関係の質を高め一気に大勢の人の共感を醸成、相互理解を得られるワークショップを活用しよう~ワークショップデザインのやり方、具体例、秘訣・ヒントをまとめます~

ワークショップ

最近社内でワークショップをファシリテーションすることが多くなりました。

自ら仕掛けることもありますが、依頼されることも増えてきています。

  • 「年度のはじめにビジョンを作成したい」
  • 「新しい組織で一体感を醸成したい」
  • 「女性の活躍についてメンバーで楽しく議論しながら次のアクションを決めたい」
  • 「働き方改革について学びながら、チーム内でアクションを議論したい」
  • 「アイデア出しのワークショップをやりたい」
  • 「自社とベンダーとより密接に協働するために相互理解を図りたい」
  • 「皆さんがワクワクするようにイノベーションについてのワークショップをやりたい」

など、様々なワークショップをデザイン、実施してきました。

ワークショップの醍醐味は、一気に大勢の人の共感を醸成し、相互理解を得られることです。メンバー全員が共通認識をもって、よし、やるぞ!という意識を創り出すことができます。


ワークショップデザインのやり方

それぞれのワークショップは、ワークショップ毎にデザインしています。

ワークショップのデザインなんて難しい、と思われる方もいらっしゃると思います。私も最初はそうでした。でもそんなに難しいことはありません。そのデザインのやり方、コツ、ヒントをまとめます。

全体像はたった1枚(下図)にまとめることができます。


イノベーション対話ツール

私は慶應大学SDM(下記リンク参照)でイノベーションを考えるためのワークショップのデザインのやり方を学びました。

慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)のウェブサイトです。
SDM|慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 - www.sdm.keio.ac.jp

詳細は「イノベーション対話ツール」(下記リンク参照)にまとめられています。

この「イノベーション対話ツール」は、イノベーションに限らず、議論を活発に行い、何か結果を出したい全てのワークショップに活用できる万能な方法論です。

私がワークショップをデザインする時には、これをベースにしています。

目的、方法、手法3つレイヤーで考えます

目的

「何のためにやるか?」を明確にすることが一番最初です。

言われてみると当たり前の話なんですが、皆さん、意外に目的が曖昧なまま具体的な手法を考えてしまっていませんか?「何のためにやるか?」をはっきり・くっきり明確にすることが最も大切です。

方法

2つ目のレイヤーは方法論を考えることです。具体的には、議論をどう発散、収束させるかを考えることです。

  • 【ファシリテーション3】たったこれだけ?ファシリテーションの実践ポイント!発散、収束、見える化

ファシリテーションとは?役割と必要な心構え皆さん、ファシリテーション、という言葉はよく耳にすると思いますが、何だと思いますか?私自身は、「潤滑剤としてチームの成果が最大化するように支援・促進すること」と考えています。ちょっと概念的なので具体的なイ...
日常業務にすぐに活用できる実践的ファシリテーションの秘訣・コツ!~極意はたっ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

で、ファシリテーションのポイントも発散、収束と紹介しました。

ワークショップも同じです。多様な意見を出してもらい発散し、そこから議論を収束させて結論を導きます。

この発散と収束を組み合わせることで、参加者の共感を醸成し、相互理解を深めることができます。さらに、新たな気づき、切り口(インサイト)も得られます。

自分達が思いもつかなかったアイデアが出て、おおっという結論が出ることを目指してデザインします。

ワークショップの議論の内容や結果が、自分の想定範囲内ならば、ワークショップで多くの人の時間を使う必要はありません自分の想定を超えて、おおっ、これは面白い、すごい、という議論ができ、参加者の共感が得られてはじめてワークショップの成功と考えています。

手法

方法論で決めたステップに、具体的なツールややり方をはめていきます。この時、具体的なツールややり方を考えることで、方法論のデザインを変えることもあります。方法論⇔手法を互いに行ったりきたりしながら、具体化していきます。

多くの場合は、ツールをある程度頭の中にイメージして、方法論と手法を同時に考えていきます。

イノベーション対話ツールを活用したワークショップの具体例

下記に「イノベーション対話ツール」に沿ってデザインしたワークショップの実例をまとめました。是非ご覧ください。

  • イノベーション対話ツールを活用したワークショップデザインの具体例~目的を明確にして、発散と収束を組み合わせることで結論に導く~ポイントと実例を紹介

ワークショップのデザインの方法論「イノベーション対話ツール」私は慶應大学SDM(下記リンク参照)でイノベーションを考えるためのワークショップのデザインのやり方を学びました。詳細は「イノベーション対話ツール」(下記リンク参照)にまとめられています。この...
イノベーション対話ツールを活用したワークショップデザインの具体例~目的を明確... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)


ワークショップに活用できるメソッド

ワークショップのデザイン「イノベーション対話ツール」に沿ってデザインしますが、それだけでは質の高いワークショップをデザインすることはできません。

多くのメソッド、ツールを知っていることでデザインの幅が広がり、質も上がります

私がワークショップをデザインする上で、活用しているメソッドをいくつかまとめます。

チェンジマネジメント

私はGEにいた時代にCAP (Change Acceleration Program)というチェンジマネジメントの手法を学びました。詳細は下記スライドをご覧ください。

