【成長する人・組織15】マネージャーとして部門の年間予算目標を達成するプロジェクトの事例 ~成功の5つのポイント~

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製造ラインの課長としてチャレンジングな予算をどう達成するのか?

私が製造ラインの課長をやっていた時の事例です。

事例は生産量達成ですが、部門全体でチャレンジングな予算を達成するプロジェクトとして、営業予算達成等にも共通する内容ですので、紹介させて頂きます。

翌年、1つのラインで、過去最高の生産量の予算が課せられました

私がそのラインを含む課の課長になったのがその年の10月、わずか1ヶ月ほど前でした。直近ではSix Sigma/Leanの改善をやっていたものの、製造現場は全く初めて、50名の課員ともようやくコミュニケーションがとれ始めたような時期です。

まだまだ右も左も分からないような状況で、当初このラインの生産量のハードルの高さがピンときていませんでした


改善ワークショップで”やばい”と気づく

やばい、と感じたのは、11月に行われたLean AWOAction Work Out)という改善ワークショップでした。生産計画部門が翌年の生産量を考慮し、1週間のワークショップにこのテーマを選びました。必然的にリーダーは課長の私です。

目標は平均で35%の生産量アップ、これを10ヶ月連続で継続する、という過去にやったことがないレベルのチャレンジでした。

11月のワークショップは1つのターニングポイントでした。現状の能力とボトルネックがクリアに理解でき、とにかくボトルネック工程を中心に、この能力を最大化するような、プロセス、体制などを検討しました。1週間のワークショップで、構想ができあがり少し希望が見えてきました。


いよいよ実行フェーズ~5つのポイント~

そして準備を整え、いよいよ新年、チャレンジのスタートです。

構想はできていても、実際に実行していくのは大変です。

製造ラインなので、毎日、何かが起こっています。機械が故障で止まったり、人も病気になります。そんな中、ボトルネックの工程にばかり手厚く対応していると、そうでない工程から不満も出てきます。

もともとボトルネックの工程は、頑張っても生産量が上がらず、その割りに頭よりも身体を使うきつい職場で、他の工程の人からは、あの工程は駄目だ、というレッテルを貼られているような工程で、作業者のモチベーションが低い工程でした。

5つのポイント~組織マネジメントのポイント~

私がやった事は、下記に集約されます。これって実は組織のマネジメントに共通する重要なことですよね。

  • リソースの適切な配分(人、物、金)
  • コミュニケーション(行動を変える)
  • 躾(行動を根づかせる)
  • ギブ&テイク(部下を尊重し、部下の困り事を真摯に解決する)
  • ボトルネックを特定して、ボトルネックの能力を最大化(ボトルネックを中心に考える)プロセス改善

リソースの適切な配分(人、物、金)

一番目は、リソースの適切な配分です。

ボトルネックが明確になったので、そこを中心に人、物、金を配分しました。

具体的には作業員を多能工化して他工程からサポートに入れるようにしまし

また設備エンジニアを技術部門にお願いして優先的に配置してもらい、ボトルネック工程の停止時間を極力減らしました

行動を変えるコミュニケーション

次にコミュニケーション。

当該工程は、毎日、私自ら朝礼を行い、最新状況を確認し、当日の人員配置や優先事項などをコミュニケーションしました。

夜勤の間に状況が変わったりするので、毎日状況を確認し、その状況に基づいて優先事項を決めることは非常に有効です。これまで朝礼には課長が出ていなかったので、この朝礼は、作業員の意識と行動を変えるドライバーにもなりました。

行動を根付かせる躾

次に躾、作業者のモチベーションが低く、服装が乱れていたり、急に休んでみたり、といった状況がありました。

そこで課員全員に共通の作業着を新調し、だらしない服装の人間は注意しました。

また急な休みは他人に迷惑がかかるので、チームに迷惑をかけないことを徹底して言い続けました。

そして最も大事な点は、自分が模範となることでした。

例えば工場見学者には挨拶するように、とよく言われますが、そのためには、課長である自分が真っ先に大きな声で挨拶しないと課員も挨拶しませんまた約束は守る、時間は守る、服装はきちっとするなど基本的な躾を意識しました。

典型的な例では、ポケットに手を突っ込まないというのがあります。これは安全上のルールなんですが、冬など、ついついポケットに手を突っ込んでしまいますね。私は絶対にポケットに手を入れないように気をつけました

当時の部長から教わった言葉が心に残っています。

課員が50人いるので、100の目がお前(私)のことを見ている。課員の規律が乱れていれば、それはお前に何か乱れがあるからだ」。

これはマネジメントをする上での基本だと思っています。

ギブ&テイク(部下を尊重し、部下の困り事を真摯に解決する)

それからギブ&テイク。現場では毎日いろんなことが起こって、本当に困ることだらけです。

核燃料の製造ラインなので、ちょっとした改善にも制約があり、お金がかかります。現場だけでできることはすごく制限されていて、ちょっとしたことでも関連部門を巻き込んで検討する必要がありますそこは課長の仕事です。

一例として工程へのクーラー設置です。何だ簡単なことじゃないか、と思われるかもしれませんが、特殊な管理区域に設置しようとしたら、社内の安全委員会で承認をもらい、予算をとって、工事の面倒見て、と大仕事になります。

一事が万事、こんな感じなんですが、とにかく真摯に現場に向き合い、できるだけのことはやるように心掛けました。まさにギブ、ギブ、ギブ、ギブ、ギブの気持ちです。これが結果的には課員との信頼関係構築となり、少しづつ、課員の意識が同じ方向に向かい、チャレンジする集団になっていきました。

ボトルネックを中心に考えるプロセス改善

プロセスのアウトプットはボトルネック工程のアウトプットで決まります。他の工程がいくら頑張っても、ボトルネックの工程のアウトプットが上がらないと、全体のアウトプットがあがりません。

そうすると頑張りが評価につながりません。

当初は、ボトルネック工程ばかり注力して、贔屓じゃないのか?といった不満もありました。でも最終的に全体のアウトプットが上がり、課全体の評価につながってくると、次第に課員の理解が得られるようになりました

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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!