【治療イノベーション】指先をセンサーにかざすだけで非侵襲で5秒で血糖値を測定できる血糖値測定、2021年の実用化近付く

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指先をセンサーにかざすだけで、5秒で血糖値を測定できる

  • 糖尿病患者がいつでも採血なしに血糖値を測定できるという画期的な新製品と保険制度の問題点

では、採血なしに血糖値を測定できる画期的な製品を紹介しました。

今回は、さらに画期的な非接触、非侵襲で血糖値を高精度に測定できるデバイスを紹介します。

指先を光にかざすだけで約5秒で高精度で血糖値を測定することができます。

数値はスマートフォンにすぐに転送され、血糖値の時間変化も容易に分かります。

引用元: https://industry-co-creation.com/catapult/43029


測定原理

中赤外レーザーが発する特定の波長帯の光を血液中の糖(グルコース)が吸収する性質を生かして、その吸収度合から濃度を測定する仕組みです。

これを実現したのが、世界で初めて採血することなく糖の血中濃度を測ることのできる自己測定式血糖値センサーです。

開発者はライトタッチテクノロジー 山川考一さんです。

もともと国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の研究員として、近赤外レーザーで巨大な電力を生み出すレーザー研究の第一線で活躍されていました。

ある時、近赤外レーザーで血糖を測ることができるという論文が30年前に発表されていたことを知り、社会に役立つために研究テーマを切り替えました。

近赤外線領域ではグルコース以外にさまざまな物質も光を吸収してしまうことから、山川氏は中赤外レーザーを使い、グルコースのみ吸収することを可能にしました

引用元:https://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word/2008/11/21/3196.html

同時に、新たなレーザー発振方法を開発することで従来の10億倍の輝度を持つ光を発生させることに成功。この成果によりグルコースだけを精度よく検出できるようにしました

これにより従来の血糖値測定の課題を解決する非侵襲の血糖値測定を実現しています。


従来の血糖値測定の課題

3種類の従来の血糖値測定方法の課題を整理しました。

方法 課題
自己血糖測定装置(SMBG)
  • 採血が必要
  • 常時血糖値をモニタリングできない
  • 医療廃棄物や消耗品のランニングコスト増加
持続血糖装置(CGM)
  • 1日数回キャリブレーションのため採血が必要
  • センサーを装着する必要がある。2週間でセンサー交換が必要
  • 医療廃棄物や消耗品のランニングコスト増加
採血なし自己血糖測定装置(FreeStyleリブレ)
  • 採血が不要だが、SMBGの方が精度が高い
  • センサーを装着する必要がある。2週間でセンサー交換が低い
  • 医療廃棄物や消耗品のランニングコスト増加

引用元: https://industry-co-creation.com/catapult/43029


自己血糖測定装置(SMBG)では、採血の都度(1日数回)痛みを感じ負担が大きく、また常時血糖値はモニタリングできません。

持続血糖装置(CGM)では、常時血糖値がモニタリングできるものの、キャリブレーションのため採血が必要で、痛みの負担は残ります。

採血なし自己血糖測定装置(FreeStyleリブレ)では、採血も不要となり痛みが大幅に軽減されました。それでも、センサーを装着する必要があり、装着時の痛みや違和感が残ります。

実際にセンサーを装着した時の違和感は下記のようなものです。

引用元: https://www.wakamatsu-cl.com/wp_blog_dr/kettousoutei1/

装着後は鈍い違和感があります。まあ針が留置されているので、ある程度は致し方ありません。痛くはないのですが引きつれるような重いような違和感です。少し痛いと感じる人もいるかも知れません。このセンサーは防水ですので風呂に入ることができます。実際に家に帰って風呂に入って寝る頃には慣れてしまい、それほど気にならなくなりました。

ただ、服を着たり脱いだりする時に引っかけないように気をつける必要があります。センサーが外れるような激しい運動は避けるように書いてありますが、テニスは問題なくできました。水泳や他人と接触するような運動は止めた方が良さそうです。


何故イノベーティブだと思うのか?

何といっても非侵襲で血糖値が測定できるため、全く痛みや違和感がない点がイノベーティブです。

さらに自己血糖測定装置(SMBG)や持続血糖装置(CGM)で発生する穿刺針やセンサーによる感染性医療廃棄物やランニングコストも不要となります。


人々の暮らしをどう変えるのか?

「すでにスマホサイズまでの小型化は技術的にメドが立っている」ということで、勤務中や旅行時にも、センサー等の違和感なく、採血不要でどこでも誰でもストレスなく血糖値を管理できるようになります。

私もお試しでCGMのセンサーをつけたことがありますが、大きくなくても装着時は違和感があり、風呂なども気を使いました。何も装着しない非侵襲の測定、というのはストレスの点からは非常にメリットが大きいと思います。


応用できる発想は?

レーザーを変えればさまざまな波長の光を出すことができ、コレステロール値などの検出も可能とのこと。応用の可能性が下図に紹介されています。

「さまざまな生活習慣病の予防にも貢献できる」期待の大きい技術です。

引用元: https://industry-co-creation.com/catapult/43029


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参考資料

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  • 「指に光」で血糖値測定、実用化近付く
  • ライトタッチテクノロジーは、非侵襲血糖値センサーで「子どもたちが採血で苦しまない世界」を実現する(ICC FUKUOKA 2019)【文字起こし版】
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1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!