< Change Acceleration Process ive (CAP) ect Eff The Key to Change
GE CHANGE MANAGEMENT(CAP) - www.slideshare.net

一言でいうと「人をその気にさせる」ための手法です。

組織の中では、何か改善する、新しい仕組みを導入する、組織変更、異動、役割変更、など常に変化があります。でも多くの人は変化に対して多かれ少なかれ躊躇や抵抗があります。この躊躇や抵抗を和らげ「その気にさせる」のがCAPなどのチェンジマネジメントです。

このチェンジマネジメントの「その気にさせる」考え方やツールは、人の共感を醸成、相互理解を得るためのものものなので、ワークショップに大変有効です。

Read For Action

Read For Actionは参加者が本から新たな知識・刺激を受けるだけでなく、参加者同士の会話より一気に共創の場が醸成されます。

またアイデア出しや発想の転換などが必要な場合、本を読むことで視点が一気に広がり簡単に発散ができます

「Read For Actionは共創の場づくりとしてのプラットフォーム」であり、これを知ることで、ワークショップデザインの幅が広がり、質も大きく向上しました。

最近のワークショップで積極的に活用しています。

Read For Actionについては下記記事を参照ください。

  • 【Read For Actionその3】まねっこでRead For Actionやってみました。効果抜群です。学び、共創するチームへ活性化する感じを味わいました。

見よう見まねですが、会社でRead For Actionやってみました。参加者は私を含めて4人、題材は「スマホで始まる未来の医療~病院にiPhone 3,400台超を導入」です。私は以前に読んでいますが、他の3人はその場で初めて本を開くような状態です。実施前に次のようにデザイ...
【Read For Actionその3】まねっこでRead For Actionやってみました。効果抜群です... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

  • 【Read For Actionその7】本は人をつなぎ、力に変える~Read For Actionの認定ファシリテーター講座を受講しました~

Read For Action認定ファシリテーター講座昨日、Read For Action(RFA)の認定ファシリテーター講座を受講しました。これまで2回ほどRFAを見よう見マネでやってみて、これは凄いぞ、と感じるようになったからです。 1時間くらいの短時間で本が読める 参加者と対話...
【Read For Actionその7】本は人をつなぎ、力に変える~Read For Actionの認定ファ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

Forthメソッド

Forthメソッドとは、組織内の様々な障害を乗り越えてイノベーションを起こすプロセスを体系化した手法です。イノベーションのメソッドですが、発散、収束をベースとしているので、その考え方やツールはワークショップに大変有効です。

Forthメソッドについては下記記事を参照ください。

  • 組織内の様々な障害を乗り越えてアイデアを実現する~組織内でイノベーションを起こすプロセス~Forthメソッドその1

イノベーションを起こすためには組織内の様々な障害を乗り越えるプロジェクトマネジメントが重要 実はこの本、3年ほど前に購入し、ほとんど読まないまま本棚に眠っていました。何故ならら、最初にこの本をパラパラと見たところでは、正直、デザイン思考などの既...
【Forthメソッドその1】組織内の様々な障害を乗り越えてイノベーションを起こすプ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

  • 組織内の様々な障害を乗り越えてアイデアを実現する~組織内でイノベーションを起こすプロセス~Forthメソッドその2

Forthメソッド入門講座Workshop昨日、Forthメソッドの入門講座Workshopに参加しました。この写真は、参加者が本をパラパラとめくって著者に聞きたいことを質問として書き出し、その答えを別の参加者が探して整理し、共有したものです。1つの質問が黄色の付箋紙1枚に...
【Forthメソッドその2】組織内の様々な障害を乗り越えてイノベーションを起こすプ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)


ワークショップ実例

イノベーション対話ツールをベースに、チェンジマネジメント、Read For Action、Forthメソッドなどの方法を組み合わせると、様々なワークショップのデザインが可能となります。実例をいつくかご紹介します。

ワークショップ実例1:組織のビジョンを作成する

  • ビジョンを言葉に凝縮~組織のビジョンを四字熟語にしてみよう~楽匠軸攻の事例

ビジョン作成ワークショップのデザイン「楽匠軸攻」が、どのようにできあがったのかを紹介します。もう2年ほど前になりますが、2つの会社が一緒になって異なる文化を持つ人々が同じ組織で仕事をするようになったので、その組織のベクトルを合わせるために組織毎に全...
ビジョンを言葉に凝縮~組織のビジョンを四字熟語にしてみよう~楽匠軸攻の事例 - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例2:部門を越えて関係の質を高め働きやすい職場を作る

  • 「関係の質」を向上させ、成功の循環モデルを回そう!~複数部門にまたがる対話ワークショップで働き易い職場を作るためのアクションを決める~

複数部門にまたがる対話ワークショップ3回立て続けに、複数部門にまたがる対話ワークショップをファシリテーションしました。従業員アンケートやインタービューの結果から、 自分の業務を遂行することが容易でない コミュニケーションがよくない 部門間の壁などと...
「関係の質」を向上させ、成功の循環モデルを回そう!~複数部門にまたがる対話ワ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例3:自分が成長する成長マインドセットを養おう

  • 【学びと成長3】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~どうして過ぎ去ったことのこだわるのか?人のせいにするのか?ワークショップのデザイン

どうやったらチームに成長マインドセットを養うことができるのか? どうやったら4年で人が入れ替わる大学スポーツで9連覇もできるのか?~自ら学び、行動し、成長する組織を作る~「常勝集団のプリンシプル」でも書きましたが、「自ら学び、行動し、成長する組織」...
【成長する人・組織3】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~どうして過ぎ去... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

  • 【成長と学び9】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~ワークショップ実施しました!

