【ヘルスケアビジネスモデル41】coFFee doctors~医師の想いや人柄を伝え、医師とコミュニティを結びつける。医療情報や医師の診療以外の活動を発信するウェブマガジン~

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coFFee doctors~医師の想いや人柄を伝えるため、医療情報や医師の診療以外の活動を発信するウェブマガジン~

最初、何のためにやっているのか?がピンとこなかった不思議なサービスです。

coFFee doctors(コーヒードクターズ)は、医師へのインタビューから、気軽に「医療+α」が知れるウェブマガジンです。

「私服」の「医師」と「コーヒー」という異色の組み合わせで、医療情報や医師の診療以外の活動を聞いていきます。

医師監修のもと、医療のイメージを「難しい・分からない」から「親しみやすい・気になる」に変えていくのが目標とのこと。

「しあわせ」とは、みんなが健康的に生きること

coFFee doctorを立ち上げた医療法人社団やまと やまと在宅診療所 院長、 田上佑輔 先生の言葉です。

「お医者さんは敷居が高い。医療には見えない絶対的な境界線があって、踏みこむことができない。」と思ってました。coFFee doctorsは、そんな私たちの気持ちを「親しみやすい・気になる」というように変えていくのかもしれません。

実際にサイトを見てみると、下記のような記事が並んでいます。

タイトルと写真だけでも、それぞれの医師の想いや人柄が伝わってくるようで、身近な印象を与えています。


何故「coFFee Doctors」を立ち上げたのか?

田上氏の溢れる想いがヒントになります。インタビュー記事を抜粋します。

引用元↓

医師がいるだけではいけない。居続ける、閉ざされないモデル

やまと診療所は、志を共有する東京大学医学部同期の医師/安井佑氏と出資を折半し、登米市と東京都(板橋区)に同時に診療所を開設してスタートした。田上氏が登米市に、安井氏が東京に在住し、定期的に2人が入れ替わりながら在宅医療を展開していった。

「このスタイルが何を目指しているかというと、これまでにない、閉ざされない医療のモデルです。2つの拠点で、それぞれの地域で在宅医療を提供し続けることはもちろん重要ですが、もうひとつ、私たちの構想の重要なポイントは東京と登米市の間に医師の動き、交流の動線が確保され、維持されることです。

登米市での医療従事がすなわち登米市に居続けなければいけないことを意味する状況では、担い手候補には決死の覚悟が求められる。決死の思いで着任しても、その担い手がダウンしたり、ギブアップしたりすれば、次の担い手が現れるまで、またもや医療過疎になってしまう。その繰り返しでは、だめだと思いました」

開設から3年を経た2016年現在、登米市には常勤医も駐在するようになり、田上氏と安井氏の他にも数人の医師が東京と登米市の間を行き来するようになった。

東京都板橋区の診療所に続き、神奈川県横浜市の日吉、同じく川崎市の武蔵小杉にも診療所が誕生。

何人もの医師が、短期的に登米市を訪れるようになった。仙台の医療機関からも、医師がやってくるようになった。

ITを活用し、住民参加も促す「地域医療2.0@登米」

田上氏は、自らの取り組みであるITを活用した医療、住民参加型の地域医療を「地域医療2.0@登米」と表現している。

地域医療に取り組んだ医師の多くは、取り組みの結果、地域とのつながりを無視しては医療が成立しないことを理解するものだが、田上氏の構想には当初からその視点があったようだ。

2015年には、登米市の診療所から200mほど離れた商業地区にスペースを賃貸しコミュニティカフェ「coFFee doctors」をオープンさせた。

「地域医療に必要な多職種連携のネットワークを目指した勉強会(オープンメディカルコミュニティ<OMC>)を開催するうち、さまざまな人が常時交流できる場の必要性を感じ、このカフェの開設を考えました。

このスペースを利用したイベントは時とともに多彩になっています。カフェに来場してイベントに参加できない住民のために、ケアマネジャーや薬剤師がカフェで開催しているイベントを公民館などで開催する『出張カフェ』という活動も始まっています」

カフェと同じ「coFFee doctors」という名を持つWebサイトも開設し、医師による健康、医療、介護に関する情報発信も行っている。

これからの医師には、新しい仕組みを生み出す考えがあってもいい

田上氏は「これからの医師には、これまでとは違う新しい可能性があるはず」と模索したのだ。

「医師という職業は、仕事の大部分が整えられた医療制度の中で『与えられた仕事』です。それはそれで社会的意義があり守るべきことでしょうが、たとえばその部分を80%として、残り20%の余力では何かをつくりあげる努力をしてもいいのではないか。

新しい何かを生み出し、それを別の何かと組み合わせ、社会に資する仕組みに育てて行く。医師にも、そういったタイプの社会貢献ができるのではないかと考えるようになったのです」


まとめ:coFFee doctorsのビジネスモデルキャンバス

ここまで整理して、ようやく「coFFee doctors」の意義が分かってきました。

coFFee doctorsは、下記2つの顧客に対して、それぞれ別の価値を提供することで、両者を密接につなげることを狙ったソリューション、だと考えられます。

顧客 価値
患者さん、地域の人々 医者を親しみやすい存在と認識してもらう
医師 「これまでとは違う新しい何かを生み出し、社会貢献できる」という意識を持って、行動に移してもらう

それを実現するための仕組みが、「私服」の「医師」と「コーヒー」という異色でカジュアルな組み合わせと、医療情報や医師の診療以外の活動についてのインタビュー記事の配信です。

ビジネスモデルキャンバスにまとめるとこのようになります。

今回は最初、サービスの目的や価値がピンとこなかったので苦戦しましたが、ビジネスモデルキャンバスにまとめてみると面白いですね。


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参考資料

  • coFFee Doctorホームページ
  • 【読レポ】コーヒーを飲みながら、お医者さんと語らう週末
  • 地方での新しい医師の働き方やまとプロジェクト | 医療プロジェクト情報発信メディアdochub
  • 地方で働くドクターが考える”医療現場とテクノロジーの隔たり” 【やまと在宅診療所院長・田上佑輔氏】|イベントレポート
  • 田上佑輔先生(やまと在宅診療所 院長)のインタビュー記事
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1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!