口ばかり言う、人の好き嫌いが激しい、当日急に休む、チームでの協力姿勢が感じられない、など仕事をする上での基本ができていない、ことが大きな問題です。

ここまで酷いとは全く思っていなかったので、ちょっと唖然としました。

でも改めてAさんの言動、行動を振り返ってみると、

  • 自分目線で自分が困らないように主張、行動
  • 自分が不利益を被らないように公平性を強調
  • チームの仕事も自分のやり方が第一

と、共通しているのは「自己中心的」なことに気づきました。

まるで「お局さん」みたいだな、と感じました。


「お局さま」の特徴

ということで、「お局さん」の特徴を調べてみました。

お局様とは?その典型例10選!彼女達の心理&いじめられた時の対処法も!

この記事に書いてあるお局様の10個の特徴が下記です。

  1. 嫌味が多い
  2. 陰口が多い
  3. 噂話が好き
  4. 異性への対応がいい
  5. 上司への媚びが上手い
  6. 人の好き嫌いが激しい
  7. 意地悪
  8. ヒステリー
  9. 周りが明らかに気を遣っている
  10. 外見にうるさい

Aさんは、何と10個中8個が該当しました。なるほど、そうなんだ、と思わず感心してしまいました。

この記事には、その背景にある7つの心理もまとめられていますが、何と言っても「自分が一番大事」という心理が、お局さん的行動の要因だと思います

自分が一番大事なので、

  • 周囲の迷惑よりも自分の感情・気分を優先して急に休む
  • 自分が不利益を被るものには公平性を強調
  • 何か改善しようとすると、手間やエネルギーが必要なのでネガティブ
  • 自分の気持ち次第で人の好き嫌いも激しい
  • 他人が自分の思い通りにできないのは我慢ならないので執拗に指導

という行動に現れるんだな、と自分なりに納得してしまいました。


何と言っても「自分が一番大事」というお局さんに対するコーチングのヒントを探す

Aさんの行動の背景にある心理は、それなりに納得できましたが、さあ、どうやったらAさんの意識や行動を変えられるのでしょうか?

コーチングをやろうと思い、その前にヒントを得るために2冊の本を読んでみました。

自己中でいいんだよ!「良い自己中」だから、自分も他人も幸せにできる(佐藤久恵 著)

「良い自己中」なんてあるの?

まず、この本のタイトルに惹かれました。

私は、「自己中」は全くダメだ、と思っていました。Aさんも典型的な「自己中」です。

「よい自己中」なんてあるの?と内心疑いながら本を読み始めました。

皆さん、下記のような人になりたいと思いますか?私はYesです。

  • 自分の好きなことをやっている
  • 常にポジティブ
  • 「〜したい」「どうしたらできる?」が口癖
  • 「わたしってツイてる!」 が口癖
  • 「ありがとう」「ごめんなさい」 とすぐに言える
  • 損得関係なく、 他人のために行動できる
  • 自分と他人の違いを楽しめる
  • 他人からの評価を気にしない
  • 次々にチャンスをつかんでいる
  • 「うれしい」「楽しい」を素直に表現している

実はこれらの特徴は「良い自己中」の特徴だそうです。正直、驚きました。私の考える自己中と正反対の特徴だからです

「良い自己中」と「悪い自己中」の違い

「良い自己中」と「悪い自己中」さんはどう違うのでしょうか?

イメージで表したものが下の図です。

「良い自己中」さんも「悪い自己中」さんも他人の輪の中心に自分がいることは同じです。どちらも「自己中」です。

違いは下記3点です。

Point ①: 他人円の中心に自分円がある

「良い自己中」さんは、「 他人との関係の中で自分の存在が成り立つこと」を理解しています。

一方で「 悪い自己中」さんは、「 他人や自分を見失ってしまって」 いたり、「 他人と自分は関係無い」と考え てしまっています。

Point ②: 他人と自分とが相互に影響しあうことで、どちらも一緒に大きくなる

「良い自己中」 さんは、自分を幸せにすることで他人も幸せになる、つまりお互い「 Win-Win」になることを実行します。そして、 他人のために何かするということに喜びを見い出すことができます。

一方、「 悪い自己中」さんは、 自分の幸せと他人の幸せは、 同時には大きくできないものだと考えます。 具体的 には、「 自分さえ良ければそれでいい」もしくは「 自分は犠牲になっても仕方がない」「 自分も他人もダメになってしまえ」などという考えです。

Point ③: 他人円と自分円の合計 面積は ∞( 無限大) に拡大 できる

「良い自己中」 さんは、他人も自分も可能性は ∞ だということを知っています。 誰かと協力したり、助け合っ たりしてことにあたる と、1プラス1が2ではなく、10にも100にもなると認識しているのです。

それに対して、「 悪い自己中」さんは、他人も自分も可能性に限りがあると考えています。つまり、「どうせわたし or お前なんてムリ」 という枠組みで、 制限をかけてしまうのです。

なるほど、Aさんの行動や心理をうまく表している気がします。

コーチングのヒント

おそらくAさん自身は自己中であることに気づいていると思います。ただ自分自身はその自己中をそんなに悪くは思っていないはずです。ただ、周囲から見ると「悪い自己中」さんです。