悩み成長マインドセット~心のブレーキの外し方~ 【学びと成長3】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~どうして過ぎ去ったことのこだわるのか?人のせいにするのか?を元に、「成長について考えるワークショップ」を実施しました。4名×5チームの計20名が対...
【成長する人・組織9】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~ワークショップ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例4:自分たちにとっての働き方改革を考えよう

  • 【Read For Actionその8】働き方改革の新しい視点を得るためのRead For Actionのデザイン~ぐるぐる視点を増やそう~

視点を増やすための「ぐるぐる読書会」1/23に20数名でRead For Actionを行います。今日はそのデザインを考えてみました。テーマ『働き方改革・自分の仕事のやり方について視点を広げよう』テーマ選定が重要だということを学んだので、最初にテーマを設定しました。『...
【Read For Actionその8】働き方改革の新しい視点を得るためのRead For Actionのデ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

  • 【Read For Actionその9】23名5チームでのRead For Action成功事例~働き方改革・自分の仕事のやり方について視点を広げよう~

23名5チームでのRead For Action「働き方改革・自分の仕事のやり方について視点を広げよう」昨日、会社で23名参加の大がかりな Read For Actionをファシリテートしました。テーマは、「働き方改革・自分の仕事のやり方について視点を広げよう」です。ワークションデ...
【Read For Actionその9】23名5チームでのRead For Action成功事例~働き方改革・... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例5:女性営業が成長し長く活躍できる会社を創る

  • 働き方改革(その16)女性営業が成長し長く活躍できる会社を創る~子育て支援に熱心な企業ほど女性が活躍しにくくなるジレンマ~

ダイバーシティの推進様々な会社で、女性比率、女性管理職の比率を上げる、いわゆるダイバーシティ推進活動が盛んです。私の会社は、比較的ダイバーシティが進んでおり、育児休暇の制度、短時間勤務、在宅勤務などの制度も整っています。本社では女性の方が多いかも...
働き方改革(その16)女性営業が成長し長く活躍できる会社を創る~子育て支援に熱... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例6:チームワークを高め、仕事をやりやすくしよう

  • アイデア発散に効果的な「なりきりブレスト」と収束に効果的な「What, How, Whoでアイデア具体化」

ハイス・ファン・ウルフェンさんのイノベーショントレーニング受講!5/28日に、Forth Innvotion Methodで有名なハイス・ファン・ウルフェンさんの1日のイノベーションコースを受講しました。保守的な大企業の文化をイノベーティブな組織に変革する方法〜START INNOVA...
アイデア発散に効果的な「なりきりブレスト」と収束に効果的な「What, How, Whoで... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例7:ペイシェントジャーニーを作る

  • 【ペイシェントジャーニー1】ペイシェントジャーニーマップの作り方:実際にファシリテーションする前に整理してみました。

ペイシェントジャーニーマップとは?ペイシェントジャーニーマップ作成のファシリテーションをすることになりました。そもそもペイシェントジャーニーマップとは何でしょうか?私の理解は下記です。患者がどのように、その病気について認知し、関心を持ち、どのよう...
【ペイシェントジャーニー1】ペイシェントジャーニーマップの作り方:実際にファシ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

  • 【ペイシェントジャーニー2】ペイシェントジャーニーマップ 実際に作成してみました。やはり一目瞭然、ポイントや課題がよく分かりました。

ペイシェントジャーニーマップの作成「ペイシェントジャーニーマップの作り方:実際にファシリテーションする前に整理してみました。」での準備に基づき、実際にペイシェントジャーニーマップを作成しました。準備したものをベースに、様子を見ながら少し修正を加え...
【ペイシェントジャーニー2】ペイシェントジャーニーマップ 実際に作成してみまし... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例8:顧客目線で心房細動を理解しよう~ペイシェントジャーニーを描く~

  • 【心房細動2】ワークショップでペイシェントジャーニーを描く~心房細動って何?情報がばらばらで全体が理解できない。病院行っても対応は千差万別、どうすればいいの?~

ワークショップデザイン 心房細動って何?一生のうち4人に1人がかかる。3人に1人は自覚症状がないが、脳梗塞や心不全を引き起こす恐ろしい病気(サイレントキラー)で自分が一通りやったことをワークショップで実施しようと考えていました。ところがリーダーに詳し...
【心房細動2】ワークショップでペイシェントジャーニーを描く~心房細動って何?情... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)

