【AI×ヘルスケア】既存データの利活用によるヘルスケアサービス~1. MRI画像から認知症の早期発見、2.健康診断の血液検査データから認知機能評価、3. 過去の蓄積された定期健診データから3年後の検査値を予測~

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AI×ヘルスケア~既存データの利活用によるヘルスケアサービス

先週2つのセミナーに参加しました。

  • クロスヘルスEXPO2019
  • BioJapan2019

AI×ヘルスケア関連の講演や展示が多くありました。その中でも特に既存のデータを利活用したヘルスケアのサービスを3つ紹介します。


MRIデータを使って認知症を早期発見(ERISA)

参考資料:認知症を早期発見

島根にあるERISAが島根大学と共同で開発しているMRI画像を活用した認知症の早期発見ソリューションです。

ターゲットは軽度認知症(MCI)の診断です。

MCIは認知症の予備群であり、早期発見や適切な取り組みにより認知症の発症の抑制が可能となります。

一方で、現在はMCIを高感度で診断する方法は存在しません

さらにMCIのうち、実際に認知症を発症するのは30%で、進行しない7割を識別することを狙ったプログラムです。

脳のMRI画像のうち、T1画像といわれる構造画像をAIに学習させ認知症判別プログラムを作成しています。

その結果、健常人と認知症患者の判別は、判別制度94%を達成しています。

また、MCIから3年後にアルツハイマー病へ進行する症例については、88.9%の高精度で予測が可能です。

これは従来法のMRIを用いた早期アルツハイマー型認知症診断支援システムVSRADの精度70.6%と比較してはらるかに精度が高い結果となっています。

今回のプログラムは、脳全体の画像データを見ているために精度が高いとの説明でした。

このプログラムはすでにシステムとして島根大学で実装されています。電子カルテと連動し、MRIデータを自動解析し、結果が送信されます。


健康診断の血液検査データから認知機能評価(ハルメク・ベンチャーズ)

これは、健診で行った一般血液検査の結果を入力するだけで、認知機能を評価するサービスです。

MMSEスコアを推定することで、認知機能を評価します。

他検査と異なり、すでにある一般血液検査の結果を活用するだけなので「検査負担ゼロ」となります。

費用についても、数百円~1千円台の想定で安価ですが、BtoBを想定していて、一般ユーザーは無料になるビジネスモデルを想定しているとのことでした。

確かに、自分で検査して認知機能の低下が分かった時、どう対処したらよいのか具体的な対策が難しいので、自ら検査するのは躊躇しそうです。

その点、下記のBtoBの方がニーズがありそうです。最後の「高齢者の再雇用の条件として認知機能評価を行いたい」

業種 ニーズ
生損保 認知症損保の付帯サービスとして認知機能評価を提供したい
自治体 市民の認知機能リスクを測って、早期対策を促したい
健保 高齢組合員の認知機能リスクを測って、早期対策を促したい
介護福祉 入居者の認知機能リスクを測って、早期対策を促したい
企業 高齢者の再雇用の条件として認知機能評価を行いたい

最後の「高齢者の再雇用の条件として認知機能評価を行いたい」というのは雇用する側からすれば当然ですが、雇用される側からするとちょっと嫌ですね。


過去の蓄積された定期健診データから3年後の検査値を予測(NEC)

参考資料:

過去の健診実績データから、1年~3年後のデータの予測を出力してくれます。

予測するのは、以下の9種類の検査値です。

  • 体重
  • 腹囲
  • 収縮期血圧
  • 拡張期血圧
  • HbA1c
  • 空腹時血糖
  • HDL
  • TG
  • LDL

また、生活習慣をどのように変えれば、この予測データがどう変動するのか?何が検査結果の変動に一番きくのか?をシミュレーションできます。

これは生活習慣改善に効果があるな、と思いました。

自分もそうですが、検査値に異常がない時には全く関心がありません。兆候が見られて初めて生活習慣を変えようと意識し始めます。3年後の悪い検査結果を実際に目の当たりにすれば、3年経つ前に、生活習慣を変えようという意識になりますね

すぐにでも試してみたいと思い、ブースで質問したところ、BtoBを想定していて、企業や健康保険組合などがターゲット顧客とのこと。残念です。

また5年とか10年先は、予測精度が不十分とのことで、現在の最長は3年にしているとのこと。こちらもより長期の予測ができるようになることを期待します。


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1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!