「悪い自己中」さんに自己中をやめなさい、と言ってもなかなか変わることはできません。自己中でいいんです。でも、ちょっとだけ良い自己中に変えるように行動を変えてみませんか?という意識でコーチングするのがよい、と思いました。

大きな気づきです。


もう、不満は言わない [人間関係編] (ウィル・ボウエン 著)

Aさんは不平・不満が多いので、

  • 「どうしたら不満を言わないようになるのか?」
  • 「何故、不平・不満を言うのか?」

についてヒントが得られるかな、と思い読んでみました。

不平・不満の5つの動機

不平・不満には5つの動機があるそうです。

  • 関心を引く
  • 責任を逃れる
  • 自慢する
  • 力を獲得する
  • 失敗の言い訳にする

自分なりにしっくりこなかったものもあるので、具体例と自分なりの補足を加えて整理します。

Aさんの言動・行動をこの5つの動機に照らし合わせてみると、なるほど、と納得できることが多くありました。よい気づきでした。

関心を引く「ねぇねぇ、ちょっと聞いて…」

主婦が集まると愚痴大会が始まる、って聞いたことがあります。うちの嫁はそういうのが大嫌いなので群れるのを嫌いますが、多くの人は誰かと一緒に、という気持ちを持っています。そんな時、手っ取り早く関心を引き、会話を盛り上げるのに有効なのが、愚痴・不満です。

「聞いて聞いて、〇〇さんって、すごいケチなのよ。気も利かないし。」

「ねぇねぇ、ちょっと聞いて、このルール、絶対おかしいですよね」

これで会話の中心となり、周囲の関心を引くことができます。

確かにAさん、ちょっとしたことですぐに愚痴・不満を言っているようです。関心をもって欲しいというよりは、同意して欲しい、に近いんだろうという気はしますが、誰かと一緒に、という点ではこのパターンに該当するようです。

責任を逃れる「自分じゃ、どうにもできません」

以前にAさんから通勤環境のことで相談を受けた時のことを思い出しました。1年半前に部門ごと執務場所が変わったため、1時間強の通勤時間が2時間へ大幅に伸びてしまいました。

Aさん「通勤時間が2時間で大変なんですよ」

私「一人暮らししたら?」

Aさん「それだけの給料もらってないので一人暮らしなんかできません」

私「在宅勤務を増やそうか?」

Aさん「PCを持って帰るのが大変なのであまり気が進みません」

私「もう少し通勤が楽な本社勤務とか?そこまで大変ならば、いっそのこと転職も考えてみたら」

Aさん「この年で職場を変わるのはちょっときついんです」

いろいろ提案しても、できない理由ばかりでした。

「自分は被害者だから状況改善に関する責任はない。悪いのは自分以外。」まさにこんな感じでした。

自慢する「何でそんなことができないんですか?」

Aさんがよく言う言葉です。

「何度注意しても、できないんです」

「どうして、そんなやり方するんですか?こうした方が早いのに」

誰かのことを否定的に話すとき、本当に言いたいことは、自分ならできるということを、聞き手にそれを理解してもらい評価してもらうことを期待していることが多いそうです。

Aさんは明らかに自慢するという訳ではないので、「自慢する」という気持ちは強くないんだろうと感じます。

一方でBさんを執拗に指導する時には、自分のやり方ばかりを主張(自分のやり方が一番)します。また、お母さんみたいに「何であんなことができないの?」ということを度々言います。

これは「自分ならできている」「自分ができていることを人ができないことが我慢ならない」という心理が裏にあり、自分は人と違うんですという特別感(優越感)の現れなんだろうと感じました。

力を獲得する「あなたもそう思いませんか?」

「関心を引く」でも書いたように、不平・不満は関心を引き仲間を作るのに効果的です。自分からは状況を改善しない責任逃れも、不平・不満の同調者を仲間に入れることで正当化していきます。このように不平・不満は同調者を増やして力を獲得するというマイナスの効果があります。

「何であのチームばっかり優遇されるんですか?何で私たちのチームばかり、損するんですか?不公平だと思いませんか?」

Aさんは、よく自分たちが不利益になることを不満にして同僚に同意を求めています。まさにこのパターンですね。

失敗の言い訳にする「だから言ったじゃないですか」

何か新しい試みを取り入れよう、何か改善しようという時にマイナス面ばかりを主張するAさん

「何かやろうとすることにマイナス面を指摘して失敗した時の防御線をはる」このパターンですね。

失敗した時に

「だからいったじゃないですか。最初からうまくいかないと思っていたんですよ。」

と、何度か似たような言葉を聞いた気がします。まさに失敗の言い訳ですね。

なるほど、だから何か改善しようという時にマイナス面ばかりを主張するのか?妙に納得してしまいました。

人間関係を正すエクササイズ

意識や行動を変えるために参考になりそうなエクササイズがいつくか紹介されていました。このうちのいくつかをAさんとのコーチングで実践してみようと思います。

コーチングのデザイン、結果については別途まとめます。


参考資料

  • 悪口ばかり言う人の末路とは? 上手く付き合う対処法
  • お局様とは?その典型例10選!彼女達の心理&いじめられた時の対処法も!
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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!