ワークショップ実例9:GEの「ワークアウト」衝撃のスピード感と躍動感が生まれる問題解決ワークショップ

GEのワークアウトとは?衝撃のスピード感と躍動感が生まれるワークショップ本日はGEネタです。「ワークアウト」と呼ばれる問題解決型ワークショップです。私がワークアウトを経験した2000年代前半ですが、最初のワークアウトは衝撃でした。半日ぐらいのワークショッ...
GEの企業変革のベースとなるワークアウトとは?衝撃のスピード感と躍動感が生まれ... - 楽匠軸攻(らくしょうじっこう)


参考資料

  • イノベーション対話ツール 文部科学省

  • GE CAP (Change Acceleration Process)

< Change Acceleration Process ive (CAP) ect Eff The Key to Change
GE CHANGE MANAGEMENT(CAP) - www.slideshare.net




【成長する人・組織9】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~ワークショップ実施しました!

悩み成長マインドセット~心のブレーキの外し方~

を元に、「成長について考えるワークショップ」を実施しました。

4名×5チームの計20名が対象です。

新しく部門横断的にできたバーチャルのカウンシルの第1回目ということで、ざっくばらんに成長について考えるワークショップです。


ワークショップの設計

下のステップで進めました。

お互いに知り合う・共感する

子供時代の性格、中高生時代の思い出、仕事に関する最高の体験など、通常の自己紹介では語らない、その人の本質を開示し・共有する。

その結果出てきた「仕事をする上で大切にしたい価値観」を共有する。

成長の理想の姿をイメージする

成長のイメージを洗い出し、自身のアイスバーグを描く。

成長のブレーキ”悩み”の外し方を考える

成長を阻害するブレーキ”悩み”を洗い出し、その外し方を考える。

  • 過去に判断したこと、今さら悩んでもしょうがないことに悩んで今の仕事に集中していない
  • 関心の輪、影響の輪を描くことで自責を強く意識する

自らの成長に向けたアクションを考える

1年後の自分を想像し、具体的なアクションを宣言する

重要なポイントと気づきを整理していきます。


あなたにとって成長とは何ですか?

『あなたにとって成長とは?』というお題でブレストしました。

合計20人のアウトプットを、成長のアイスバーグの4階層に分類したのが下図です。

やはり一番多いのが一番上の階層の「能力・スキル」

次に多いのが「ふるまい・習慣・行動」

一番少ないのは一番下の階層の「意識・想い・人生哲学」

ということで、逆三角形の形になりました。

やはり多くの人は目先のスキル・能力に注目しがちで、なかなか深い階層の「意識・想い・人生哲学」には意識が向かない、ということですね。

それだけ、理想のアイスバーグのバランスと実際の意識にはギャップがあるわけで、これに気づくだけも大きな気づきでした。


あなたの「悩み」は?

成長を阻害する”悩みブレーキ”を考えるため、【あなたの「悩み」は?】というお題で悩みを洗い出しました

「後戻りできない、今さら悩んでもしょうがないこと」に悩んで今の仕事に集中していない

過去に判断したことに対して悩んで仕事に集中していない」については、その悩みを洗い出し、今さら悩んでも仕方ないと割り切ることが大変有効です。

期間限定、例えば半年、1年と区切って、その期間はブレーキを踏まない覚悟で頑張りませんか?と覚悟を決めることです。

洗い出した「悩み」から、「後戻りできない、今さら悩んでも仕方のないこと」を分離したものが下図になります。

私が予想したよりは少なかったですが、これを明確にして割り切る、というのは多くの参加者が納得していました。

関心の輪と影響の輪「影響の輪」を大きくする

残った「悩み」を下記2つに分類しました。

  • 関心の輪:自分では解決するのが不可能、困難な悩み
  • 影響の輪:自分で解決することが可能な悩み

これをもとに、

  • 「自責10%の人」と「自責80%の人」で行動にどんな違いが生じるのか?
  • 「関心の輪」はどう対処したらよいのか?

という点についてチーム内で議論しました。

議論することで、

  • 「他人のせいにせず、自分ゴトとして考えること」
  • 関心の輪に対しては、自分のできることをやって影響を与えること(関心の輪を大きくする)

ことの重要性を認識してもらえたかな?と感じています。


まとめ

気づき、発見

参加者から出てきた気づき、発見をまとめました。(下図)

  • 悩みを分類することが大事
  • 悩んでもしょうがないことに悩まない
  • 当事者意識を持つ
  • 自分が変われば環境も変わる

など、皆さんに感じてもらいポイントが出ていて、とても嬉しいです。

仕事の上での本当の悩みが出たのか?

「悩み」の内容を見てみると、プライベートなことや、環境など外的要因が多いことに気づきます。

当初の狙いは、仕事上の具体的な課題やその人の考え方や意識、感情によって発生している心の悩みを出したかったのですが、この点は反省点です。

たくさん出すことを優先したので、悩みを自由に出してください、とファシリテートしたためですが、次回以降、軌道修正が必要です。

「範囲は仕事に限定し、かつ日常の具体的な仕事を思い浮かべて課題や悩みを出す」

そんなファシリテーションにしようと思います。


学びと成長に関する記事




【成長する人・組織3】成長マインドセット~心のブレーキの外し方~どうして過ぎ去ったことのこだわるのか?人のせいにするのか?

