【ヘルスケアビジネスモデル2】医療界の怪物「エムスリー」のビジネスモデル(その2)日本国内の医師の80%が会員として利用する圧倒的な囲い込みサービス「MR君」のビジネスモデルキャンバス

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MR君のビジネスモデル

「医療界の怪物「エムスリー」のビジネスモデル(その1)日本国内の医師の80%が会員として利用する圧倒的な囲い込みサービス」

に引き続き、今回は「MR君」のビジネスモデルキャンバスを描きます。

MR君のビジネスモデルは、簡単にいうと、

「人界戦術型の医薬品メーカーのMR(医薬情報担当者)を、ネットに代替させるビジネス」

「製薬企業はMRの業務を効率化したい」「医師は有益な情報を得たい」、という双方のニーズを満たすことで日本のドクターの80%と繋がりを築いて急成長しました。

ドクターの80%が参加するほど爆発的に広まったポイントは2つあります。(下記記事参照)

エムスリー稼ぎ頭部門長に聞く「最強の戦略」【MR君編】

MR個人から会社を代表するスーパーMRへのモデルの転換

当初は、MRがツールを使って自らメッセージを発信するモデルだったが、医師はいつも会っているMRだけではなく製薬会社の本社のより研究開発に近い情報も欲しい。そこで、会社を代表して“スーパーMR”がたくさんの医師に自社医薬品のメッセージを届けるモデルに転換した。

認知を広め、継続利用してもらうための、ドクターのコミュニティで、生の活用できる情報を共有

「われわれのサイトは、ユーザーである医師自身がどんどんコンテンツを増やしてくれるメディアです。とりわけ、ユーザー拡大の大きなきっかけになったのがコミュニティの存在ドクターの書き込みがあれば、その書き込みを見に、ほかのドクターもやってきますから

ドクターがやってくれば、今度は、製薬会社がドクター向けの情報をより流そうとする。製薬会社が良い情報を流すと、その有効なコンテンツを求めて、またドクターが集まってくる。そんな、インターネットメディアのポジティブなスパイラルに入っていき、会員が増えていった。


MR君のフィー体型

「MR君」のフィー体系は、製薬会社がこのサービスを利用する基本料、医師に何件のメッセージを送るかと連動する送信料、コンテンツ作成料を支払う仕組みだ。

単に情報を仲介するだけでなく、コンテンツ製作も請け負うところがエムスリーの強さだ。


MR君のビジネスモデルキャンバス

これまでの情報をたよりに描いたビジネスモデルキャンバスです。

面白いポイントは以下3点です。

  • 顧客がリソース

最大の価値は、生きた情報ですが、この情報の提供者(リソース)が製薬会社と医師。つまり顧客。顧客である製薬企業からお金をもらって価値となる情報ももらってしまう。すごいビジネスモデルですね。

  • それを可能としている製薬会社に対する圧倒的な価値提供(コストパフォーマンスと医師へのアクセス性)
  • 医師を囲いこむための医師自身の生きた情報を共有するコミュニティの工夫

エムスリーが医療界の怪物といわれる一端が理解できました。ただまだこれは第1の成長エンジンです。

これ以外にも海外進出や、第2の成長エンジンである、リアルオペレーション、第3の成長エンジンである先端医療分野への進出など、凄さは計り知れません。次はリアルオペレーションの「治験君」のビジネスモデルキャンバスを描いてみようと思います。

このようにビジネスモデルを調べて、キャンバスを描こうとすると、いろいろ情報を調べますし、キャンバスに描くことですごく理解が深まります。

他のヘルスケアビジネスについても、ビジネスモデルキャンバス描いてみます。


ヘルスケアビジネスモデルの事例

  • 【ヘルスケアビジネスモデル2】医療界の怪物「エムスリー」(その2)日本国内の医師の80%が会員として利用する圧倒的な囲い込みサービス「MR君」のビジネスモデルキャンバス
  • 【ヘルスケアビジネスモデル3】医療界の怪物「エムスリー」(その3)第2の成長エンジン 治験オペレーションの治験ビジネスモデル
  • 【ヘルスケアビジネスモデル11】「集合知により医療を再発明するメドピア」徹底的に医師の目線にこだわる医療専門”食べログ型”SNS vs エムスリーのMR君は”ぐるなび型”
  • 【ヘルスケアビジネスモデル4】ロボット支援手術のカテゴリーキング~15年以上も市場を独占するdaVinciのビジネスモデル~
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ABOUTこの記事をかいた人

1969年生まれの50歳、会社員。自称「お困りごと解決士」。会社では多くの人がいろんな事に困っています。プロジェクトが進まない、トラブル対応で早急に対策をとらないといけない、業務効率をあげたい、新しいシステムを入れたい、売上をあげたい、コストダウンしたい、など。そんな時、必ず頼りになるのが私です(笑) 元々は核燃料のエンジニア。30歳を過ぎてから社内で様々なプロジェクトをリード、コーチングするプロジェクト屋になる。多くの人を巻き込みながらプロジェクトをリードすることが得意です。オペレーショナル・エクセレンス(Operational Excellence、略してOpEx)、プロジェクト・マネジメント(Project Management)、チェンジマネジメント(Change Management)のエキスパート。どうすれば皆さんのお困りごとを解決できるのか?日々学んでいることをまとめています!