どうやったらチームに成長マインドセットを養うことができるのか?

でも書きましたが、「自ら学び、行動し、成長する組織」を作りたいと考えています。

そのためには、成長マインドセットが重要だということは、よく理解しています。

また、固定マインドセットの人でも、トレーニングにより成長マインドセットへ変えることができる、ということも知っています。

でも、実際自分のチームメンバーにどうやって成長マインドセットを養えばよいのでしょうか?

と考えると、具体的にアクションできるほどイメージできません。


チームメンバーの振る舞い・意識についての課題

このところチームメンバーの振る舞い・意識で気になることがありました。

他人任せ

で、チームでビジョンを作成し、ビジョン達成のための改善策を出しました。

その改善策が、

  • システムを導入する
  • 人員増強
  • 他事業部へサポートを申し入れ

など、要望は出すけど、あとは他人任せ、と感じるものが多く出ました。

予算の話や、他事業部との交渉など、最終的にはチームリーダーがやるべき仕事ではありますが、そこまでに必要性をまとめたり、裏付けデータをとったり、自分たちで主体的で動くべきことがたくさんあります。そこが抜けているんですね。

これでは、最終的にリーダーも動いてくれませんし、個人の成長もありません。

過去に判断したことに対して悩んで仕事に集中していない

私のチームは、約1年前にできた施設に勤務しており、全員が執務場所が変わりました。その際、転居を伴った転勤になったメンバーや、通勤時間が遠くなったメンバーなどがいます。

また交通の便がちょっと不便で、最寄りの駅まで暗い夜道を歩いたり、と通勤環境が異動前と比べて低下しました。

そういった不便さを考慮して、異動時には処遇の見直しを行いました。

異動時の通勤距離によって、社宅が認められたり、自家用車通勤が認められたり、ベース給アップが認めらたり、と人によって見直し内容は異なります。

全員一律ではありませんが、客観的にみると公平かつ、損のない見直し内容です。

ところが、あるメンバーが、通勤時間が2時間半になるのに社宅が認められない、帰宅が遅い場合に最寄り駅までタクシーが認められない、といった他人との条件の違いが積み重なり、精神的に不安定な状態となっています。

通勤は毎日のことなので、気持ちは分からないこともないですが、明らかに業務に集中できていません。

一度本人と話をしましたが、頭では分かっているけど、気持ちがどうにもならない、ということでした。


成長マインドセット~心のブレーキの外し方~

チーム内で具体的な課題もあり、さあ、どうしようかと考えていた時に、課題を解決するためのドンピシャの本に出会いました。

成長マインドセットー心のブレーキの外し方「吉田 行宏 著」

この本では、実際に誰もが悩むようなシチュエーションがストーリーとして描かれています

主人公が謎のカフェオーナーにメンタリングを受けるという流れで物語形式でストーリーが進みます

メンタリングに出てくるケースが、実際に誰もが悩むような状況を表していて、その悩みを整理する図が非常に分かりやすいため、すごく腹落ちします。

また、一連のケースや図は、すべてWebサイトに公開されています

本全体が素晴らしい内容ですが、ここでは自分自身の課題に一番フィットしたポイント5点をご紹介します。


アイスバーグ~成果はあくまで結果、その下には3つの項目が隠れている~

結果を出すためには、能力・スキルが必要ですが、それだけでなく、日常のふるまいや、意識が重要です。

意識の中ではそんなの当たり前じゃないか、と思っているのですが、それを具体的に意識することはなかなか難しいな、と思っていました。

そのお悩みを解決するのが、この図です。

「組織のビジョンを達成するために、皆さん自身に必要な、スキル、ふるまい、意識は何でしょうか?思いつく単語をそれぞれの層に記入してください。」

書き出してみると、能力・スキルだけでなく、日常のふるまいや、意識で、どんなことが重要なのか?今、自分に何が欠けているのか?がよく理解できます。

この気づきが重要です。


成長の地図と心のブレーキ

「成長とはアイスバーグをバランスよく大きくすること」

これも非常に分かりやすいです。

それ以上に私の心にヒットしたのは、「心のブレーキ」です。

「成長」と聞くと、「アクセルを踏むこと」ばかりをイメージしていました。

ところが、人はアクセルを踏みながら、それ以上に「ブレーキ」を踏んでいる

このブレーキを意識して、ブレーキを踏まないようにすることが成長につながる、というのは正に目から鱗が落ちる感じでした。

それを表したのが下図「成長の地図」です。

心のブレーキは2つあります。

  1. 悩みブレーキ
  2. 大きな子供ブレーキ


悩みブレーキ

2つあるブレーキのうち、今の自分の組織の課題にぴったりだったのが、「悩みブレーキ」です。

課題は下記2つです。

  • 過去に判断したことに対して悩んで仕事に集中していない
  • 他人任せ

最初の「過去に判断したことに対して悩んで仕事に集中していない」ついては、三叉路理論が使えます。人生は、三叉路のように都度道を選択しながら進んでいます。

でも、先に進んだあとに、すでに通過した三叉路の別の道のことを考え、悩むことがあります

この悩み、迷いが大きなブレーキです。

「過去に判断したことに対して悩んで仕事に集中していない」は正にこの状態です。

こうなると、目先のことに集中できずパフォーマンスがあがりません。

そうすると、更に過去の判断に悩みや迷いが深くなり悪循環となるのです。

これを防ぐには、期間限定、例えば半年、1年と区切って、その期間はブレーキを踏まない覚悟で頑張りませんか?と覚悟を決めることです。

確かにそうですね。期間限定であれば頑張ってみようという気持ちになりますね。

もう一つ、この期間限定で覚悟を決めることのメリットがあります。

それは覚悟を決めて挑戦することで、障害を乗り越える力が身につくことです。

  • 悩んでいるなら、別の道を用意しましょうか?
  • 引き返しましょうか?

では、この障害を乗り越える力は身につかず、仮に道を変えることで一旦は悩みがなくなったとしても、またすぐに次の三叉路で悩むことになります

結局、成長につながらないのです。


関心の輪と影響の輪「影響の輪」を大きくする

関心の輪と影響の輪は、下図です。

  • 関心の輪:自分では解決するのが不可能、困難な悩み
  • 影響の輪:自分で解決することが可能な悩み

自分の組織にあてはめて考えてみます。

チームから上がってきた提案は下記でした。

  • システムを導入する
  • 人員増強
  • 他事業部へサポートを申し入れ

この裏にある悩みは

  • マニュアルが大変だからシステムを導入したい
  • 仕事が多いので人が少ない
  • あまりに利用者(他事業部)のマナーが悪い

というようなことで、提案したメンバーの立場で考えると「すべて関心の輪」です。

自分たちでできないことを理解する、というのはそれはそれで重要です。

でも関心の輪に置いて、あとはよろしく、では物事がよくなるはずはありません。

  • マニュアル作業の大変さをデータをとって、システム導入の提案書を作る。
  • 業務効率を上げることを考える。その上で不足分があれば定量化する。
  • 利用者が分かりやすいようにルールを掲示する。都度、自分たちも注意する。

こんな風に考えると、「影響の輪」に入ります。

このように「影響の輪」を大きく考えるようにすることで、他人任せ、という意識がなくなり、自分たちも成長できるし、組織もよくなります


まとめ

丁度、組織の課題とぴったりであったこともあり、大変腹落ちした内容でした。

お勧めの一冊です。

早速、この内容を基に2時間半のワークショップをデザインしました。

9月に自分の組織で実施予定です。

ポイントは、自分たちで考え、気づきを得ることです。そんなデザインにしました。

実際にやってみた結果を下記にまとめました。ご参照ください。


成長マインドセットに関する記事




【成長する人・組織2】PEAK Performance 最強の成長術~成長するための4つのポイント~チャレンジと休息の繰り返し、フロー状態を作る、考えるべきことを選ぶ、成長マインドセットを養う

成長し続ける人材を育てたい

を読んで「自ら学び、行動し、成長する組織」そんな組織を作りたい、と強く思いました

それではどうすればよいのでしょうか?

「常勝集団のプリンシプル」でも多くのヒントがありましたが、更にヒントを得るため読んでみました。

PEAK PERFORMANCE 最強の成長術(ブラッド・スタルバーグ/スティーブ・マグネス[著])



成長するための4つのポイント

この本から学んだ成長するためのポイントは4つです。

「負荷」と「休息」の繰り返しで成長する

トレーニングで負荷をかけたあとに、体が思うように動かなくなることはよくあります。

ところが、その後に体を休ませて回復すると、体はその負荷に適応して強くなり、次はもう少し高い負荷まで耐えられるようになります。

仕事も同じですよね。今までやったことがない仕事にチャレンジすると、なかなか思うようにできません。私も1日中、いろいろ考えて思い悩んで、でも最後までできない、というようなことがよくあります。

でも、一旦打ち切って、家に帰り休息をとると、風呂に入っている時や、次の日の朝の通勤電車で、何か閃くことがあります。散々悩んだのがうそのように、悩みが解決されるのです。

これは休息している間も、脳のある領域が活発に活動する「デフォルト・モード・ネットワーク」といわれる活動のおかげです

また最初は難しかった仕事でも、一度その困難さを乗り越えると、次からはその仕事は容易となり、更に高いレベルの仕事ができるようになります。

このように、「負荷」と「休息」を繰り返すことで成長できるのです。

フロー状態を作る

「常勝集団のプリンシプル」と共通するポイントです。

フロー状態とは、楽しさのあまり、その対象に没入して時間や空間の感覚を失ってしまう状態のことです。

それは極度に集中力を高めたときに起きる現象で、非常に生産性が高く、しかも充実感を味わえる至福の体験と言われています。

フロー状態を作る7つの鉄則については、「常勝集団のプリンシプル」で紹介しました。

大事なことは、下のフローモデル図のように、自分の能力の中でも高度な能力を使って、かつチャレンジの度合いの高いことにチャレンジすることです。

下図の右上の領域です。

1番目のポイントの「負荷」をこの領域で与えることです。


考えるエネルギーは総量が決まっているので無駄にエネルギーを使わない

「考えるエネルギーは総量が決まっている」という言葉が響きました。

時間と同じですね。

そのため、無駄なものにはエネルギーを使わないようにすることがポイントです。

頭を使わなくてよいものは、パターン化することが有効です。

また「マルチタスクは集中力が散漫となり全てが中途半端となるエネルギーの一番の無駄使い」ということでした。私もよくマルチタスクをやりますが、逆効果ですね。シングルタスクを心がけます。

また考えるエネルギーは総量が決まっているので、考えるべき事を選ぶ必要があります

優先度の低いものはやめたり、パターン化することでエネルギーをセーブする。

一方、優先度の高いものには、考えるエネルギーを優先的に使う、といったようにメリハリを考えることが重要です。これも時間管理の考え方と同じですね。

成長マインドセット

これも「常勝集団のプリンシプル」と共通するポイントです。

この本でのポイントは、固定マインドセットの人でも、トレーニングにより成長マインドセットへ変えることができる、という点でした。

成長マインドセットを刺激するストーリーを話をしたり、ワークショップを行ったり、講演や講義を聞いたりすることで成長マインドセットを養うことができる、というのは組織の人材育成という点では大変ありがたいことです。


まとめ:成長し続ける人材を育てるための具体的アクション

「自ら学び、行動し、成長する組織を作りたい」、「成長し続ける人材を育てたい」というのが私のやりたいことです。そのためのアクションを考えました。

2つ実行しようと思います。

一つ目のアクションとして、「成長マインドセットを養うための読書会」を実施します。

目的は2つあります。一つは、成長マインドセットや自分自身の成長について考えることです。

もう一つは、組織と個人の価値観と目的について明確にすることです。

2つ目のアクションは、日々の仕事を、1つ目のアクションで明確にした価値観と目的に従ってフィードバックすることです。

例えば下記内容です。

  • 今やっている仕事は、本人にとってフロー状態を作るような仕事になっているのか?
  • 仕事の優先度はつけられているのか?
  • 優先度の低いものはエネルギーを浪費しないような工夫がなされているか?

5月からの新しい組織で実行する予定です。結果は別途まとめようと思います。お楽しみに。




【成長する人・組織1】どうやったら4年で人が入れ替わる大学スポーツで9連覇もできるのか?~自ら学び、行動し、成長する組織を作る~「常勝集団のプリンシプル」

何故、4年で人が入れ替わる大学スポーツで9連覇もできているのか?

2018年の1月、全国大学ラグビーフットボール選手権で帝京大学が9連覇を達成!

大学スポーツは、4年で選手が入れ変ります。他校も同じように選手が入れ替わるので、戦力バランスは毎年変わります。そんな環境での9連覇は、まさに前人未踏の偉業です。

その秘密を組織マネジメントの観点からまとめた本がこれです。

「常勝集団のプリンシプル 自ら学び成長する人材が育つ「岩出式」心のマネジメント(帝京大学ラグビー部監督 岩出 雅之「著」)」

ビジネスにおける組織作りにおいても示唆に富んだ大変参考になる本でした。必見です!


常に勝ち続ける組織は「トップダウンのセンターコントロール型」ではなく「自立型成長組織」

会社でも「オレについて来い」式の上司の下には、「指示待ち」の部下が増えます

トップダウン型でリーダーの指示をメンバーが忠実にこなすスタイルでは、チームはあるレベルまで実績を出せたとしても、そこで壁にぶちあたり、それ以上の成果は出せません。

一方、メンバーが自己成長する組織には、こうした限界はなく自分達で考え、行動、成長することで、組織は強さを増していきます。

「勝ち続ける組織」を一言でいうと、「自ら学び、行動し、成長する組織」です。

この「勝ち続ける組織」=「自ら学び、行動し、成長する組織」を実現されるための原則を7つのプリンシプルとしてまとめています

そっくりそのまま、自分の組織のマネジメントの原則として目に見えるところに貼りだしたいくらいです。

①勝ち続ける組織とは「メンバー1人ひとりが自律的に考え、行動し、仲間と助け合いながら自ら学習、成長する集団」

②まずはリーダーが変わらなければならない

メンバーの人間的な成長をめざすのではなれば、リーダーは指示命令の代わりに、メンバーの「自律」を促す環境づくりに精力的に取り組まなければならない

指示命令を出す方がよっぽど簡単です。でも指示命令を受けた側の「人間的な成長」は期待できません。

指示命令は、リーダーが楽をするためのツールという記載が、心に響きました。

③メンバーの「自律」を促す心のマネジメントに精力的に取り組む

メンバーの「自律」を促す環境づくりは、非常に遠回りで気の長いアプローチです。我慢や忍耐も必要です

④「自律型組織」の究極的な目的はメンバーの人間的な成長とイノベーションを生み出す能力

⑤の「適応パフォーマンス」は、従来のやり方にとらわれない新しい発想、つまり創造力やイノベーションの発揮が求められます。

VUCAの世界を生き抜くため「適応パフォーマンス」を発揮できる能力を身につける

現代はVUCA(ブーカ)の時代

  • V:Volatality(変動)
  • UUnsertainty(不確実)
  • CComplexity(複雑)
  • AAmbigiutiy(曖昧)

スポーツでもビジネスでも、現場では予想外の出来事が次々と起きています。

予想外の変化に直面した時に、メンバーが自ら判断し、最善の対応をめざす「適応パフォーマンス」が求められます。

⑥普段の練習、生活を通してフロー状態に入る技術を身につける

「自らの能力を100%発揮する」ことが重要です。

自らの能力を100%発揮している状態集中力が非常に高毎、自分の能力がいかんなく発揮されている状態が「フロー状態」です。

条件を整え、訓練することで、自分の意思で「フロー」に入れるようになります。

普段の練習、生活からこの「フロー」に入れる訓練をすることが重要。

⑦最強のモチベーションは「お金」ではなく「楽しさ」


7つのプリンシプルを実現するための3つのアプローチ

それでは7つのプリンシプルを実現するためには、具体的には何をすればよいのでしょうか

具体的なHowをまとめたのが、下記3つのアプローチです。

順にポイントをまとめます。

外的環境づくり

脱・体育会系、余裕のある組織風土

従来の組織では大学4年生は神として絶対的な存在で恐れられていました。

勿論、雑用は一切なし1,2年の下級生が雑用を一手に引き受けます。

しかし帝京大では、4年生がトイレ掃除や雑務を担当します。

1年生、2年生の下級生は、ラグビーに専念させます。余裕が生まれことで自分づくり、仲間づくりといった内的環境に集中できまるので、早く成長します。

また3年生は1年生の研修会の講師を務めることで、視点が下級生を育てることにかわり新たな成長につながります。

4年生の言葉が印象的です。

「1年生のときすごく救われた。4年生になって活きてきた。余裕が生まれ、1年生をサポートすることができた。気づく力が養われた」。

このように、従来の体育会系組織とは真逆にすることで、自ら成長する組織が作られます。

横のコミュニケーションを活性化させる学生コーチ制

「トップダウンのセンターコントロール型」ではなく「自立型成長組織」になるためには、メンバーが圧力を感じることなく、すーっとリラックスして聞ける状態を作る必要があります。

そのためには、同級生や先輩など、身近にいる人に言ってもらうのが一番です。

そこで4年生5名を学生コーチとして、監督やコーチの分身として、練習メニュー作成から部員のコンディションの把握まで細かく気を配ります

3人トーク

練習中でもミーティング中でも3人トーク」を頻繁に行います。

パッと3人で集まって、大事なことを確認しあう数分間のミーティングです。

3人トークでは、上級生が聞き役に回り、なるべく下級生に話をさせるのがポイントです。

こうした横のコミュニケーションを繰り返し行うことで「やるべきこと」が具体化、論理化、意識化され、何故それをやらないといけないかについての理解が進みます

内的環境づくり

成長マインドセット

マインドセットには「成長マインドセット」と「固定マインドセット」の2種類あり、どちらであるかによって、その後の人生に大きな差が出てきます

成長マインドセットを持ってもらうためには、結果ではなく努力のプロセスをほめて誘導していくことがポイントです。

具体的なやり方は、後述する「フローに入る技術」がそのまま使えます。

成長マインドセット 固定マインドセット
才能へのスタンス 努力次第で伸ばせる 固定的で変わらない
関心事 自分を向上させること。努力 他人からの評価。賢さの証明
壁にぶつかった時 粘り強く乗り越えようとする すぐにあきらめる
自分への批判 批判から真摯に学ぶ 批判は無視する
成功とは 自分のベストをつくすこと 自分の優秀さを見せつけること
失敗とは 教訓を与えてくれるもの 屈辱、我慢ならないこと
他人の成功 自分への気づき、学びを得る 脅威に感じる

参考資料:「マインドセット(キャロル・S・ドゥエック著)」

フローに入る技術:7つの鉄則

大事な場面というのは不安やプレッシャーに襲われやすく、そうした状態でフローに入るためには、普段の生活や仕事、練習時などの平常時に「以下の7つの鉄則」を踏まえて、フローに入るスキルを磨いておくことが欠かせません

  • 明確な目標を定め、心理的エネルギーを集中させる
  • あらゆることに成長マインドセットで取り組む

「成長マインドセット」とは、「能力は誰でもいつでも伸ばすことができる、今はできないことでも努力すれば必ずできるようになる」という考え方。

  • いまのレベルより「ちょっと上」にチャレンジする
  • 即座のフィードバックがある
  • 大事なのは「未来」や「過去」ではなく「現在」、今に集中する
  • 「楽しさ」を活動の中心に置く
  • パフォーマンス向上の天敵、「間接的動機」を少なくする

行動計画

「自ら学び、行動し、成長する組織」まさに私自身もそうしたいですし、そんな組織を作りたいです。

5月から新しいポジションに異動するので、大変参考になりました。

今回まとめた内容を参考にして、自分の組織を「自ら学び、行動し、成長する組織」にするための具体的なプランを作ります